じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

令和元年夏の高校野球全国大会展望

2019-07-31 16:25:14 | 高校野球

※本命は総合力+決め手を持って見えるこの3校

明徳義塾(高知):高知大会決勝で相手のスーパールーキーを攻略した高い得点力が全国でも発揮されれば。春以降、それが増して見える。投手陣は継投で凌ぐ

履正社(大阪):左腕清水投手の安定感は出色。この投手が先発して4点以上奪われた試合は公式戦で秋の1試合のみ。その高い安定感が全国でも発揮されれば。打線はとにかくホームラン。長打力が持ち味

関東一(東東京):夏になりチーム力が全国レベルに達して見える。攻守両面で決め手になりうるものを持つ骨太感を感じさせるチーム。

 

※対抗はこの3校。総合力は本命に引けをとらない。決め手が出てくれば

東海大相模(神奈川):夏の神奈川を豪打で制した。その打棒が全国でも炸裂すれば。投手陣は継投で凌ぐ

明石商(兵庫);投打に力強い。決め手になりうるとすれば打線か。

智弁和歌山(和歌山):伝統の強打は健在。それが全国でも炸裂すれば

 

※ダークホースは総合力が感じられるようになったこの3校

津田学園(三重):本格派右腕を擁するがセンバツ以降打線も力をつけてきて見える。

霞ヶ浦(茨城):複数の好投手を擁する。県予選の安定した戦いぶりが全国でも発揮されれば。

習志野(千葉):センバツの準優勝校は以降、得点力も上がって見える戦いを県予選では発揮。右腕飯塚投手も健在、ブラバンの強力なバックアップにも支えられ、夏こそ、てっぺんを狙う

 

※星陵(石川)は今大会の怪物かジョーカーか

世代屈指の本格派右腕奥川投手を擁し当然忘れてはならない存在。打線も打てる打者が揃っており、本来ガチガチの本命でもおかしくない同校。だがセンバツではその割に得点力が備わっていなくみえ、本命対抗に挙げた学校などと比べ総合力でやや見劣りして見えた。順当に?全国制覇できるか否かは、ベンチワークを絡めていかに点を奪うことに貪欲になるか、かと思われます。

 

どこよりも早い展望かどうかはわかりませんが以上です。

 

 


金光大阪 大阪桐蔭

2019-07-27 15:30:14 | 高校野球

✳投手力

金光大阪:エース右腕鰺坂選手で来るかと思いきや背番号14の小柄な左腕辻本投手を先発マウンドへ。球威あるストレートは力で押してくる、今期の大阪桐蔭打線が得意としている?タイプの投手と思いきや、3回のピンチの場面で相手の左の中軸に対しベース付近からたて割れする変化球とストレートのコンビネーションで斬ってとりピンチ脱出。こうして緩急つけてコースを丁寧につく投球で7回1失点と好投。8回から登板のエース右腕の鰺坂選手、秋のように押してばかりでなく、こちらもまた、押したり引いたり、が出来ていました。この投手起用、及び二人とも期待に応えた投球をしたことが勝因に見えました。守備は秋と違い内野だけでなく、外野もよく鍛えられて見えました。

大阪桐蔭:中田投手の投球は素晴らしいの一言でした。腕振りなど力入れて見えなくとも球速そのものを感じさせるストレートを投げることができ、スライダーの切れ、出し入れも申し分なく、緩急もよく使えてました。最後は一瞬、勝ったと思い、相手も無死一二塁、2点差を追い付くことがさほど難しい事ではないことが、頭から消えてしまったのかも知れません。が、それまでの試合状況を考えると、だとしても責めることはできません。プロに行くべき投手だと思いますし、志望届けが出されれば、プロは彼を指名すべきだという思いに変わりありません。

 

✳打力

金光大阪:秋同様、打線は全国を狙うには、やや不安が残るように感じました。

大阪桐蔭:とにかく打てなかった事が最大の敗因。摂陵戦、大冠戦共にしっかり引き付けて打てていたケースが目立っていたため、秋からの課題に見えた球速特別でなくとも球筋を感じさせるストレートを投げることができ、変化球も交えて緩急自在にコースを丁寧に投げるタイプの投手が相手でも同様に出来るようになっていると期待しましたが、残念ながらそうしたタイプの投手を前にすると秋春と同様でした。そうした球を下半身等でしっかり我慢して引き付けてガツンと弾き返す体の強さが、例年と比べてやや足らなかったのかも知れません。そうした球を待ちきれなかったり崩されたりが、年間通して目立ったように見えました。

