きのうに続いて雇用・労働問題のニュースである。
メルマガを受け取っている東北の報道機関 【河北新報】 は、
【雇用再建/官民挙げた取り組み必要】
と題した今日の社説で、法人税減額等に見合う雇用の拡大などの
社会的責任を果たすよう産業界に求めている。
その部分を引用すると、
【産業界も応えるべきだ。個人増税を原資にする形で法人税率下げを手にした以上、雇用の維持を超えて拡大や待遇の改善を不可避の命題と心得てほしい。】
その通りだと思う。
*******************************************

もらえたら嬉しいです)
*******************************************
会社説明会、大学3年の12月1日以降に 経団連が指針(朝日新聞)
会社説明会など12月以降に 経団連、就職活動長期化に歯止め(共同通信)
雇用再建/官民挙げた取り組み必要
【河北新報】 2011年01月07日金曜日
雇用不安の深い霧が晴れないまま、新しい年を迎えた。最新のデータ、昨年11月の完全失業率(季節調整値)は5.1%で高止まる。
少子高齢化に伴う人口減少社会の到来を主因に、国内需要は低迷を続ける。円高による国際的な価格競争の条件悪化と中国など新市場の膨張を背景に、輸出関連企業の海外シフトの懸念も強まる。雇用をめぐる環境は「内憂外患」の様相だ。
暮らしの糧を得る。自己実現を図る。働くことは生きる基盤だけに、雇用対策は最優先で取り組むべき課題だ。 今年を「雇用再建元年」と位置付けて、改善に向けた足取りを確かなものにしたい。
政府は2011年度予算案を「経済成長と雇用創出」に力点を置いて編成した。失業手当を受給できない求職者に対する支援制度を創設し、新規学卒者の就職支援制度を拡充する。
雇用の「質」にも目を配る。非正規労働者の正社員化を誘導する企業への奨励金を拡充し、最低賃金を引き上げる中小企業への支援金も用意する。
受け皿の要となる成長戦略として国内投資を促す措置を講じ、インフラ輸出促進のための融資枠を拡大する。菅直人首相のこだわりで科学技術予算を増やし、国際競争力の強化を念頭に法人税率も5%引き下げる。
メニューはそろい、意図はそれなりに伝わる。ただ、事業の一つ一つが小粒でパンチを欠いた印象は否めない。構えが小さく、取り組みにも大胆さと戦略性が乏しい。
経済社会の激変、人口構造の変容を踏まえた産業ビジョンに基づいて、めりはりの利いた「雇用再生プラン」をつくり、安心社会実現を強力にアピールするぐらいの迫力が欲しい。
人件費を増やした企業の法人税を軽減する新規の雇用促進税をさらに拡充すべきだし、雇用のミスマッチ解消や円滑な転職に向けた職業訓練機能の充実といった労働市場のインフラ整備も急ぎたい。
雇用創出効果が見込める経済特区導入の検討を期待したいし、派遣労働を含めて労働と処遇のあり方を根本から問い直す作業も必要だろう。
既存の雇用支援策は意外に知られていない。周知徹底を図ることも課題となる。
産業界も応えるべきだ。個人増税を原資にする形で法人税率下げを手にした以上、雇用の維持を超えて拡大や待遇の改善を不可避の命題と心得てほしい。
学校で職業教育をどう位置付け、適正な労働観と職業能力を育んでいくのか。教育界の関心も高めたい。
新規学卒者は就職が思うに任せず、非正規労働者はつましい生活さえままならない低賃金にあえぐ。雇用不安が国内消費を抑えてデフレを長引かせる要因の一つになっている。
政府は11年度の経済見通しで、完全失業率は5%から4.7%に改善するとしているが、世界経済の動向や円高の行方に大きく左右される。官民が知恵を尽くして、雇用再建を実感できる年にしたい。
【河北新報】 2011年01月07日金曜日