JUNSKY blog 2015

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「納豆」のダイエット情報はまったくのインチキだったって

2007-01-21 22:47:35 | 事件・事故
「納豆」が店頭から無くなったほどのTV「あるある大事典Ⅱ」のダイエット情報はまったくのインチキだったって、しんぶん「赤旗」1月21日付に出てました。

以下、しんぶん「赤旗」1月21日付 15面 引用
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フジ系番組でねつ造
納豆ダイエットの根拠架空
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 「ダイエット効果あり」と、納豆を大々的に取り上げたフジ系の情報番組が、ねつ造だったことがわかりました。
問題の番組は今月七日に放送された「発掘!あるある大事典II」。
関西テレビが制作しました。
放送後に「納豆が店頭から消える」ほどの現象を巻き起こしていました。

 関西テレビは、二十日に大阪市で千草宗一郎社長が記者会見を行い、「事実とは異なる内容が含まれていることが判明しました。おわびを申し上げます」と謝罪しました。

 関西テレビが明らかにした、事実と異なるのは次の五点。
(1)三枚の比較写真は、被験者とは無関係だった
(2)アメリカの学者の日本語訳のコメントを紹介したが、内容を含めてこのような発言はなかった
(3)八人の被験者の中性脂肪値などの数字を流したが、測定していなかった
(4)血中イソフラボンの測定はしていない。比較結果は架空のもの
(5)血液は採取したが、数字は架空のものだった―です。


 十八日、週刊誌から関西テレビに番組内容が誤りではないかとの質問状が届き、社内調査した結果、十九日深夜に放送内容が事実でなかったことが判明しました。

 制作の関西テレビと日本テレワーク、制作を請け負ったプロダクションの三社で構成する調査委員会でさらに解明する、としています。
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(引用終わり)


そこで、関連記事を覗いていたところ、いつも行く「カナダde日本語」さんのところに、関西テレビの謝罪記事の全文コピペがあったので、それを皆さんに提供します。

以下、「カナダde日本語」さんがコピペしていた報道発表
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2007年1月20日
視聴者の皆様へ
関西テレビ放送

1月7日(日)午後9時~9時54分放送の「発掘!あるある大事典II」第140回「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」におきまして、番組内容に事実とは異なる内容が含まれていることが判明いたしましたので、お詫びを申し上げます。視聴者の皆様の信頼を裏切ることとなり誠に申し訳ございませんでした。
事実と異なる内容につきましては以下のとおりでございます。

1.アメリカのダイエット研究の紹介におきまして、56人の男女を集めて、実験をしており、被験者がやせたことを示す3枚の比較写真が使われておりますが、この写真について被験者とは無関係の写真を使用いたしました。

2.テンプル大学アーサー・ショーツ教授の日本語訳コメントで、「日本の方々にとっても身近な食材で、DHEAを増やすことが可能です!」「体内のDHEAを増やす食材がありますよ。イソフラボンを含む食品です。なぜならイソフラボンは、DHEAの原料ですから!」 という発言したことになっておりますが、内容も含めてこのような発言はございませんでした。

3. 番組で実験を行った8名の被験者について、放送では「中性脂肪値が高くてお悩みだった2人は、完全な正常値に!」とコメントし数字をスーパーしておりますが、コレステロール値、中性脂肪値、血糖値についての測定は行っておりませんでした。

4. あるあるミニ実験として、納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつに分けて食べた場合の比較実験ですが、血中イソフラボンの測定は行っておらず、比較結果は架空のものでした。

5. 番組で実験を行った8名の被験者について「体内で作られるDHEAは20代をピークに減少、食べ過ぎや運動不足によってDHEAの量が低下している可能性があるのだとか!20代から50代の男女8人の血中DHEA量を測定。さて結果は?」として22歳OL、25歳会社員、37歳会社員のDHEA量を測定し年齢の基準値と検査結果をテロップ表示で比較をおこなっておりますが血液は採集をしたものの、実際は検査を行っておらず、数字は架空のものでした。また、ここで使用している「DHEA分泌は加齢とともに低下する」ことを示したグラフは許可を得ずに引用いたしました。

また、アメリカのダイエット研究の紹介部分について、あたかもテンプル大学のアーサー・ショーツ教授が行った研究と受け取られる構成になっておりました。この研究はワシントン大学のデニス教授の研究であります。

尚、1月21日(日)放送につきましては休止いたしますのでご了承ください。
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(引用終わり)

お騒がせなことですね。
これで儲かったのは「納豆」業界?
しかし、この反動で在庫山積みになるんでしょうね。
おそらく、休日返上で大増産していたんでしょうから?

