10月15日から2次予選が始まり、いよいよシード校が登場する大阪府予選。東海大仰星、履正社、大阪桐蔭、興国、阪南大高あたりを中心とした優勝争いが予想されるが、U18大阪一部リーグを制し、来季のプリンスリーグ参入も視野に入れる優勝候補の一角、大阪学院が一次予選で敗退する波乱が既にあり、その他多くの強豪校等も含めた激しい戦いが予想される。
そんな大阪府予選をゾーン毎に見ていきたいと思います。
※東海大仰星を取り囲む引っ掻き回し役
昨年度選手権ベスト4で今年のインターハイにも府予選1位通過で出場した仰星は敵陣には大体ロングキックで入り込み、そこから巧く、そして激しく相手守備陣を切り裂いていく。守ってはゴール前をしっかり固める攻守にシンプルなサッカーはトーナメント向きで、2年連続の冬の選手権の可能性は十分に感じられるがプリンスリーグ後半の戦いが、戦績見る限りではやや不安定なのが気がかり。同じゾーンにはインターハイ予選で近大附と派手に打ち合った大体大浪商、その近大附を撃破し履正社にもインターハイ予選で善戦した常翔学園、さらには東大阪大柏原、そして桜宮、大冠、北千里といった公立の雄が虎視眈々と優勝候補の足元を狙う図式となっているかと思われます。
※履正社に迫れるか関大一
東海大仰星のゾ━ンの勝ち上がりと準決勝であいまみえることになるこのゾ━ン。注目のFW町野を擁する履正社の目で見て感覚的に感じられる強さは大阪でも屈指のものがある。だが、インターハイ予選では攻守に決め手を欠いて出場を逃した。プリンスリーグ後半の戦績を見る限りでも、まだその傾向が感じられるのが気がかり。同じゾ━ンには同じくプリンス組の関大一も控える。ここ数年、プリンスではパッとせずともト━ナメント戦では優勝候補に常に立ちはだかってる印象。今季も先日のプリンスリーグでの戦いを見る限り、フィジカルのしっかりした選手が多く、大会期間中のディフェンスの出来次第では、優勝争いに絡む可能性を秘めると感じさせるものがあったと思われます。その他大産大附は春先からフィジカルがどれだか上がってるか、他名門関大北陽に清明学院、さらには公立の槻の木も毎年、優勝候補に一泡吹かすくらいの力は誇っており、今年もそうした楽しみは十分にあるかと思われます。
✳大阪桐蔭との一騎打ちに持ち込めるか金光大阪
上記2つのゾ━ンとは決勝まであたらないこのゾ━ン。2年続けてインターハイを逃したのは1期生の下級生時以来の大阪桐蔭だが、プリンスリ━グでは首位をひた走り、来期のプレミアも視野に入れるところまできている。特にプリンス後半戦の好調ぶりが際立ち、そのままの調子が続けば、9年ぶりの選手権も十分に期待がもてると思われる。チ━ムとしてのサッカーではまだ昨年の域を出ない感はあるものの、個々の力では昨年を上回る。とにかく速さと正確さが持ち味のサッカーだが、大会を勝ち抜けるか否かは、プリンスリ━グ後半戦全試合1点以内に抑えているディフェンスの安定を、この大会でも保てるかにかかっているかと思われる。見てて感じるものも出てきた。このゾ━ンの対抗馬一番手と目される金光大阪もプリンスリ━グ後半での好調ぶりが目立つ。春先より力強さが増して見えるが大阪桐蔭に対抗できるか否かは、こちらもまた、プリンスリ━グ後半戦全試合1点以内に抑えているディフェンスの安定を、この大会でも保てるかにかかっているかと思われる。他、桃山学院、賢明学院、帝塚山泉ヶ丘に公立の摂津あたりが、2校に待ったをかけることができるかどうかも、注目される。
✳全国制覇も狙える?興国、阪南大高に近大付属も絡む最激戦ゾ━ン
