宮内卿 ○心あるをじまのあまの袂哉月やどれとはぬれぬ物から ものからとはそのながらなり。あまは心なきも のなれどもたもとをぬらしたるは月をやど さむためのやうに侍れば所がら心ある海人 かなとよめり。哥のすがた詞づかひ比類なくや。 ※出典 新古今集聞書 牧野文庫。ただし冒頭は、「海辺の月をよめり」とある。