新古今和歌集の部屋

養生訓 巻第三飲食上 夕食 消費期限切れ 副食の役割








夕食は朝食より滞やすく消化しがたし。晩食は


少きがよし。かろく淡き物をくらふべし。晩食に飣

の数多きは冝しからず。飣多く食ふべからず。魚鳥

などの味の濃くあぶら有て重き物夕食にあしゝ。

菜類多きは冝しからず。薯胡蘿蔔菘菜芋根慈姑などの

如き滞りやすく氣をふさぐ物晩食に多く食ふべか

らず。食らはざるは尤もよし。

飯のすゑり魚のあざれ肉のやぶれたる色のあしき物

臭のあしき物にえばなをうしなへる物くらはず。

朝夕の食時にあらずんばくらふべからず。又早くして

いまだ熟せず或いまだ生ぜざる物根をほりとり

※豫 艹冠が付き、薯豫はやまのいも

※胡蘿蔔 にんじん

※菘菜 あおな 葉茎菜類の事

※慈姑 くわい

※飯のすゑり。饐飯(スエメシ)。腐ってしまった飯

※あざれ 鯘れ 鮾れ。魚肉などの腐り。


てめだちをくらふの類又時過てらかりを失へる物皆

時ならざる物也。くらふべからず。是論語にのする處

聖人の食し給はざる物なり。聖人実を慎み給ふ

養生の一事なり。法とすべし。又肉は多けれども飯

の氣にかたしめずといへり。肉を多く食ふべからず。

食は飯を本とす。何の食も飯より多かるべからず。

飲食の内飯は飽ざれば飢を助けず。あつものは

飯を和せんためなり。肉はあかずしても不足なし。

少くらつて食をすゝめ氣を養ふべし。菜は穀

肉の足らざるを助けて消化しやすし。皆其食


すべき理あり。然共多かるべからず。



【感想】

朝食の重要性は、再認識されているが、時間が無いと朝食を抜いて学校へ出掛ける子供も多くいる。 朝食は、その後活動期に入る為に、エネルギーとして消費される。又、夕食から昼食までの間が約18時間となる為、昼食前は空腹となり、前述の通り空腹は過食となってしまう。夕食は、その後休息期に入る為に、消化された糖類は脂肪となって蓄積される。現在の生活様式からは夕食偏重となっているが、本来は量を控えるべきであろう。昔は、根菜類も控えるべきとある。

冷蔵庫の無い時代、腐敗に注意しつつ、臭い、異味で、腐敗を感知してお腹を守った。冷蔵庫が発展しても、家庭内で食中毒の発生は多い。冷蔵庫過信がもたらしたものであろう。最終的判断は嗅覚味覚が重要である事は、今も変わり無い。季節外れの食も忌むべきだが、農業生産技術、輸送技術の発達により、世界中から季節に関係無く食材が集まる。食べたいと言う日本人の欲望がそれを推し進めているのであろう。

副食の汁、肉、野菜は、主食のご飯の食を助けるものであろう。それぞれの役割があるのだが、それを多食するべきでは無い。


養生訓巻第三  飲食上

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