もうすぐ文化祭。
僕、真鍋真司は、その時を待っている。
文化祭当日。
それこそが復讐の日。
いや――開放の日、か。
「僕は悪くない」
そんなことを思っていた。
理不尽は空から降ってきて、決して避けられるものではないと。
不条理は足元から湧いてきて、泥濘は両足を捕らえて離さないと。
全て降って湧いたものだと。
僕以外の何かが、誰かが悪いのだと。
――そんなことを、思っていた。
僕が間違っていた。
全くもって、ずれていた。
理不尽も不条理も、悪いのは僕なのだ。
弱い僕が悪いのだ。
人生は戦争だ。
理不尽と感じるならば、不条理と感じるならば。
理想は勝ち取ることでしか得られない。
僕は今まで、負け続けてきた。
だからこんなに苦しいのだ。
こんなに哀しいのだ。
強者は容易く弱者を蹂躙する。
それはこの世界において当然のこと。
だから、弱者はいつだって生きていけない。
隙を見せれば攻められる。
逆に言えば、隙を見つけたなら攻めずにはいられない。
それが僕ら――人間の性なのだ。
だったら話は簡単だ。
勝てばいい。
強くあればいい。
僕を攻撃すればただでは済まないと、思い知らせればいい。
負け犬の汚名を雪ぎ、勝利をつかめ!
いつだって、戦争のルールはそれだけなのだ。
さあ、そうなれば、あとは準備だ。
万端の準備をもって、彼らを出迎えるのだ。
ここにきて、教室から――クラスの展示の準備から逃げ出したことが活きた。
迎え撃つのは、自分のテリトリーがいい。
教室にさえ居場所のない僕の、唯一の居場所。
そこで、彼らを待てばいい。
弱者である僕を、強者である彼らは見逃さない。
必ずこの場所へ現れる。
そこを突く。
僕は、弱かった。
それは多分、今でもそうだろう。
だから、変わらなければならない。
強くなって、勝たなければならない。
いつまでも惨めな敗者ではいられない。
戦うぞ。
戦争が悪いのではない。
敗戦が悪いのだ。
やるからには勝たないといけない。
負けた時、人は初めて悪となる。
そこが、分かっていなかった。
しかし、僕は気づいたのだ。
だから負けない。
負けるわけにはいかない。
いかなる手を用いても――僕は勝つのだ。
この絶望的な状況を、覆してやるのだ。
僕は正義だ。
正義となるのだ。
そのためには、ヒトゴロシだって厭わない。
崇高なる理想を掲げて。
負け犬の汚名を雪げ。
絶望を覆せ。
正義となれ。
さあ、文化祭が始まる――。
僕、真鍋真司は、その時を待っている。
文化祭当日。
それこそが復讐の日。
いや――開放の日、か。
「僕は悪くない」
そんなことを思っていた。
理不尽は空から降ってきて、決して避けられるものではないと。
不条理は足元から湧いてきて、泥濘は両足を捕らえて離さないと。
全て降って湧いたものだと。
僕以外の何かが、誰かが悪いのだと。
――そんなことを、思っていた。
僕が間違っていた。
全くもって、ずれていた。
理不尽も不条理も、悪いのは僕なのだ。
弱い僕が悪いのだ。
人生は戦争だ。
理不尽と感じるならば、不条理と感じるならば。
理想は勝ち取ることでしか得られない。
僕は今まで、負け続けてきた。
だからこんなに苦しいのだ。
こんなに哀しいのだ。
強者は容易く弱者を蹂躙する。
それはこの世界において当然のこと。
だから、弱者はいつだって生きていけない。
隙を見せれば攻められる。
逆に言えば、隙を見つけたなら攻めずにはいられない。
それが僕ら――人間の性なのだ。
だったら話は簡単だ。
勝てばいい。
強くあればいい。
僕を攻撃すればただでは済まないと、思い知らせればいい。
負け犬の汚名を雪ぎ、勝利をつかめ!
いつだって、戦争のルールはそれだけなのだ。
さあ、そうなれば、あとは準備だ。
万端の準備をもって、彼らを出迎えるのだ。
ここにきて、教室から――クラスの展示の準備から逃げ出したことが活きた。
迎え撃つのは、自分のテリトリーがいい。
教室にさえ居場所のない僕の、唯一の居場所。
そこで、彼らを待てばいい。
弱者である僕を、強者である彼らは見逃さない。
必ずこの場所へ現れる。
そこを突く。
僕は、弱かった。
それは多分、今でもそうだろう。
だから、変わらなければならない。
強くなって、勝たなければならない。
いつまでも惨めな敗者ではいられない。
戦うぞ。
戦争が悪いのではない。
敗戦が悪いのだ。
やるからには勝たないといけない。
負けた時、人は初めて悪となる。
そこが、分かっていなかった。
しかし、僕は気づいたのだ。
だから負けない。
負けるわけにはいかない。
いかなる手を用いても――僕は勝つのだ。
この絶望的な状況を、覆してやるのだ。
僕は正義だ。
正義となるのだ。
そのためには、ヒトゴロシだって厭わない。
崇高なる理想を掲げて。
負け犬の汚名を雪げ。
絶望を覆せ。
正義となれ。
さあ、文化祭が始まる――。