
ぼうさん ちんせんき
邙山 沈佺期
邙山 沈佺期
ほくぼうさんしやうつらねふんゑいをばんこせんしゆうたいすらくじやうにじやう
北邙山上列墳塋萬古千秋對洛城城
ちうじつせきかせうおこるさんしやうたゝきくせうはくのこゑ
中日夕歌鐘起山上惟聞松柏聲
ぼうさんはらくようのきたのほうにあり。ひとをうつみしはかしよがおゝくある。せんこのいにしへよりみ
やこのちかきにたいしてある。いまこのところへきて見れはしやうちふにきやかに
うたつたりまつたりうちはやしをしているがこのやまのうへてはたゝさひしくしやうはくのこゑをきく
のみぢやといつてじつはあのやうにせんざいもいきているやうにたのしむかおつつけこゝへほうむるはきのどくじや

※北邙山 洛陽の北に有る山で、墓地として有名。

邙山 沈佺期
北邙山上、墳塋(ふんえい)列なり、
万古千秋、洛城に対す。
城中日夕、歌鐘起るも、
山上、惟だ松柏の声を聞くのみ。
意訳
洛陽の北、邙山の山上には多くの墓が列なって、
万年も千年も変わらず、洛陽の街を見下ろしいる。
城内では、日暮れと共なれば、歌声や楽器の賑やかな音が起こるけれども、
北邙山の上では、寂しく松柏の風に鳴る音が聞こえるばかりだ。
※墳塋 墳墓。
※洛城 洛陽の街。
唐詩選畫本 七言絶句 巻一
