今晩のニュースのトップは、
ノーベル生理学・医学賞に 山中伸弥 京大教授
というニュースだったが、
今朝の朝刊のトップ・ニュースは、このブログのタイトルに挙げた
成りすましハッカーによる犯罪予告で冤罪逮捕されたというニュースだった。
他人にパソコンを乗っ取られ、気づかないまま犯人にされてしまう――。
殺人予告メールを送ったなどとして逮捕された男性2人のパソコンから「遠隔操作型ウイルス」が見つかった事件は、無実の男性が誤って逮捕された 冤罪 ( えんざい ) の可能性が高まった。サイバー犯罪は、パソコン、インターネットの普及とともに巧妙化しており、男性を犯人と断定してしまった捜査関係者の間には動揺が広がった。 (読売 2012/10/8)
これらのニュースを見ていると、たとえウイルス対策ソフトを入れていても
プロのハッカー集団にとっては、大きな障害ではなく、誰でも何処でも
この犯罪に巻き込まれ、冤罪逮捕される可能性があると云うこと。
警察庁は、今後の捜査に充分考慮するように通達したとのこと。
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「真犯人は卑劣」…PC遠隔操作「犯罪予告」
(読売新聞) - 2012年10月8日(月)10:15
他人にパソコンを乗っ取られ、気づかないまま犯人にされてしまう――。
殺人予告メールを送ったなどとして逮捕された男性2人のパソコンから「遠隔操作型ウイルス」が見つかった事件は、無実の男性が誤って逮捕された 冤罪 ( えんざい ) の可能性が高まった。サイバー犯罪は、パソコン、インターネットの普及とともに巧妙化しており、男性を犯人と断定してしまった捜査関係者の間には動揺が広がった。
◆「家中パニック」◆
「息子が逮捕されて家中パニックになった。真犯人は卑劣としか言いようがない」
誤認逮捕だった可能性が出ている津市の無職男性(28)の父親(57)は7日夜、読売新聞の取材にこう怒りをぶつけた。
父親によると、男性は当初から容疑を否認していたといい、家族には「インターネット上のソフトをダウンロードしようとした際、パソコンがおかしな動作をしたので、操作をやめただけ」と話しているという。
「全く身に覚えのないことで犯罪の疑いがかけられる可能性があるということだ」。北海道大の町村泰貴教授(サイバー法)は今回の事態についてこう指摘する。「しかも、パソコンの知識がない人ほど“犯人”に仕立てられやすい」
警察当局が、攻撃者の手口を見抜けなければ今後も 冤罪 ( えんざい ) が起きうるのがサイバー空間の特徴だという。
ネット犯罪を巡っては、過去にも警察当局の知識不足によって「冤罪事件」が起きている。2010年5月、愛知県内の男性が同県岡崎市立図書館のホームページに対し、大量のデータを送りつけてダウンさせる攻撃を仕掛けたとして偽計業務妨害容疑で逮捕された。しかし、その後の捜査では、男性は図書情報を自動的に集めるためのプログラムを使用していたが、1秒間に1回程度のアクセスしかしていないことが判明した。男性は起訴猶予となり、図書館側は「犯罪ではなかった」として男性に謝罪。図書館のシステムの処理能力が大幅に不足していたことが、ダウンの原因だった。
JUNSKY@junsky2010
昨日のETVサイエンスゼロでもやっていたが、この種の事件に巻き込まれるのは他人事ではない【NHK】釈放の2人同じソフトをダウンロード http://nhk.jp/N43x6XN7 無料のソフトをダウンロードしていた。この際に第三者が遠隔操作できる特殊なウイルスに感染した疑いがある。
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伊勢神宮爆破を予告する書き込みをしたとし逮捕された事件【朝日】「ソフト入れた時に感染か」 三重の釈放男性、父に語る http://t.asahi.com/8bsm 釈放後は、ウイルス感染について「インターネット上のソフトをインストールした時に入ったようだ」と話したという。
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【NHK】遠隔操作ウイルス サイバー攻撃相次ぐ http://nhk.jp/N43w6XHF まったく関係のない企業や個人のコンピューターがウイルスに感染して第三者に乗っ取られ、外部から遠隔操作されるケースは、政府機関を狙ったサイバー攻撃などで相次いでいます。
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【NHK】遠隔操作ウイルス 想定せずに逮捕か http://nhk.jp/N43w6XGi 警察は、男性のパソコンが特殊なウイルスの感染で第三者によって遠隔操作された可能性を想定しないまま、男性の逮捕に踏み切っていたことが警察関係者への取材で分かりました。
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【NHK】遠隔操作の可能性 十分考慮し捜査を http://nhk.jp/N43x6XMx 警察庁は犯行に使われたパソコンがウイルスに感染し、外部から遠隔操作された可能性があることを十分、考慮して捜査に当たるよう全国の警察に指示しました。今後の対応を検討することにしています
ウイルス感染、遠隔操作 ネットの脅威「誰もが容疑者に」
(産経新聞) - 2012年10月8日(月)08:05
大阪と三重で発覚した今回のケースでは、誰もが知らないうちに犯人に仕立て上げられ、逮捕・起訴までされてしまうネット空間の危うさがあらわになった。
情報セキュリティー会社「ネットエージェント」(東京)の杉浦隆幸代表によると、他人のパソコンを乗っ取り、遠隔操作できるようにする「なりすましウイルス」は、海外で1999年ごろに登場。2008年ごろから急激に進化して英国を中心に広まり、現在では世界各国で被害が確認されている。
