唐詩選卷之一
濟南李攀龍編選
濟南李攀龍編選
五言古
述懐 魏徴
中原還逐鹿投筆事戎軒縱横計不
就慷慨志猶存仗策謁天子驅馬出
關門請纓繋南粤憑軾下東藩鬱紆
陟高岫出没望平原古木鳴寒鳥空
山啼夜猿既傷千里目還驚九折魂
豈不憚艱險深懐國士恩季布無二
諾侯嬴重一言人生感意氣功名誰
復論
感遇 張九齡
孤鴻海上來池潢不敢顧側見雙翠
鳥巢在三珠樹矯矯珍木顛得無金
丸懼美服患人指高明逼神惡今我
遊冥冥弋者何所慕
薊丘覧古 陳子昂
南登碣石館遙望黄金臺丘陵盡喬
木昭王安在哉霸圖悵已矣驅馬復
歸來
述懐 魏徴
中原還鹿を逐ふ
筆を投じて戎(じゅう)軒を事す。
縱横計ごと就(なら)ざれも、
慷慨、志猶存す。
策を仗(つい)て天子に謁し、
馬を駆って関門を出づ。
纓を請て南粤(えつ)を繋ぎ、
軾に憑って東藩を下す。
鬱紆(うつう)として高岫に陟(のぼ)り、
出没し平原を望む。
古木、寒鳥鳴き、
空山、夜猿啼く。
既に千里の目を傷ましめ、
還って九折の魂を驚かす。
豈に艱険を憚らざらんや、
深く国士の恩を懐ふ。
季布、二諾無く、
侯嬴(えい)一言を重んず。
人生、意気に感ず、
功名(こうめい)誰か復論ぜん。
感遇 張九齡
孤鴻海上より来たる。
池潢、敢て顧みず。
側はらに見る双翠鳥の、
巣くふて三珠樹に在る。
矯矯たる珍木の顛(いただ)き、
金丸の懼(おそ)れ無きを得んや。
美服、人の指ふを患ふ。
高明、神の悪(にく)みに逼(せま)る。
今我れ冥冥に遊ばば、
弋者、何の慕ふ所かあらん。
薊丘覧古 陳子昂
南のかた碣石館(けっせきくはん)に登って、
遙に黄金台を望む。
丘陵、尽く喬木、
昭王安(いづ)くんか在る哉
霸図(はと)、悵として已ぬるかな、
馬を駆って復帰り来たる。