(画像は公式ホームページより)
1月4日(木)午後1時からミュージカル「マリー・アントワネット」
(Marie Antoinette)を見た。
パンフレットのメインタイトルは「MA」だ。
MAとしている理由は、Marie Antoinette 以外の主人公 Margrid Arnaud(マルグリッド・アルノー)の存在に関わっている。
このミュージカル、タイトル・ロールはマリー・アントワネットではあるが、真の主人公はマリー・アントワネットではなくマルグリッド・アルノーの方である。
マリー・アントワネットは元宝塚出身のベテラン涼風真世を配している。
宝塚では、1ヵ月半の間ほぼ休み無く(週1回休みはある)昼夜公演で歌いっぱなしであるから、喉が鍛えられているのである。
主なソロ・リリックはマルグリッド・アルノーに当てられている。
したがって、この役は若手をダブル・キャストで配して、喉を守っている。
新妻聖子と笹本玲奈。いずれも「レ・ミゼラブル」のエポニーヌと「ミス・サイゴン」のキム役をやって頭角を現してきた若手女性。
公演パンフでは化粧のせいか、そっくりである。
この日は、新妻聖子が昼の部を務めていたが、涼風真世と互角以上に亘り合っていて結構うまかった。
マリー・アントワネットの愛人アクセル・フェルゼン(宝塚の「ベルバラ」のフェルゼン編でつとに有名になった)には、今や日本のミュージカルに欠かせないテナー井上芳雄。
彼は、あの「エリザベート」で小池修一郎によってルドルフ皇太子役に大抜擢された器であり、その後「モーツァルト!」でタイトル・ロールを演じて好評を得た。
その頃までは、高い声は良く出るがいわゆるキンキンした声で厚味が無かったと思うが、この公演では中低音も太く深みのある声が出ており、高い音も幅のある声になっていた。
早い話が、相当うまくなっていた。
なお、「エリザベート」「モーツァルト!」「マリー・アントワネット」全てがウィーン・ミュージカルであり、ミヒャエル・クンツェの脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイの作曲である。
「マリー・アントワネット」が異色なのは、原作が遠藤周作であり、マルグリッド・アルノーという主役も遠藤周作による創作であること。
これを元に、ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイが時代考証や調査を行なって本を書き、これを再度日本語に訳して、「日本で初演」するというところである。演出は新国立劇場芸術監督の栗山民也氏。
御存知のように、「エリザベート」はウィーンで大成功を納めた後、宝塚歌劇が日本初演し、その後東宝のプロダクションとなった。
「モーツァルト!」はウィーンで成功した後、今度は東宝が日本初演をおこなった。
これに対して、「マリー・アントワネット」は日本主導でミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイに委嘱し、東宝が制作し、日本で世界初演したのである。(2006年末・東京初演)
他の主な配役は、
狂言回し的役回りのボーマルシェ(フィガロの結婚の作者)に山路和弘、
錬金術師カリオストロ(裏で糸を引くような役、エリザベートにおけるトートのような役)に山口祐一郎、
ルイ16世の従兄弟ながら革命の手引きをするオルレアン公に高嶋政宏、
脇役だがルイ16世に石川禅、
修道女アニエスに土居裕子(この人はさすがに歌がうまい)
など、豪華キャスト。
東京公演を見た人の事前情報として、演出家の“横暴”でミュージカルの形が失われ、ストレートプレイのようになって「不満たらたらだった」と聞いていたが、それは杞憂で(博多座で歌を復活したかもしれないが)全編ミュージカルという雰囲気ではあった。一部、涼風真世が歌ではなくセリフで返している(相手は歌で迫ってきているのに、普通のセリフで返している)場面があったが、この場面のことか?
今回はこれまでとし、劇の批評は改めて・・・ということで。
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【最後まで御覧頂きありがとうございました。
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1月4日(木)午後1時からミュージカル「マリー・アントワネット」
(Marie Antoinette)を見た。
パンフレットのメインタイトルは「MA」だ。
MAとしている理由は、Marie Antoinette 以外の主人公 Margrid Arnaud(マルグリッド・アルノー)の存在に関わっている。
このミュージカル、タイトル・ロールはマリー・アントワネットではあるが、真の主人公はマリー・アントワネットではなくマルグリッド・アルノーの方である。
マリー・アントワネットは元宝塚出身のベテラン涼風真世を配している。
宝塚では、1ヵ月半の間ほぼ休み無く(週1回休みはある)昼夜公演で歌いっぱなしであるから、喉が鍛えられているのである。
主なソロ・リリックはマルグリッド・アルノーに当てられている。
したがって、この役は若手をダブル・キャストで配して、喉を守っている。
新妻聖子と笹本玲奈。いずれも「レ・ミゼラブル」のエポニーヌと「ミス・サイゴン」のキム役をやって頭角を現してきた若手女性。
公演パンフでは化粧のせいか、そっくりである。
この日は、新妻聖子が昼の部を務めていたが、涼風真世と互角以上に亘り合っていて結構うまかった。
マリー・アントワネットの愛人アクセル・フェルゼン(宝塚の「ベルバラ」のフェルゼン編でつとに有名になった)には、今や日本のミュージカルに欠かせないテナー井上芳雄。
彼は、あの「エリザベート」で小池修一郎によってルドルフ皇太子役に大抜擢された器であり、その後「モーツァルト!」でタイトル・ロールを演じて好評を得た。
その頃までは、高い声は良く出るがいわゆるキンキンした声で厚味が無かったと思うが、この公演では中低音も太く深みのある声が出ており、高い音も幅のある声になっていた。
早い話が、相当うまくなっていた。
なお、「エリザベート」「モーツァルト!」「マリー・アントワネット」全てがウィーン・ミュージカルであり、ミヒャエル・クンツェの脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイの作曲である。
「マリー・アントワネット」が異色なのは、原作が遠藤周作であり、マルグリッド・アルノーという主役も遠藤周作による創作であること。
これを元に、ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイが時代考証や調査を行なって本を書き、これを再度日本語に訳して、「日本で初演」するというところである。演出は新国立劇場芸術監督の栗山民也氏。
御存知のように、「エリザベート」はウィーンで大成功を納めた後、宝塚歌劇が日本初演し、その後東宝のプロダクションとなった。
「モーツァルト!」はウィーンで成功した後、今度は東宝が日本初演をおこなった。
これに対して、「マリー・アントワネット」は日本主導でミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイに委嘱し、東宝が制作し、日本で世界初演したのである。(2006年末・東京初演)
他の主な配役は、
狂言回し的役回りのボーマルシェ(フィガロの結婚の作者)に山路和弘、
錬金術師カリオストロ(裏で糸を引くような役、エリザベートにおけるトートのような役)に山口祐一郎、
ルイ16世の従兄弟ながら革命の手引きをするオルレアン公に高嶋政宏、
脇役だがルイ16世に石川禅、
修道女アニエスに土居裕子(この人はさすがに歌がうまい)
など、豪華キャスト。
東京公演を見た人の事前情報として、演出家の“横暴”でミュージカルの形が失われ、ストレートプレイのようになって「不満たらたらだった」と聞いていたが、それは杞憂で(博多座で歌を復活したかもしれないが)全編ミュージカルという雰囲気ではあった。一部、涼風真世が歌ではなくセリフで返している(相手は歌で迫ってきているのに、普通のセリフで返している)場面があったが、この場面のことか?
今回はこれまでとし、劇の批評は改めて・・・ということで。
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