どうも。みなさん初めまして。いつも母さんが、お世話になってます。今日は日頃のうっぷんを晴らしに、ここへやって来ました。僕だって、ネタにされてるだけじゃあ、つまらない。「博士が愛した葬式」だって、人の聞き間違いを、何度ネタにしているんだ。自分だって 『シュレックⅡ』のことを、「白い靴」だと思っていたんですよ。人を笑い者にしているけど、この親にしてこの子ありなんだ。まぁそれでもウケてもらえると、ちょっと嬉しい・・・アブナイアブナイ。母さんの陰謀に引っかかる所だった。家族が迷惑している。この現状を訴えなければ!大体、父さんや僕の下の毛事情を暴露しておいて、己のことはボンドガールですよ。まったく、どこまで図々しいのか。あっこのネタは、今年の5月に母さんが書いた『性春の門2』というエッセイにあります。恥かしいなぁ。えへ。テレてる場合じゃないぞ。お返しに、僕の目に映る母さんの姿を、余す所なく描いてやるんだ。イシシ。
さて、何から話そうかなぁ~。いろいろあり過ぎて困るよ。けどやっぱり、うん、あのエピソード。花火大会の日ね、会場へ向かう前に、近所の居酒屋で、腹ごしらえをしていったの。「あ~美味しかった」家族全員大満足で、帰り支度をしていました。そうしたら、サンダルを履こうと、かがみ込んだ瞬間に、母さんのチェーンベルトがですね、ぶちぶちっという音と共にはじけ飛び、その一片がしゅんしゅんしゅんしゅん しゅんしゅんしゅんしゅん流線型を描いて、僕の方へ向かってきた。「うわぁ~!」あれ、一種の狙撃ですよ。母さんのチェーンベルト、おそろしいアイテムだ。『007』のジェームズ・ボンドだって、『ミッション・インポッシブル』のイーサン・ハントだって、そんなもの持ってやしない。サンダルを履こうとしてる人から、チェーンベルトが飛んでくるだなんて、誰が予測します?「大丈夫ですか!?」見送りに並んでた店の人たち、辛かったろうなぁ。笑いたくても笑えないんだもん。それでもね、真面目な顔を作って、心配してくれました。いいお兄さんたちだ。そのベルトを、父さんが泣きながら直したんです。「なんで、こんなトコから切れるかなぁ。」「えへへ。」ウェストを細く見せようと見栄張るからだよ。出っ張ってるお腹が、目立つだけなのに。
しばらくは家族にいじられ、少しは反省したかと思っていたら、また、しゃあしゃあと同じ恰好をしてる。今度は大丈夫かいと横目で睨んでいると、「へーっくしゅん!」ぶちぶちっ。オーノー。ちょっと前に、冬物のワンピを買ったとか言って、喜んでたんですよ。また、あのチェーンベルトが活躍するに違いない。今度はブーツを履く時に、ブチ切れるんだ。賭けてもいい。初めて黒い柄物のストッキングを買ったって、浮かれてもいたな。「どう?セクシーでしょ♪」クルリと回ったりするんだが、贈答用ハムにしか見えないの。わお!網目が広がる~。妹が「おかあさん、かわいい~。」なんて相手になるものだから、ますます図に乗るんだ。ホント、女が「かわいい~」っていうのは、アテにならないな。僕はね、正直だからそんな調子のいいことは言えない。いや、言わない。ガリレオと一緒さ。
思春期にさしかかっている僕には、悩ましいことがある。僕ん家はね、襖一つ隔てて、大人たちの寝室と子どもたちの寝室が隣り合ってる訳。で、その・・・真夜中に・・・なにやら聞こえてくるの。ハーメルンの笛違いますよ。キャーとかアンとか。こうなると、’実に興味深い’なんて構えてる余裕はないからね。布団をかぶってタラリ脂汗を流してる。妹はといえば、スヤスヤ夢の国だ。チクショウめ。ある日、たまらなくなった僕は、母さんに、こんな嘆きをもらしたよ。「ここは猫の楽園か!」「聞こえたぁ?」「去年のクリスマスから数回聞いた。」「聞くな。」「聞かすな。」「じゃあ、聞こえてるでってサインを、決めとかなアカンね。ベッドの枠を叩け。」「リコーダーで、ルパン三世のテーマ吹いたるわ!」「あっはは。」そこは、’私は貝になりたい’だろうよ。まったく ’真夜中の弥次さん喜多さん’ならぬ ’真夜中の父さん母さん’だ。しょうがないなぁ。ではこの辺で、尻を上げるとしよう。ばいちゃ。