大阪桐蔭のゾ━ンの勝ち上がりと準決勝であいまみえるゾ━ンに、既に敗退した大阪学院も含めて優勝候補が集中。他のゾ━ンを圧倒するほどの激戦ブロックが形成されることに。特に興国、阪南大高は今期の大阪で最も、目で見て感覚的に感じるもの、がある両校であり、全国制覇の期待もかかるこの2校が早期に潰しあうのは何とも口惜しい限りである。興国はJリ━ガ━を3人も輩出するそうだが、見ても誰がその3人か分からないくらい、個々の技術と強さが際立っている。今期も浪速のバルセロナの異名そのままにポゼッションサッカーを志向。柔らかさだけでなくフィジカルの強さも兼ね備える。今季大阪随一の攻撃力を誇るが、インタ━ハイ予選でもそうであったように失点の多さが気がかり。ト━ナメントを勝ち抜くにはディフェンスの安定は不可欠。ポゼッションサッカーは攻撃サッカーではなく攻撃は最大の防御サッカー、という意識で臨めるかが鍵となってきそう。これだけの強さを誇りながら今期もプリンスリ━グ参入を逃した勝負弱さを払拭し、全国の舞台に立てれば必ずや勝ち進む学校と目されるだけに、その戦いぶりに期待がかかる。阪南大高は今季プレミアリ━グでは苦戦が続くも全国トップレベルのサッカーを常に体感。春先に見たプレミアでは持ち味のハイプレスサッカーを90分やり続け、激しさを前面に押し出していたが、インターハイ予選では前半は引いてブロックを形成、後半打って変わって激しく前がかりにいくなど抜き差し加減をしっかり計り強かにインターハイ出場を決め、全国でもベスト16まで進み、強豪市立船橋にもスコア見る限りでは善戦した。とにかく各選手の胸板に足腰の太さが際立ち、縦に激しいサッカーを支えている。興国と対戦すれば、相手のパスワークを前で止められるか、相手にいかにポゼッションサッカーをさせないかにかかっているか。ただ、相手はロングボ━ルを駆使したパスサッカーも巧みなため、むやみに前にいくわけにもいかず、それこそ、抜き差し加減、が大事になってくるであろう。ここも、インターハイ予選の最終順位決定リ━グで見せたディフェンスの安定を、選手権予選でも発揮できるかが、浮沈の鍵となりそうである。この勝ち上がりを迎え撃つ場所に位置するのが近大付属。インターハイ予選ではパッとせずもプリンスリ━グでは2位を保持、だがプリンス後半のスコア見る限りでは決め手に欠けるなど、今季はなんとも微妙な感じではあるが、春先に見たときは優勝候補に値するチ━ムであると感覚的に感じさせるものは見せていた。今季は例年よりも柔らかいポゼッションサッカーを志向して見えるが、一方で骨格のしっかりした選手が多く強さも感じさせる。やや相手を見すぎるきらいがあって見えたディフェンスが改善されていれば、死のゾ━ンを勝ち抜いても決して不思議ではない。さらには大阪学院を撃破した大商大堺に清風も絡んだ激しいゾ━ン勝ち抜け争いが繰り広げられることになりそうである。
昨年は優勝候補同士の戦いで2つ勝った学校がなく、最後までつぶしあいを回避できた仰星が選手権切符をゲット。その観点で見ると興国や阪南大高のゾ━ンはやや不利という風になってしまいますが、強豪同士の戦いを勝ち抜いたことで勢いに乗ることも考えられるかと思われます。いずれにしても10月15日から再開されるこの大会ですが、それまでに約3週間から一月ほどある中断期間での過ごし方が非常に大事になってくるかと思われます。毎年この間にチ━ム力が上がる学校もあれば、逆におかしくなってしまう学校もあり、どの学校がどうなっているかは、大会が再開すれば、大なり小なり分かってくることかと、思われます。