新古今和歌集の部屋

新古今増抄 巻第一 春歌上 蔵書

新古今和歌集巻第一

巻とは、もろこしの上代には、紙なかりしに

よりて、竹や木をあみて、それに物をかきて

ありしにより、まきて置ければ云なり。字

つもりて句となり、句つもりて章となり、

章つもりて篇となり、篇つもりて巻と

なるといへり。和哥集も、撰しをはりて天子

へ奏覧するに、二十巻にして、一巻つゞまき

て御めにかける事也。とぢ本にするは、そのゝ

ちの事也。或説に森羅万像を巻こめて

置心なりといへり。第一とは、廿巻のはじめ

なればかく置なり。或説曰、日本紀のごとく

まきのついでひとつにあたれるまきと讀

べしとあれど、こゝにはだいいちとよむとぞ。

一 春哥上

春の哥のぢやうとよむなり。下とあるに對

して、上とをくなり。上下に分つ事、その書

によりて表事ある事なり。或は神代巻

は日月に表し、老子經は道に表しぬるなり。

周易繁辭は、おほきゆへに上下に分かつと云り。

是は廿のかずに合むためおほきを分つ也。

 

 

 

周易 三易(連山・帰蔵・周易)の一つ。夏の占卜の連山、殷の帰蔵に対し、周代の卜筮であるとされる。また書名の「易経」。連山・帰蔵が早く滅んだため、今日では易といえば周易を指す。陰陽説をもとにし、陽を、陰を印であらわし、それを三つ重ねたいわゆる八卦をさらに二つ組み合わせて六四の卦をつくり、それにつけられた象徴的な卦辞によって自然と人間のあらゆる現象を説明しようとするもの。その卦辞の解釈であるいわゆる十翼は、孔子が作ったと伝えられるが、実際には戦国末から前漢中期にかけての集大成である。

※繋辞 繋辞伝 易経の「十翼」の一つ。繋辞とは解釈の言葉を書き綴るという意味。この「繋辞伝」は更に上伝と下伝に分かれ、六十四卦三百八十四爻の凡例を通論する。これによって周易は自然哲学・実践倫理をも説く経典としての意味付けがされた。隋の煬帝の焚書にあった「河図洛書」を参考にする場合に取り上げられることがある。

 

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