負けてもいいかと不安になった

負けてもいいかと不安になった

そのとき師はこういった

負けてもいい

いままで努力してきたことを

精一杯ぶつけたらいい

冒険するところは冒険して

できるだけのことをすればいい

そうしてそれでも負けたんなら

負けてもいい

負けてもいいが

決して悔いを残すな

冒険するかしないかなら冒険しろ

踏みとどまって勝てるならそうしてもいい

そうすることで

悔いが出ないならそうすればいい

でも冒険したときのほうがすっきりするぞ

負けてもいい

負けてもいいが

勝負に負けても自分には勝て

やるだけやってぶつかるだけぶつかって

そして一片の後悔もなくして負けてこい






その言葉に涙した

あとはやるだけなんだ

後悔しないようにする

やれるだけのことをする

ただそれだけなんだ





勝負は案の定負けた

勝負の途中で

冒険しなければいけない事態になった

そして躊躇なく冒険した

そして逆転を食らった

しかし悔いはなかった

やれるだけのことはした

それでいいんだと思った

負けても俺は負けてない

負けそうだったけど

負けてはいないと思った

勝負は負けたけどね

形なきもの

お前の物欲はなにから来ているんだ

お前は金額で判断するのか

お前にもっとも必要なのは

そのものの形や額面ではない

そのものの中にある形なきもの

形なきがゆえに見逃してしまいそうな

思いだ

人と人とのつながりも

形にばかりこだわってはいけない

形は形でしかないんだよ

形なき思いにこころをはせないといけない

形なき思い

形なきこころ

形なきものがどれほど大事か

形式的に善であっても

こころがともなっていなければ

決して善ではない

認めたふりをしても

こころがともなっていなければ

認めたことにならない

形なき思いが大切なのだよ

こころからの思い

それはこころを通じて人を動かす

思いはこころが応えるんだよ

そのものの形にとらわれることなく

こころがあつくなることをしなさい

こころが望むことをしなさい

こころが感じるものを手に入れなさい

そうしていくうちに

ほんものたちを手に入れていくことになるからね

形なきものは金で買えない

それはこころが感じるものだからだよ

おまえにとっての真実だからだよ