新古今和歌集の部屋

俳句集 花鳥風月 浦賀紀行

はじめに

初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。

既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。

2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。

 


 残句(メールを整理して)  2008年07月18日

姫路にて
小春日に吸い込まれたり鷺の城

 

自殺で電車が遅れ
しくれてもせいいっぱいのこはるかな

 

元旦とめでたさばかりテレビ云ひ

 

大寒の帰宅に
外の風おこたを夢み歩く道

 

茶会の亭主の姉のに代わりて
役立たぬ亭主が一人ひな祭り

 

霞立つ覚束なさの檀之浦

 

種を蒔き雨に降られて初さくら

 

退職される方へ
時揃へ桜の咲きし別れかな


 残句2(メールを整理)  2008年07月19日

姪の入学式に
かにさんがしょわれて歩くよランドセル

 

皐月賞に
八重競ふ桜並木の皐かな

走り来て望み叶はず
すまの貝
(スマイル、マイネル、ノット、シェルの頭韻)

 

新書買い
木陰で休む
ころもがえ

 

老眼鏡を買って
ショボショボと老いを感じて皐月闇

 

啼く声を聞きて忍ばぬほととぎすなほ夕暮れのまちの明かりに

 

築地で飲んでいる云うので
今宵また話は尽きじ初がつを

 

五月雨と酒と涙を流しつつ

 

韓国料理の居酒屋で
血の海とホッピがあれば辛くなく

 

五月闇晴る便りを待ち続け

 

みそとせの時を隔てて街並は
はや変はれども
思ひ忘れず

 

人々の思いを集め五月闇


メールが溜まり、句帖代わりなので半年分を整理して


俳句:蝉時雨’08  2008年08月01日

地下鉄のあがり終えると蝉しぐれ


少しクーラーが効いているとはいえ、満員電車に揺られてストレスを貯め、これから仕事をすると思いながら、地下鉄の長い階段を上り、何時もの車の騒音を掻き消す様な蝉の声。
う~ん!夏だ。


 酷暑無風  2008年08月03日

風鈴よ
少し動けと見るけれど

暑い!(;^_^A
口に出して言った所でどうにもならない
少し風でも吹いてくれるとと思うが

湯島天神にて


 雨宿り’08 2008年08月05日

雨やんで蝉の時雨るゝ宿りかな


今日の東京地方は、豪雷雨で止んだと思ったら、また降り出して、今も雷が鳴っている。
雨の小止みの内に帰ろうかとは思ったが、今度は蝉が鳴き出した。
蝉時雨で雨宿りと乙に決め込んで(理由を付けて)蒸し暑いので一杯とは思ったのですが、飲む相手がいないのでむなしく帰宅。

結句を「宿りかな」とするか「雨宿り」とするか迷ったが、雨が3回も続くとしつこいかと。


みみ様添削により
雨の止み蝉の時雨れて宿かりぬ


 中学生かるた大会  2008年08月09日

汗引かず汗を加える小町かな


靖国神社横(二日目は湯島天神)で中学生の百人一首カルタ大会に同席しました
暑い中、子供達の一枚一枚に一喜一憂して、こちらが汗をかいてしまいました
早い子は目にも止まらず、(o゜▽゜o)すごいの一言です


 遠花火08  2008年08月17日

君は行こうと言ったけど
           遠花火


「せっかくだから見に行こうよ。」
と彼女は言った。
「混雑しているのはいやだな~テレビでも見れるし…。」
こうしているうちに言い出すタイミングを失ってしまった。


というストーリーを描いて作ってみました。野暮用があったので行かなかっただけですが。


 墓参    2008年08月24日

御先祖もお茶をごくんと墓まゐり


お盆で墓参りしたが、とても暑くて、直ぐ帰って来たとのメールの返事に。

我が先祖は、何年も帰らず墓参していないので怒っているだろうと思います。


 異国の惜ら夜の月  2008年09月12日

あたら夜の外つ國の月思ひつつ

 

源氏物語明石帖で初めて源氏と明石の君が結ばれたのは九月の十三夜(私の愚説では十月)で調度今日です。


外国との仕事をしている方と今一緒に仕事をしていて、その国の新年が昨日だと教えらてれて、新年を迎えたその国の人々ではどんな夢や希望を抱きながら過ごしているのだろうかと考えて


 赤れんが  2008年09月13日

赤れんが小路を歩く
あきあかね


連休と休暇を利用して放浪の旅に出掛けた
先ずは古典注釈で松尾芭蕉の師でもある北村季吟の墓を詣でる
季吟先生の後を追い掛けている樣なものだなあと何時も思って
次は根津の弥生美術館
大正昭和の少女雑誌の挿絵には何か新しさを感じるとともに、伯母を思い出す

そんな雑誌を読んで夢見る少女だったのだろう

壁は池の端の岩崎邸


 赤レンガ倉庫  2008年09月14日

秋空も海にも染まぬ赤れんが


しら鳥はかなしからずやそらの青海のあをにもそまずただよふ(若山牧水)
の本歌取りです
赤煉瓦倉庫は、長い年月潮風に耐えて来たのでしょう

大桟橋では船が出港する所で、ジャンを鳴らし船員が手を振り旅情を演出していた
横濱ならではか

仲秋の名月は見られそうですね


 浦賀の月  2008年09月17日

月へ行く路を示して浦賀灘

 

名月と十六夜は、中々はっきりと見ることはできませんでしたが、立待月はなんとか浦賀の港で見ることができました。
外洋は波は高いでしょうが、湾の中は静かなものです。
海に照る月を見るのは初めてです。


 戦艦三笠  2008年09月18日

浮もせず水漬屍の秋の暮


戦艦三笠と東郷元帥
皇國ノ興廃此ノ一戦ニ在リ

海ゆかばは、万葉集巻第十八の大伴家持から取られ、奥州から砂金が出て天皇が慶び詔を発し、それに悦こんで和した歌なのに戦後はこの歌まで嫌われてしまった。

軍艦マーチは、パチンコ屋で復活したが、水漬かばねのますらを達は何と思っているだろうか。

三笠はコンクリートに接岸され記念碑と化した

横須賀にて


 彼岸    2008年09月23日

渡るべき岸を離れて風に乗る


5日日ぶりに東京湾を渡る事が出来ました。

雨、台風、急な仕事とと今回の夏休みは東京湾一周のみとなりちょっと残念。

しかしこの先帰る距離はとても長いので覚悟しなくては。

久里浜から金谷の船にて


 ひつぢ田  2008年09月23日

ひつぢ田のうへを流れて羊ぐも


正岡子規は駄洒落の樣な縁語、懸詞を嫌って、今でもその系統の人は嫌っています。

私は、子規の考え(歌よみに与ふる書)が嫌いなので敢えて使いたくなるのはアマノジャクだからかも。

コメント一覧

jikan314
@s1504 窪庭様
コメント嬉しい😆です。
当時は、芭蕉の軽みに付いて学びながら、自身の俳句を模索しておりました。
拙句の中にも、窪庭様の気に入った句が有って、良かったです。
又御覧頂ければ幸いです。
s1504
jikan314 さん,おはようございます。
素晴らしい俳句ですね。
これぞ俳諧というものもあって、可笑しみが一様に流れていると思いました。
川柳にはない深みは、芭蕉にも通じる境地ksとただただ驚いています。
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