 

✳金光大阪

課題の得点力を投手陣を中心としたディフェンスでカバーしきれるかどうかが、12年ぶりの夏切符への鍵かと思われます。

 

✳大阪桐蔭

序盤に仲三河選手、吉安選手、二人の左の強打者が相手の左に手玉にとられ、相手が遅かれ早かれ右のエースに代えると分かっていても先に彼らを下げざるを得なくなり、それでも何とか先取点を奪うも次の1点が捕れずに直後の守備で西野選手がやらかしてしまう。事なきを得たもののバッティングでも精彩を欠いたところで右にスイッチされ右の強打者まで下げざるを得なくなる。こうして、1-0で逃げ切りにかかる形に、いわばもっていかされた格好になった大阪桐蔭。そのまま逃げ切れれば良かったが9回に追い付かれてしまう。采配が終始後手後手にまわってしまい攻めていかなければならない場面で攻め駒の多くをベンチに下げてしまっており、加えて投手に代打を出すべき場面で他に投げさせられる投手がおらずそのまま打席に向かわせざるを得ずと、いわば9回終了時点で手詰まり感が強い中でしかも先攻という中で、よく14回まで持ちこたえたと思います。その粘りたるや、賞賛に値すると言っても、過言ではないと思いました。3年生の力で、そこまで粘れたのだと思います。新チームが甲子園に出る。さらにはそこで大きな結果を出せるかは、入学初日からの積み重ねがどれだけのものかどうか、藤江投手はじめ2年生投手陣がいかに奮起するか、等々かと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


第101回夏の高校野球大阪大会4回戦以降展望

2019-07-22 21:00:25 | 高校野球

✳大阪桐蔭は厳しいゾーンに

夏こそ優勝旗を全員で返還を目指す大阪桐蔭は厳しいゾーンに入った。5回戦の相手は阪南大高、ここは出来ればエース中田投手温存で凌ぎたいところだが、ディフェンスの良い学校なだけに、リスクはある。4回戦から中3日空いた日程の優位性を活かすべく、以降全て中田投手でいくのかそれとも他の投手をどこかで先発マウンドに上げてくるのか注目が集まる。大阪桐蔭とベスト8で対戦するのは大商大堺か金光大阪かと思われる。勝ち進めば5回戦で当たる両校、打の商大堺、投の金光大阪といったとこかと思われるが、対戦が実現すれば商大堺の投手起用、金光大阪の打力が春までより上がってるかどうかが鍵になってくるかと思われる。商大堺がエース東投手を温存でここまで起用していないという新聞等の報道が本物なら、同校がベスト8への本命となるのだが。商大堺と4回戦で対戦する近大泉州は2年生左腕中尾投手を中心にロースコアの接戦に持ち込む力はある。

 

✳東海大仰星にチャンス到来

このブロックの本命は東海大仰星であろう。決勝から逆算した投手起用が出来るかと思われるくじを引いた。各選手スイングだけでなく動きそのものも鋭く攻守に高いレベルでバランスのとれたチームかと思われる。名門上宮太子がいかに対抗するかにも注目が集まる。

 

✳履正社はエースに左腕清水投手をどう、温存する

今大会本命視される履正社も4回戦から準々決勝までのくじには恵まれたかと思われる。ただ、エース清水投手をどう温存するかは難しいかも知れない。ここまで2試合共清水投手完投なだけに、4回戦から準々決勝までの3試合全て清水投手を使わずに凌ぐという考え方もありであろう。対戦相手との兼ね合いを考えれば準々決勝は清水投手でとも考えられますし、決勝まで逆算した使い方をとるとすれば、5回戦を清水投手でという考え方もあるかと思われる。ここの3つで清水投手をどう使うかが、準決勝以降の清水投手の出来にも影響を及ぼす、かも知れないかと思われます。大阪偕星は坪井選手が投手として復活。個々は力のある打線が本当の意味での線になってくれば、履正社に対抗することも可能かと思われます。

 

✳履正社への挑戦権を得るのは関大北陽か近大付属か、それとも

打の関大北陽vs投の近大付属、昭和懐かしの好カードが実現するのではという見方が一般的かと思われるが面白い存在なのが八尾翠翔。エース右腕澤田投手の遠投は強豪私学レベルのそれを誇る。マウンドに上がっても伸び、力のあるストレートを投げ、スライダーの切れも鋭い。履正社への挑戦権を得るのは関大北陽か近大付属か、それとも八尾翠翔がシンデレラチームになるのか、最も推理意欲を掻き立てられるゾーンとなった。

