エジプトで、イスラム教組織「ムスリム同胞団」を基盤とするモルシ大統領が
エジプト国民の大規模な反政府デモに見舞われ始めて長くはなかった今日(7/4)
マスメディア的には『事実上のクーデター』によって失脚した。
「第2革命」 か 「軍事クーデター」 か、早々には判断するべきではない。
Mohamed Morsi ousted in Egypt's second revolution in two years
The Guardian, Thursday 4 July 2013
民衆のデモが高揚していたここ数日は、多くのマスメディアが『民衆側』の
スタンスで報道していたが・・・
「勝利だ」「モルシ出て行け」反大統領派は熱気
(読売新聞) - 2013年7月4日(木)11:59
今日の『事実上のクーデター』後には、
【民主選挙で初めて選ばれた大統領はクーデターで退任させられ、
国民投票で承認された新憲法も超法規的措置で効力を失った。】(毎日)
と云う方向に急旋回した。
エジプト:アラブの春に冷水 民主化は振り出しに
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)11:34
尤も、モルシ大統領は、このような『事実上のクーデター』を呼び込む前に
辞任するべきであったし、機会はあった。
マスメディアは、『事実上のクーデター』と言っているが、軍は7月3日
午後5時(現地時間)までに事態を収拾するよう期限を定めて辞任を促していた
のであって、この機会を失したことが軍の介入を招いたことは事実である。
モルシ大統領自らが軍の介入止む無しと考えていたようであり、寧ろ
軍の介入はモルシ大統領に責任があると言わなければならないと私は思う。
従って、私的には、今回の軍の加入が『事実上のクーデター』であるとは
思っていない。
一方で、軍は歴代政権で暗然たる権力を維持してきたこともあり、この権力を
回復したいという欲求もあったことも確かなようである。
選挙で選ばれた大統領は、選挙で落選させるべきであったと云うのは、
一般的な民主主義の原理であることは言うまでも無い。
しかし、モルシ大統領が公約を殆ど反故にして独裁的な権力を確立しようと
していたこともまた事実のようであったので、一般的民主主義を適用すべきか
どうかについても難しい点がある。
ヒットラーでさえ、最初は選挙で権力を握ったのであるから・・・
西洋的民主主義で簡単に片付けられるものではないようだ。
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「勝利だ」「モルシ出て行け」反大統領派は熱気
(読売新聞) - 2013年7月4日(木)11:59
【カイロ=溝田拓士】
カイロ中心部タハリール広場に集結した反大統領派の熱気は、シシ国防相が3日行った演説で最高潮に達した。
「我々の勝利だ」「モルシは出て行け」
花火とラッパ、クラクションの音が鳴り響く中、人々は国旗を振りながら踊ったり叫んだりして、喜びを表した。
会社員アラン・イーサさん(23)は「国民が作ったモルシ退陣への流れを、軍が後押ししてくれた」と興奮気味に話した。主婦ソラヤ・イスマイルさん(60)は「今度は、宗教を政治に持ち込まない人に大統領になってほしい」と期待を込めた。
2011年2月に独裁政権が倒れた後、モルシ氏は、初めて民主的な手続きで選ばれた大統領だった。それからわずか1年。今度は軍が、超法規的な方法で政権を退陣に追い込んだ。だが、国民の多くはモルシ政権の統治能力に失望し、軍への支持が広がっている。
一方、大統領派が集会を続けるカイロ北東部やギザでは、反大統領派との衝突を懸念する軍が装甲車などで付近の道路を封鎖した。大統領派の会社員ファトヒ・ムハンマドさん(29)は、「国民に選ばれた大統領を辞職させるなんて、まさに軍事クーデターだ。我々は戦い続ける」と憤り、無職オマル・フーダさん(23)も「大統領に従わず反大統領派を守るなんて、軍は国の恥だ。軍はイスラム主義者を潰したいだけだ」と声を荒らげた。
エジプト、モルシー大統領排除か
通告期限切れ、情報錯綜
(産経新聞) - 2013年7月4日(木)08:14
【カイロ=遠藤良介】
モルシー大統領の退陣を求めて大規模デモが続いているエジプトで3日夕(日本時間同日深夜)、事態を収拾できなければ軍が介入するとした最後通告の期限が過ぎた。軍部がモルシー政権に退陣を求める方針だとも報じられており、エジプト情勢は大統領支持派と反政府勢力の深刻な衝突に発展しかねない緊迫した局面を迎えている。
軍がモルシー氏を自宅軟禁下に置いたとの報道もあるほか、治安当局が、モルシー氏らに対し渡航禁止措置を取ったとも報じられるなど情報は錯綜(さくそう)している。
大統領府は同日、広範な勢力の参加する暫定内閣の形成と議会選の実施などを約束する妥協策を発表した。ただ、モルシー氏は同日未明にかけてのテレビ演説で「選挙で選ばれた責任を果たす」と述べるなど、辞任要求には屈しない考えを強調している。
