JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

ラスト・フレンズ ~Is This Love ?~

2008年05月20日 15時37分00秒 | ドラマ
 サバイバーちゃうで。誰もわからん思うわ。さて、ドラマ評第2弾は『ラスト・フレンズ』。『CHANGE!』評聞きたかったぁ?当確マークは出せなかったということです’あさくら啓太’どの(キムタクの役名) 。事故で死んだ政治家の後釜として、片田舎で小学校教師をしている次男に、白羽の矢が。わざとらしくもっさいキムタクが、絵に描いたような好男子に生まれ変わり、選挙へ出馬。土壇場に出てきたスキャンダル-18年前のオヤジの不正疑惑-を認め、謝罪し、逆転勝利を収めるのだ。ふん、甘いね。脚本の福田靖さんは、ある人物との出会いによってダメ人間が成長していくストーリーがお得意。市井の民がこつこつ努力する姿に、優しい眼差しを注ぐ人なのだが、今回に限ってはそれが裏目に出ているなぁという印象。政治の世界って、キレイごとだけでは転がっていかないから。選挙参謀の阿部ちゃ~ん!『ドラゴン桜』にしか見えんぞ。キムタク、代議士の前に東大受験かと思ったよ。

 第2話では、新人議員のキムタクが国会王子などと、もてはやされまして。「勘弁してよ~」と本人ため息をついておられたのですが、それを見てこちらが「勘弁してよー」 。’オレ様’’何サマ’’王子さま’ってか。総理の伊東四朗が、料亭女将にセクハラで訴えられ辞任。その後釜に・・・キムタク?そんな展開にも「勘弁してよー!」 。コメディー色、強過ぎ。伊東四朗や中村敦夫といった大物が、道化の役割に終始しているのが惜しい。冷徹な悪の緊張感・存在感が必要かな。それを描くことで、キムタクが背負っている正義・誠実さを浮き上がらせてほしいんですよ。今後そうしたシビアな役回りになるのが寺尾聡なのだろうが、頑張って~!おっと、この辺にしておきます♪

 さて、『ラスト・フレンズ』。長澤まさみが、DVの彼に悩まされております~。この彼、勝手に彼女の携帯をのぞくわ、実家へ入って卒業アルバムを持ち出すわ、職場の前で延々待ち続けるわ、とにかくウザい。帰宅時間にイチャモンをつけ始めたのを皮切りに、男性の客をとるなだの(まさみチャンは美容師)、友達と付き合うなだの、要求がどんどんエスカレートしまして。ついに暴力です。本来なら’キモ!’’こわっ’と言って却下するところですが、錦戸亮くんの陰りのある瞳を見るとねぇ、つい引き込まれるの・・・。そういう意味では、思い切り適役でしょう。ご本人、ボクのキャラじゃないとおっしゃっていたそうで。口の悪いママ友が、「自分をどんなアイドルだと思っていたのかしら」と。うん、わかるよ。『1リットルの涙』だって、当時まだ可愛げのあった沢尻エリカ(難病の少女)を支えていたものの、小さく世をスネた少年役だったし。ヒトクセ、フタクセある役が多いような。役者としては異色キャラだものね。

 とにかく困った彼なのですが、どこか捨て置けないのです。まさみチャンの気持ち、すこーし心当たりがあるの。もっとも私の場合、1発殴られたら3発くらいお返しするけどね。それでも押されたら弱いツボがあり、それを抱えている私は、錦戸くんやまさみチャンの動向が、とても気になる。彼らのことを特殊な人間だとは思えないんです。まさみチャン、辛い思いをしてるのに、まだ彼と向き合おうとしているよ。守ってくれていた友人たちを振り切り、彼の元へ。お~い!せっかく抜け出しかけたのに、また戻るんか~!求められる恍惚感を断ち切るのは難しい。人に認められ、必要とされてこそ、自信がもてる。錦戸くんも、まさみチャンも、そう感じているのでしょう。放っておけないのは、相手の為だけじゃない。 愛という名の依存。お互いにね。