 

※準決勝以降

大阪桐蔭は覚醒の予感を感じさせる中田投手のそれが本物なら、厳しいブロックを勝ち抜きベスト4へ勝ち進んでくるかと思われる。相手は仰星か。仰星左腕山本投手、大阪桐蔭右腕中田投手、左右の好投手による引き締まった投手戦が予想される。鍵を握るのは仰星の打力をはじめとする得点力。守備走塁といった細かくちょっとした部分での集中力、精度、鋭さの差が明暗を分けそうだ。履正社も準決勝以降は先発は左腕エース清水投手でくるであろう。準決勝の相手で一番嫌なのは近大附か。ジャイアントキリングの基本はロースコア。それができるのが同校かと思われるからである。八尾翠翔もその可能性を秘めてはいるが、履正社のベンチワークも駆使した足にやられる危険性が多分にあり、ジャイアントキリングを成し遂げるには、エース右腕澤田投手が三振の山を築くしかないかと思われる。関大北陽は打ち合いに持ち込めるかかと思われる。

決勝にはまず履正社は勝ち進んでくる可能性が高そう。相手は大阪桐蔭か東海大仰星か、はたまた商大堺か金光大阪か。甲子園にはくどいようだが中田投手が覚醒すれば大阪桐蔭。そうでなければ履正社がいくものと、ここでは推察するが仰星、商大堺、金光大阪も、左記に挙げた2校と堂々と渡り合う力はあるかと思われ、例年以上に予断を許さぬ今後の展開が予想されるかと、思われます。

 

 


大阪桐蔭 近大付属 八尾翠翔

2019-07-20 16:10:20 | 高校野球

✳投手

大阪桐蔭:早稲田摂陵戦では2年生左腕藤江選手5回4失点、3年生の右腕縄田選手、左腕高野選手各1イニング無失点で3年生は自分に出来ることはやったと思います。攻略はされてしまいましたが、打線の援護もあり、中田、新井両3年生右腕を使わずに凌いだ事は、執念でもぎとった温存に感じました。翌日の大冠戦では中田投手が2失点完投。序盤は初戦より上体が一塁側へ流れる事が多く、ひとつ完投してほぐれたことの功罪に見えました。回を追うにつれ、良い意味で勢いが陰って見えました。

近大付属:本格派右腕のエース梅元君、春はスリークォーターに見えましたがこの日は完全なオーバーハンドに見える。ストレートの走りは春よりよく見えましたが、春より力みが感じられた事が、ガツンといかれたりしぶとく合わされたりする場面が目立った要因に見えました。  

八尾翠翔:オーバーハンド右腕エース澤田選手、試合前の正確な遠投が印象的。マウンドに上がっても体全体を柔らかく使い、その力の全てをボールに伝えることが出来ていました。 

 

✳打力

大阪桐蔭:一線級の投手と当たってないとはいえ、摂陵戦、大冠戦共にしっかり引き付けて打てていたケースが目立ったこと、中野主将に当たりが出ていた事が収穫かと思われます。

近大付属:春先と印象は変わりません。甲子園クラスのエースを打てるかどうかかと思われます。

八尾翠翔:非力さは否めませんがどこからでも得点が獲れる打線に見えました。ベンチワークを駆使した攻めには良い意味で嫌らしさがありました。

 
 
 

✳大阪桐蔭

走塁は前の試合より2試合とも良かったと思いました。守備は初戦に続きこの週の2試合共に出来は良くなかったように感じました。打球への反応やカバーリングの遅さ、飛球に対する距離感のまずさ、そしてほんまに単なる凡ミス等がピンチを招き、失点につながっていました。エースの期待値、打線の厚みが春より増して見えるだけに、見る日によってな守備走塁が今後の浮沈の鍵に感じるのは、初戦から変わりないかと思います。

 

✳近大付属

守備は動き、集中力等非常に良かったです。守備がこれだけチームとしてきれっきれなら普通、打つのももっと出来るはずです。梅元投手が柏原戦で5失点は気になりますが今後の梅元投手の出来、他の投手の出来、本来もっと打てるはずの打線の出来が、2年連続甲子園への鍵かと思われます。

 

