✳防御力
大阪桐蔭:ややスリークオーター気味のオーバーハンド右腕新井9はこれまで同様スライダーの出し入れが良く、先制点許してからはシンカー系の変化球も有効に使えてました。強豪相手にストレートで少しでも長いイニング抑えられるようになることが今後の課題。そうしないと長いイニング投げられないと思われます。オーバーハンド右腕縄田10が5、6回、オーバーハンド左腕藤江19が7回を投げる。共に先日ほどの勢いは感じずも、大量リードにも守られ無失点で切り抜けてました。守備はボール回しがまだ例年の同校の域まで達していないように見えますが、見るたびに動きが良くなっていると思います。
金光大阪:エース右腕の鎧坂君、オーバーハンドから放たれるストレートの切れ、鋭さ、迫力は新井君を凌ぐものがありました。ベース付近から曲がる縦系の変化球も、ストレートとの見極めがしづらそうで良かったです。そうした球を投げていながら打ち込まれたことで精神的に追い込まれたことが、危険な倒れ方につながったのかも知れません。大事には至らなかった?ようでまずは何より。2回の大量失点はそうした質の高い変化球を見極められて苦し紛れに?投じたストレートを相手に読まれて?捕らえられてのもの。以降はそうした変化球をストライクゾーンにも投じ、徹底的に変化球で勝負することで少しの間は抑えてましたが、西野の2ランで手詰まりになって見えました。とはいえ、捕手のリードは、相手が思ってなさそうなのを常に要求できて見え、基本的には良かったと思います。リリーフ左腕久下君3も残念ながら打ち込まれる。守備は内野は動きよく、外野がやや課題に感じました。
✳得点力
大阪桐蔭:先日同様、各打者の選球眼の良さが光りました。2回投手新井君が相手の際どい変化球におもちゃにされたあと、トップの柳本君や宮本君がそれをくすりともしなかった事が、試合の衰勢を決める大きなきっかけになったように感じました。この日の投手は先日以上にストレート、変化球共に質の高い球を投げており、そうした投手を今回も序盤で攻略したことは、自信につながるかと思われます。これまでと違って投打に高いレベルでバランスのとれた全国クラスの相手を向こうにまわし、投手陣がある程度失点するプレッシャーのかかる展開でも、この得点力を保てるようなら、本物であると言えるのではないかと思われます。ただ、過度に慎重であったり、先の塁いけそうなところを止まってしまって見えた場面が何度かあり、走塁には課題が残るかと思われます。
金光大阪:背番号1が3番打者である時点で、打撃には課題が残るのかな?と推察しながら観ており、結果が全てで言えば、残念ながらその通りではないかと思われます。先制したまでは良かったですが、以降パターンを変えてきた相手に最後まで対応できず、大逆転されたことへの反発力を見せることも出来ませんでした。
✳大阪桐蔭
今期も投打に全国クラスでバランスがとれた戦力であり、投打共に全国制覇するだけの決め手になりうる可能性を秘めており、一方で実戦経験の不足がセンバツへの可能性が絶たれてしまう危険性もまた、同時にはらんでいるかとの先日から大きく印象は変わりません。この秋の浮沈は、投打の力強さを前面に出した、まるで夏の戦いのごとき力の野球を強敵相手でもできるかどうか、なのかもという印象も変わりません。中田、一年の仲三河の両本格派右腕が主戦格と思われながらここまで登板ない原因は分かりません。二人とも怪我はしていたとしても大事なさそうで、それ以外に原因を探れば、中田は新井や縄田と比べて素材は底知れないが実戦に即した投球に課題、仲三河君は長いイニング投げることへの不安。短いイニングなら問題ないが、そうした起用法で使う投手ではないと考えられている。等々といったことが、多分外れてるでしょうが推察されるかと思われます。次あたり、中田先発かもな?と、この日のブルペン見る限りでは思いました。今後もこれまでのような投手起用になるのなら、強敵相手にディフェンスはやや不安が残るかも知れません。
✳金光大阪
今期も課題は得点力。まずは投手に3番打たせていることからの脱却が先決です。その上で得点力が上がり投手の負担が減れば、それが防御力の向上にもつながり、この日のような試合でも、全国クラスの打線を相手に、少なくともゲームが早々に壊れるような事態は防げるように思います。味方がたくさん点をとれば当然相手打線にプレッシャーを与えることにもつながり、鎧坂君が投じていた高い制球力を誇りなおかつ球筋にも秀でたストレート、変化球を、ボール球でもこの日よりかは空振りしてくれるようになるかとも思われます。そして何より、エースが打席に向かう途中、前に倒れる危険な事態を防ぐことにもつながるかとも思われます。あれだけ良い投球ができていながら相手にその上をいかれ、味方の援護もないなか、それでもエースとしてやらなければならないとなると、今思えばああなったのも無理ないのかも知れません。野手の守備の動きは良いだけに、今後の得点力アップに伴う投手の負担軽減できるだけのものは十分にあるかと思われるだけに、ひと冬越した姿に期待したいと思います。