 ママ友の旦那さん曰く「頭の悪い女にしか見えない」と。うーむ。男性側からもそんな声がでるのか。厳しいな。健気には映らなかった訳ね。それは設定の所為なのか、長澤まさみの演技がイマイチなのか・・・イジイジした感じ、上手く出ていると思うのだけど。作品によってバラツキのある女優さんですが、『世界の中心で、愛をさけぶ』のちょいワル優等生と、『セーラー服と機関銃』のとぼけた女子高生は、面白く拝見。個人的には、もうしばし猫かぶり姫でいてほしかった。倉本聰のドラマへ出ていた頃は、もの言わぬ知性派といったオーラがあって、今より大人っぽかったよ。つまらぬアイドル映画へ出ている間に、だんだんおこちゃま化している気がするのです~。

 明石家さんまを始めとする周囲の男性がいけないのよ!「まさみチャン、かわいいねぇかわいいねぇ」って、いつまでも子ども扱い。元来の持ち味だった知性も気品も取り去ってしまった。逆に、そうした文化をさりげなく伝えていくのが、大人の男じゃないかしらん。おじさま方、頼みますよ。「若い娘さんとお付き合いできるだけで幸せ♪でへぇ~」なんて鼻の下のばしてたらアカンでぇー。最近ではエリカ様並みに生意気報道もあるけれど、東宝シンデレラで出てきたからには、若き日の沢口靖子みたく正統派で歩んでいってほしいなぁ。壊れるのは30過ぎてからでいいよ。沢口さんみたいに。

 愛って厄介だな、と感じるのは
 ・愛は我慢
 ・私がいて邪魔になるようなことはしたくない
 ・その人のために何をしてあげたら一番いいかを考える
こういう精神を美徳とする側面がある。(ネタ元はピーコさんです) 自己犠牲とでもいいましょうか。表面的には素晴らしいようだけど、果たしてそうなのだろうかと考えてしまいます。だってドラマのまさみチャンの行動なんて、正にこの精神に裏打ちされているじゃないですか。それで周囲が幸せかというと、そうでもなさそうだ。本人も辛い、周囲も辛い、じゃあ何の為に自分を犠牲にしているの?

 相手を思いやって行動することが、双方の喜びにつながればよいのだけれど、こちらの自己満足だけで終わったり、極端に自分を抑え込んで苦しくなったり。上手くはいかないものです。本人の思惑、往々にしてスベってしまうんだよな。そうして、ある局面では、相手を思いやることすら難しい。錦戸くんね・・・暴力やストーカー行為は、そうそう当てはまらないかもしれないけど、その萌芽は、夫や彼という存在の中にある。私の中にもある。人を好きになる気持ちを突き詰めていくと、嫌な感情が出てくるものです。それは嫉妬だったり、支配欲だったり。本人すら自覚していない感情だってある。相手の部分だけ見て鬱陶しく感じたりしているが、意外とお互いサマなのだ。

 さて我が家の錦戸くんですが、ちょっとした残骸から、「お昼に○○を食べただろう」とか「誰か来たのか」とか、無粋もいいトコで。明智小五郎並みの推理力なんか発揮していらんっちゅーねん。友人にボヤいているとね、夫の詮索ぶりが面白いと。笑うとこ、ちゃうねんけどな~。「不愉快だわ。そう思っても口にしないものよ。」と言えるまでに10年かかった。だから、まさみチャンを笑えないのよーっ。夫婦とはいえ、プライバシーに踏み込まれるのは嫌なの。自分の世界も持ちたいしね。

 友人の『Around 40』評。「松下由樹宅の家族が怖い。夫が妻を見下しまくり。こんな奴は会社でもうまくいってないよ。たいしたことねー。」あんなダンナはそこにも、ここにもいる。小さな錦戸くんじゃないけれど。私は、あのドラマで言うところの笑いのツボが合い、自分らしくいられる、藤木直人くんのような人と’人がどう思うかより、自分がどう思うかやんな’という結婚をしましたが、蓋を開けてみれば・・・藤木くんだと思っていたのは、松下由樹のダンナでした。アチャー。それが現実です。夫は夫で、親しみ易い天海祐希と結婚したハズが、蓋を開けてみれば・・・『猟奇的な彼女』の田中麗奈だった。 殴る、蹴る、吐く。 第1話を見て、私かと思った。「暴力反対!!」 我が家でこの言葉を吐いてるのは・・・・夫です。あれれ?私が錦戸くんで、夫がまさみチャンだったかな。失礼致しましたーっ。