他方、シーシー軍最高評議会議長兼国防相は同日、反政府勢力が協議担当者としたエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長らと面会し、対応を調整したもようだ。
政府系紙、アルアハラムは3日付の1面で、軍がモルシー政権の排除を盛り込んだロードマップ(行程表)を策定していると報道。(1)大統領に代わり、最高憲法裁判所長ら3人で構成される「大統領評議会」を設置し憲法を停止する(2)大統領評議会が9~12カ月の暫定統治に当たり、新憲法を制定する(3)新憲法に基づき大統領選・議会選を行う-ことが柱だという。
カイロでは2日深夜、イスラム原理主義組織ムスリム同胞団などのモルシー氏支持派と治安部隊が衝突、地元報道によれば16人が死亡、約200人が負傷した。全土では23人が死亡したという。
エジプト:反モルシ派「国民の声が届いた」…クーデター
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)22:40
エジプト:ムスリム同胞団、1年で「追放」…クーデター
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)22:39
エジプト:軍、一気に復権狙う…クーデター
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)22:37
エジプト:暫定大統領が就任…クーデター
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)21:09
エジプト軍がクーデター
=モルシ大統領を解任・拘束―憲法裁長官に権力移譲
(時事通信) - 2013年7月4日(木)13:10
エジプト:アラブの春に冷水 民主化は振り出しに
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)11:34
【カイロ秋山信一】
エジプトの軍事クーデターは、2011年から続く中東の民主化要求運動「アラブの春」に冷や水を浴びせた。2年間で初めての民主的な大統領選挙を実施し、新憲法を制定したエジプトだが、今回のクーデターで民主化の道は振り出しに戻った格好だ。チュニジアやリビアなどアラブの春で独裁政権を倒した国も、民主化の過程で苦慮しているだけに、エジプトの混乱が悪影響を与える可能性もある。
「現行憲法は凍結し、最高憲法裁判所長官が大統領職務を代行する」。3日夜、シシ国防相が明らかにしたロードマップ(行程表)の内容は、革命後2年でエジプトが進めた民主化の歩みを後退させるものだった。民主選挙で初めて選ばれた大統領はクーデターで退任させられ、国民投票で承認された新憲法も超法規的措置で効力を失った。
経済の低迷や強権的な政権運営から、モルシ政権への失望感を深めていた国民の多くは、今回のクーデターを歓迎している。だが大統領支持派が強く訴えてきた「民意で選ばれた大統領の正統性」は、軍事力であっけなく損なわれた。軍介入の背景には、モルシ政権下で失われた影響力を回復する意図があるとも指摘される。
軍はモルシ政権下でさえ、予算の議会審議を免除されるなど、特別扱いを受けていた。今回はクーデター直後に民政に移管する動きを見せたが、今後誕生する新政権も軍に配慮した国家運営を迫られるのは必至だ。
一連のエジプトの混乱は、周辺国にも影響を及ぼしつつある。「チュニジアでも『反乱』が始まった」。エジプトの政府系紙アルアハラム(電子版)は3日、今回のクーデターに至る端緒となった反政権署名運動が、チュニジアでも始まり、既に17万人分の署名が集まったと伝えた。
11年1月にベンアリ独裁政権を崩壊させ、「アラブの春」の先駆けとなったチュニジアだが、革命後2年を過ぎても憲法制定に至らず、エジプト同様にイスラム政党が主導権を握る現政権への不満も根強い。今年2月には与党のイスラム系政党アンナハダに対する抗議デモが激化し、首相の交代に追い込まれた。増税など財政改革に取り組み、アラブの春の中でも「優等生」とみられるチュニジアだけに、エジプト混乱の影響が懸念される。
また内戦を経て、カダフィ前政権を崩壊させたエジプトの隣国リビアでも、今年に入って、民兵組織が政府庁舎を占拠し、政府や議会に要求を突きつける事態が頻発している。エジプトのクーデターの成功は、こうした非合法的な動きに勢いを与えかねない。
エジプト軍、ムルシ大統領の権限剥奪
CNN - 2013.07.04 Thu posted at 10:07 JST
エジプト軍、大統領の解任を発表 事実上のクーデター
日本経済新聞 - 2013/7/4 4:45
エジプト:大統領「暫定内閣」提案 「軍が軟禁」報道も
毎日新聞 - 2013年7月4日(木)01:13
世調 モルシ氏への不満高まり表れる
NHK - 2013年7月3日 22時5分
Mohamed Morsi ousted in Egypt's second revolution in two years
The Guardian, Thursday 4 July 2013
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