日本では遠隔操作を意味する「リモートコントロールソフト」という名前で知られ、「ボットウイルス」とも呼ばれる。昨年、三菱重工業など防衛産業メーカーがサイバー攻撃を受けたり、衆参両院のパソコンがウイルス感染したりした事件でも同種のウイルスが使われ、海外から攻撃されていたとみられる。
しかし、今回のように乗っ取られたパソコンから日本語で書き込まれるなど、日本人の犯行とみられるケースは珍しく、ネット事情に詳しいフリーライター、渋井哲也さんも「他人にパソコンを完全に乗っ取られ、気付かないまま犯罪行為をして起訴までされたケースは初めてではないか」と指摘する。
なりすましウイルスの感染方法は、勤務先の上司の業務連絡を装ったウイルスを添付したメールを送りつけたり、特定サイトを閲覧させたりするなど巧妙で、所有者が感染に気付くことはほとんどない。
パソコンを乗っ取れば今回のような殺人予告だけでなく、パソコン内の情報を盗み見することもできる。
杉浦代表は「ウイルス対策ソフトを入れていれば、少しはいいかもしれないが、今のところ完全な対策はない。スマートフォン(高機能携帯電話)でも被害が出てくる恐れもある」と警告する。
「誰もが容疑者にされ得る、非常に恐ろしい時代になったことを社会全体が認識し、議論を始めるべきだ」。堀部政男一橋大名誉教授(情報法)はこう指摘した。
三重の事件で釈放された無職男性(28)の父親は「息子が逮捕されて家中がパニックになった。犯人は卑劣だ」と語る一方、「最初から息子のことを信用していた」と落ち着いた様子で話した。男性は釈放後、自宅に戻って家族に「迷惑掛けてごめん」と謝り、「事件の話はもうしたくない」と語ったという。
ネット殺人予告、第三者が遠隔操作か 起訴の男性釈放
(朝日新聞) - 2012年10月7日(日)12:39
大阪市のホームページ(HP)に無差別殺人を予告する書き込みがされる事件があり、逮捕・起訴された大阪府在住のアニメ演出家の男性(42)のパソコンがウイルスに感染し、第三者が遠隔操作できる状態だったことが、府警への取材でわかった。第三者が何らかの方法でパソコンにウイルスを送り込み、HPに書き込みさせた可能性も出てきたため、大阪地検は9月21日、男性を釈放した。
捜査1課によると、起訴後の補充捜査で、別のパソコンからの遠隔操作で、HPなどに書き込みができるウイルスのファイルが、男性のパソコンにあった痕跡が見つかったという。ファイルはすでに削除されていたといい、感染経路などを調べる。
男性は、大阪市のHP上にある市民の声を募るコーナーに7月29日、大阪・日本橋のゲーム店などが並ぶ通称「オタロード」をあげ、「来週の日曜に大量殺人する」などと書き込み、市職員らの業務を妨害したとして、8月26日に威力業務妨害容疑で逮捕され、9月14日に偽計業務妨害罪で起訴された。
伊勢神宮爆破予告も第三者の遠隔操作?男性釈放
(読売新聞) - 2012年10月7日(日)14:11
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に「伊勢神宮を爆破する」と書き込んだとして、三重県警に威力業務妨害容疑で逮捕された津市の無職男性(28)が、事件に無関係だった可能性があるとして釈放されていたことが7日、分かった。
県警によると、男性は9月10日に自宅のパソコンを使って書き込みをした疑いで、同月14日に逮捕された。県警の調べで、発信元のIPアドレスが男性のパソコンと一致したが、男性は一貫して「身に覚えがない」と否認していたという。
同月20日頃、男性のパソコンが特殊なウイルスに感染し、遠隔操作でネット上に書き込みできる状態になっていたことが判明。事件に無関係だった可能性があるとして、津地検は21日、男性を処分保留で釈放した。
大阪府警でもホームページに無差別殺人を予告したとして逮捕、起訴された男性(42)のパソコンが、第三者が遠隔操作できる状態だったとして釈放されており、県警は関連を調べている。
三重の爆破予告もウイルス疑い=大阪と同じ第三者か―逮捕の2人相次ぎ釈放
(時事通信) - 2012年10月7日(日)18:17
大阪市への殺人予告事件でアニメ演出家の北村真咲被告(42)が逮捕、起訴された後、第三者関与の疑いが明らかになった事件に関連し、伊勢神宮を爆破予告したとして三重県警に逮捕された津市の無職男性(28)のパソコン(PC)からも、同被告のPCが感染したのと同一の遠隔操作型ウイルスが検出されていたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。
当初、「容疑者」とされた北村被告と男性は一転して無実の「被害者」だった可能性が強まり、感染判明後、相次ぎ釈放された。大阪府警と三重県警は同一人物の第三者がウイルスを作成し、2人のPCを乗っ取って書き込んだ疑いがあるとみて、感染経路などを調べるとともに不正指令電磁的記録作成や同供用容疑を視野に捜査している。
両府県警によると、津市在住の男性は9月10日、インターネットの掲示板に「伊勢神宮を爆破する」と書き込んだとして、同14日に威力業務妨害容疑で逮捕された。一方、北村被告は、7月29日に大阪市のホームページに無差別殺人を予告したとして、8月26日に逮捕、9月14日に偽計業務妨害罪で起訴された。
この他、男性は任天堂本社(京都市)破壊予告の書き込みで、北村被告は警視庁が捜査している日本航空の航空機爆破予告メールの発信源とされていた。
しかし、2人は当初から一貫して「覚えがない」と否認。その後の捜査で、2人のPCからそれぞれ新種のウイルスが検出された。捜査関係者によると、いずれのウイルスも遠隔操作でPCを完全に乗っ取ることができる同一の不正なプログラムだったと判明。書き込み後にプログラムが自動削除される機能も備えていたという。
検察当局は第三者が関与した疑いが強いと判断。北村被告と男性はいずれも9月21日に釈放された。