✳八尾翠翔

共に勝ち進めば5回戦で近大付属とのこと。思いの外エースが良く、攻撃も嫌らしさがあり、ジャイアントキリングでベスト8進出の可能性を感じさせるものがありました。鍵は内外野の守備にあり、相手が強豪私学特有の鋭い機動力を出してきたときに、対応出来るかどうか、なのかもしれません。


第101回夏の高校野球大阪大会3回戦から5回戦展望

2019-07-17 19:35:10 | 高校野球

✳ 今大会のダークホースと目される大商大堺、金光大阪が共に勝ち進めば5回戦で潰しあうだけでなく、大商大堺と3回戦で当たる春の大阪覇者の大商大高、さらにはその勝者と近大泉州ー大体大浪商の勝者が4回戦で潰しあうブロックは最激戦ゾーンかと思われる。投打のバランス、スケール感でこのブロックの本命と目される大商大堺は初戦で控え投手が打ち込まれたのはやや気がかり。背番号10の右腕中島選手は力強いストレートを投げる。制球が鍵。この投手とエース番号を背負うことになった東選手の出来が、ベスト8進出の鍵か。金光大阪は主戦投手が相変わらず打っても中軸を担っていることから打線はやや気がかりではあるが、初戦の箕面東戦の戦績見る限りでは、秋よりしぶとさは増していることも推察される。推察通りなら、大商大堺と並ぶこのブロックの本命に推すことも出来る。大商大高はこのくじでは絶対エースの右腕上田選手を休ませづらく、勝ち進んだとしてもその後の彼のスタミナ等が気がかり。初戦で興国との強豪対決を制するも、相手投手を攻略出来ていないのも懸念材料。近大泉州には2年生の好左腕中尾選手を擁するが、投打のバランスでは浪商に分があるかと思われる。

 

✳大阪桐蔭が入ったゾーンには阪南大高や大冠といった私立公立の骨っぽいのが同居することになったが、それでも大阪桐蔭が優位かと思われる。ややリスクはあるが、ベスト8以降の戦いを見据え、本格派右腕エース中田選手の負担を出来る限り最小限にとどめたいところかとも思われる。阪南大高は秋は履正社、春は大阪偕星打線を封じたディフェンスで大阪桐蔭に食らいつきたいところかと思われる。

 

✳履正社は3回戦で春準Vの箕面学園と激突。関大一とも同じブロックになったが、優位は揺るぎないかと思われる。ここもまた、エース左腕清水選手の負担を最小限にとどめたいところかと思われる。3回戦は清水投手で、4、5回戦はそれ以外の投手で凌ぐ投手起用も有りうるか。

 

✳このブロックの本命と目される初芝立命館は強豪との戦いを避けることができたくじを引いたが初戦でエースをたてながら5回コールドも4失点は気になる。太成学院、星翔といった私立だけでなく、汎愛に勝った桜塚、大塚といった公立勢の躍進も考えられ混戦も予想される。

 

✳東海大仰星はエースのみならず背番号10の右腕山口選手もなかなかなストレート投げる。打線も振り、動きそのものも鋭く初戦の59得点は伊達ではない。このブロックの本命であるだけでなく、優勝争いそのものにも絡んでくる可能性を感じさせるものがある。大阪学芸ー上宮太子の勝者が対抗か

 

✳近大付属も強豪との戦いを避けることができたかと思われる。ただ、ここまで2試合共エース右腕梅元選手を先発にたてているのは気になるかと思われます。優勝争いに絡むためには、ベスト8以降の戦いを見据え、梅元選手の負担をどこまで軽減出来るか、春以降打線がどこまで上がっているかかと思われます。

 

✳関大北陽の売りは打線。それだけに投手陣の出来が20年ぶりの夏の甲子園への鍵かと思われます。秋のエース松村選手は下手気味のサイドからなかなか伸びのあるストレートを投げていた。彼を10に追いやったエースの力量が本物なら、このブロックの本命のみならず、優勝争いにも絡んでくる可能性も出てくる。3回戦で対戦する関西創価ー春日丘の勝者が対抗か。

 

✳大阪偕星は秋活躍した本格派右腕坪井選手がエース番号を獲れていないのは気がかりかと思われます。辻野選手等個々は力のある打者を揃える打線につながりが出てくれば面白い存在になってくる。3回戦で大産大付を倒した桜宮ー大阪学院の勝者あたりが対抗か

 

商大堺と金光大阪等が入ったブロック以外は3回戦までの抽選に続き強豪がばらけた印象。今夏の大阪は例年以上に、本当の戦いは準々決勝以降、の様相を呈してきたかと思われます。