TV局は、社会に与える大きな影響に対して、如何責任を取るつもりでしょうか?
2006年は「偽装」に明け暮れた1年でしたが、今年2007年も不二家、三菱自動車again、関西テレビと騙しの手口が続く年になりそうです。

関西テレビといえば、「偽装請負」を告発する番組を作り、光洋シーリングテクノの仲間(JMIU労組)の闘いを積極的に取上げた放送局なので、評価していたんですが、こんなバラエティ番組で「偽装」していたなんて、残念です。

映画「不都合な真実」 ゴア氏の独り舞台

2007-01-21 04:03:31 | 環境問題
映画 An Inconvenient Truth
「不都合な真実」が本日(昨日)公開されたので、環境問題に関心が高い私としては「早速見てみるべきだ」と思い映画館に深夜足を運んだ。


映画は、『大統領になり損ねた』アメリカ・民主党のアル・ゴア氏が、学生に「地球温暖化」とこれに対して「如何に行動するか」を問う、1時間に亘る「スライドショー」(英語では、ゴア氏自身がSlide Show と言っているから間違いない)の一部始終を後追いする。

その中に、自らの生い立ちや学生時代に生態系や気候の問題を研究したことを紹介し、彼の並々ならぬ「地球環境破壊」に対する「危機意識」を強調して見せる。

学生相手(それも、地球温暖化に対する知識が殆ど無いという前提の学生相手)のスライドショーであるから、環境問題を扱っている人たちにとっては極・常識的な内容から話は展開する。
しかし、世界各地の氷河地帯の比較写真は、やはり事の重大さを示してくれる。
それも50年も100年も前の写真ではない。ほんの20~30年前1970年代から80年代の写真と比較しても、氷河の後退ぶりは顕著である。

温暖化が、2005年に典型的であった世界各地での巨大台風やハリケーンの多発の原因であることを様々なデータや現象で示してゆく。

また、65万年前からの気象変動とCO2の関係をグラフ化し、この間に7回の氷河期があり、また温暖期があったが、この数十年のCO2の増加はこれまでの循環(増減)の波とは全く異なる極端なものであることを測定データを元に印象的な演出も含めて示す。



映画は最後に3つの誤解を学生に問う。
1)学説は対立している。
2)経済と環境保護は対立する
3)もう間に合わない
そして、これらの問題に対する事実を示し、
あきらめてはならない!と強調する。

エンドクレジットでは、私たちがなすべきことを次々と表現する。
それらの中には
省エネ製品を使う
リサイクルするなどの課題とともに
マスメディアに投書する
議員に働きかける
それでもダメなら自ら議員に立候補する
などがあり、アメリカ的だと思った。

ただ、最後にこの問題が「Political Issue」ではなく「Moral Issue」というところは、何で?という気がした。
他の場面では政治を変えなければ(ブッシュから民主党に!)と言っているのに、結局個々人の道徳的意識に転嫁しているように思える。

このエンドクレジットを見ていると、この映画が中・高校生(High School Students)向けに作ったのであろうことが推定される。

こういうスライドショーを全米各地は言うに及ばず、世界各地で1000回以上行なったという、ゴア氏の並々ならぬ意欲は良く解るが、穿った見方をすればゴア氏押し出しの選挙キャンペーンのプロパガンダのようにも思えた。
というのは、地球温暖化を訴える映画が主であれば、こうも最初から最後までゴア氏の独り舞台での「演説」(講義)を映し出す必要は無いと思うからである。

数日前もこの映画のキャンペーンで来日したらしいゴア氏が筑紫哲也ニュースに出演し、日本の学生たちと長時間討論していた。
その中で筑紫哲也氏が「地球温暖化を掲げてもう一度大統領選挙に出ないのか?」と問うと「すでに大統領への情熱は失った」と言っていた。
しかし、議員選挙には引続き出るのであろうから、ある意味では政治戦略的匂いも隠せないように思える。

絶対お勧めする、という映画ではなかったが、「地球温暖化問題」を一通り学習したい方や、復習したい方には見る価値はある。

余談であるが、この映画の中でもブッシュの演説の一節が出てくるが、アメリカ人が聞いても何を言っているか解らないという文法もあやふやなブッシュの演説に比べて、学生相手に丁寧に話すゴア氏の英語は極めて解り易く発音もきれいであった。字幕無しでも半分は解ったであろう。

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