JUNSKY blog 2015

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共謀罪に関連して杉浦法務大臣の発言が話題に

2006-05-26 10:46:58 | 共謀罪
【ざぶさん】よりトラックバックを頂いたので、ブログを訪問してみると、杉浦法務大臣のNHKでの発言と、これを一方的に垂れ流し、反対意見を対峙させなかったNHKの報道姿勢を問うておられました。
「共謀罪法案」に係わる大臣発言とNHK報道

 NHKが政府の広報“Windows”であるのは先刻承知のことです。(その中で一部の良識派のNHK職員が頑張っているのも確かですが。)

 その中で、法務大臣が自らのホームページでは、比較的リベラルな発言をしているとの御紹介がありました。曰く
【法律は、いったん制定されると制定者の意図とは無関係に、時代とともに一人歩きを始める。旧帝国憲法の運命もそうだった。明治の元勲たちが健在の間はまだよかったが、彼らが一人去り二人去り、政治の舞台から消えていくにつれて、旧帝国憲法の欠陥は繕い難くなっていく。明治の元勲たちが、元老として政治の実権を掌握できなくなっていくにつれて、わが国家は維新の大業を知らない指導者たちの手で責任の所在の定かでない国家になっていき、やがては、軍部が元老たちに代わってその実権を掌握するに及んで破局を迎えることになる。 】

 その「引用」を読んだ範囲の感想として、以下のコメントを【ざぶさん】に送りました。

 法務大臣が“リベラルな”発言をHP上でしていると言うのは、ここで初めて知りました。
 もっとも、『明治6年政変』(毛利敏彦著・中公新書)などを読むと、政権について数年後には、長州閥を中心とした汚職・腐敗は目を覆うばかりであり、これを糾そうとした江藤新平は、伊藤博文・井上馨・大久保利通らの陰謀で葬り去られたのです。

 維新の元勲が初心を持っていたのは初期の数年であり、それ以後は明治専制政府を率先して運営していたのですから(日清戦争をはじめとする戦争政策も含めて)。
元勲がいなくなったから軍部が暴走したかのような杉浦氏の発言は、弁護士出身とは思えない事実誤認、あるいは明治政府美化といえるでしょう。

 従って、リベラルとは正反対の考えだと思います。
 共謀罪は、反対派の声を可能な限り押さえ込みたい現政権と、法務官僚の発想であり、杉浦氏の発想ではないかもしれませんが、それを許す背景があると思います。
 そのうえ、もともとホームページは国民向けの広報の場であり、権力者が本音を書くはずがありません。先日も書きましたが『毒薬を糖衣に包んで飲ませる』のが彼らのやり口ですから。

 なお、この意見は【ざぶさん】を批判している訳ではありません。
一緒に共謀罪を葬るまで頑張って行きましょう。