歌論 正徹物語 上 105
哥詠まぬ時、妙物共を見渡して、晴の哥詠まんとては、妙物共をさはと取り置きて、何も無くして案じたるがよき也。哥讀む時、古抄物を見てちとづつ書き付け置きて讀みたるは、何としても同類...
歌論 正徹物語 上 89、90、91、94
89 定家卿、忘戀、 忘れぬやさは忘れけり我が心夢になせとぞいひて別れし(拾遺愚草) の...
歌論 正徹物語 上 81、82
81 制のこと葉といひて うつるもくもる(春歌上 57 源具親) 我のみ知りて(恋歌一 10...
歌論 正徹物語 上 66、67、77
66 藻しほは、藻にしみたる鹽也。されば藻に寄する戀にも、もしほと讀むべき也。定家は藻...
歌論 正徹物語 上 58
俊成卿老後に成りて、さても明暮哥をのみ讀みゐて、更に當來の勤めなし。かうては後生いか...
歌論 正徹物語 上 47、48、49
47 家隆卿哥に、 人傳に咲くとはきかじ櫻花吉野の山は日數こゆとも (玉吟集 上) と...
歌論 正徹物語 上 41、42
41 戀哥は女房の歌にしみ入りて面白きおほき也。式子内親王の 生きてよも (恋歌四 132...
歌論 正徹物語 上 20
こと葉一句を殘す哥あり。業平の、 月やあらぬ春やむかしの春ならぬ我身ひとつはもとの身に...
歌論 正徹物語 上 15
定家の、 春の夜の夢のうき橋とだえして峯に別かるゝよこ雲の空 (新古今 春歌上 38 藤...
歌論 正徹物語 上 2、3、11、13
家隆は、詞きゝて颯/\としたる風骨を詠まれし也。定家も執しおもはれけるにや、新勅撰には...