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せきちうのさく
磧中作
はしらしめてむまをせいらいほつす
走馬西来欲
いたらんとてんに
到天
じしていゑをみるつきのりやう
辭家見月両
くはいのまとかなるを
囘圓
こよひすしらいつれの
今夜不知何
ところにかしやくせん
處宿
へいしやはんりぜつす
平沙萬里絶
しんゑんを
人烟
御用ゆへすいぶんいそいで、むまをはし
らしめてのほれば、しだいにたかくて、
てんへのほるやらな。いゑをぢして、
このどうちうへ出てから、十五日を
二どへたゆへ、ふたつきになる
とこにとまうふやら
ばんりひやう/\と
して
平沙はるかにして
ひらのいゑも見へず
とこをたのむへき
ところも
ない
おゝかたこの
沙長にしゆくするで
あうふさて
/\
こゝろぼそい事ではあると也
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磧中の作
岑参
馬を走らせ西へ来り天に到らんとし、
家を辞し、月の両回円かなるを見る。
今夜知らず、何れの処にか宿せむ。
平沙万里、人煙を絶つ。
意訳
馬を走らせ西に来ると、地の果てを越えて、天に至ったようだ。
家を出てからもう二回満月を見る事となった。
今夜も、何処で泊まれるか分からない。
広大で平らな砂漠は、人が住んでいる痕跡の煙が見えないから。
※磧 小石交じりの砂地
※月両回円 満月が2回。つまり2ヶ月。
※平沙 平らな砂漠
唐詩選畫本 七言絶句 巻四
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