さて、何から話そうかなぁ~。いろいろあり過ぎて困るよ。けどやっぱり、うん、あのエピソード。花火大会の日ね、会場へ向かう前に、近所の居酒屋で、腹ごしらえをしていったの。「あ~美味しかった」家族全員大満足で、帰り支度をしていました。そうしたら、サンダルを履こうと、かがみ込んだ瞬間に、母さんのチェーンベルトがですね、ぶちぶちっという音と共にはじけ飛び、その一片がしゅんしゅんしゅんしゅん しゅんしゅんしゅんしゅん流線型を描いて、僕の方へ向かってきた。「うわぁ~!」あれ、一種の狙撃ですよ。母さんのチェーンベルト、おそろしいアイテムだ。『007』のジェームズ・ボンドだって、『ミッション・インポッシブル』のイーサン・ハントだって、そんなもの持ってやしない。サンダルを履こうとしてる人から、チェーンベルトが飛んでくるだなんて、誰が予測します?「大丈夫ですか!?」見送りに並んでた店の人たち、辛かったろうなぁ。笑いたくても笑えないんだもん。それでもね、真面目な顔を作って、心配してくれました。いいお兄さんたちだ。そのベルトを、父さんが泣きながら直したんです。「なんで、こんなトコから切れるかなぁ。」「えへへ。」ウェストを細く見せようと見栄張るからだよ。出っ張ってるお腹が、目立つだけなのに。
しばらくは家族にいじられ、少しは反省したかと思っていたら、また、しゃあしゃあと同じ恰好をしてる。今度は大丈夫かいと横目で睨んでいると、「へーっくしゅん!」ぶちぶちっ。オーノー。ちょっと前に、冬物のワンピを買ったとか言って、喜んでたんですよ。また、あのチェーンベルトが活躍するに違いない。今度はブーツを履く時に、ブチ切れるんだ。賭けてもいい。初めて黒い柄物のストッキングを買ったって、浮かれてもいたな。「どう?セクシーでしょ♪」クルリと回ったりするんだが、贈答用ハムにしか見えないの。わお!網目が広がる~。妹が「おかあさん、かわいい~。」なんて相手になるものだから、ますます図に乗るんだ。ホント、女が「かわいい~」っていうのは、アテにならないな。僕はね、正直だからそんな調子のいいことは言えない。いや、言わない。ガリレオと一緒さ。
思春期にさしかかっている僕には、悩ましいことがある。僕ん家はね、襖一つ隔てて、大人たちの寝室と子どもたちの寝室が隣り合ってる訳。で、その・・・真夜中に・・・なにやら聞こえてくるの。ハーメルンの笛違いますよ。キャーとかアンとか。こうなると、’実に興味深い’なんて構えてる余裕はないからね。布団をかぶってタラリ脂汗を流してる。妹はといえば、スヤスヤ夢の国だ。チクショウめ。ある日、たまらなくなった僕は、母さんに、こんな嘆きをもらしたよ。「ここは猫の楽園か!」「聞こえたぁ?」「去年のクリスマスから数回聞いた。」「聞くな。」「聞かすな。」「じゃあ、聞こえてるでってサインを、決めとかなアカンね。ベッドの枠を叩け。」「リコーダーで、ルパン三世のテーマ吹いたるわ!」「あっはは。」そこは、’私は貝になりたい’だろうよ。まったく ’真夜中の弥次さん喜多さん’ならぬ ’真夜中の父さん母さん’だ。しょうがないなぁ。ではこの辺で、尻を上げるとしよう。ばいちゃ。