✳防御力
履正社:背番号10のオーバーハンド右腕、植木君だとすればひと冬越して随分体が大きくなり、分厚さが増したことになります。この日はストレートの走りは良く見えましたが緩い球を投げるときに腕が振れておらず置きにいく感じになってしまい、これでは腕の振りで球種を見破られ兼ねず、そのせいで捕手がそうした球を要求できなくなったのか、ストレートかその系統のボールばかりになってしまい、相手に狙いを絞られて見えました。6点差になった時点で降板。3回無失点でしたが大勢決したから、というよりは懲罰交代に見えました。大量点の直前に先頭の8番にヒットを許しバントで送ってくれるならアウトひとつもらえばいいところをラストバッターを歩かしてしまい無駄にピンチを広げたりもしてたことからも、そういう交代の印象を受けました。4回5回は背番号11のオーバーハンド右腕坂口投手が締める。尼崎北シニア時代以来の観戦でしたが全般、フォームが固かったです
四條畷:相手の各打者が体の開きの早いスイングがベンチ前で目立った事から、外角低めを丁寧についていれば9回までやれるくらいはあるかと思ってみてました。実際、同校のエース右腕はそれを実践して見えましたが3回、一死一二塁で3番小深田選手をおあつらえ向きの二ゴロ併殺にきってとったかに見えた打球がイレギュラーで満塁に。4番井上選手に対しても外の低めは突くも満塁で四死球すら許されない状況のせいもあったかやや制球が甘くなり中に入ったところをセンター前に綺麗に運ばれ2点先制される。この場面、投げた本人は外の低めいっぱいを突いたつもりであったかと思われ、それを軽打で逃げられ大きな術を消されたと思い込んでしまい、考える間も無く次の打者を迎え、引き続き外の低めを意識してればもう少し小さな傷で済んだように見えましたが中に入れてしまったところをガツンとライトへ3HRぶちかまされて一気に試合を決められた。そんな感じに見えました。小深田選手のイレギュラーはセカンドよく反応して止めただけに、どう考えても間に合わない二塁ではなく一塁でアウトをとる冷静さや周りの声かけ等があれば満塁ではなく二死二三塁で井上選手ならもっと外いっぱいを突けて詰まらすことも出来たかもですし、ちょっとしたことでこの回の得点が全く違ったものになり、その後の展開も大なり小なり違った展開になる可能性も十分にあった。それくらいこの回の中軸との攻防が運不運も含めて大きなポイントになって見えました。
✳得点力
履正社:中軸の打力がそのままチームの得点力につながって見える。秋季の終盤からの印象は、ひと冬越えても変わりません。
四條畷:攻撃でもポイントになって見えたのが3回、先頭の8番打者が巧く打ってヒットで出塁。次のラストバッターのところで相手投手がバントを過剰に警戒してくれたのか四球をもらえて無死一二塁の先制のチャンス到来。ここで迎えたトップバッターの背番号8のところでバントで送らすか打たすか迷って見えたことがポイントになってしまったかと思われます。(結果は三振で一死一二塁に)この場面、バントさせるか打たすかの決断そのものはどちらでもよく、迷ってしまって見え、それが打者にも伝わってしまって見えたことが問題かと思われます。1球毎にサインが変わることは、1球毎に状況変わりますからあることとは思いますが、それを割り引いても中途半端に見えました。バントにせよ打たせるにせよ、もっと徹底してあげる必要があったと思います。前の打席でスライダー3つでおもちゃにされ3球三振だったことなど状況だけで言えば送りでしたがこの背番号8はなかなか雰囲気はあり、打順抜きにして考えても、チームでも一二を争う、打つことが期待できる選手だったようにみえ、理屈抜きにヒッティングの選択肢もあり、迷ったのが事実なら、迷うのも無理もなかった場面に見えました。
✳履正社:試合前のボール回しがゆっくりなのは例年の事ですので珍しい事ではないのですが、守備走塁のスピード感で大阪桐蔭より気持ち見劣りして見えることも、同校に肝心要でなかなか勝てない要因かも知れません。走塁も本塁クロスプレーかと思われた場面で三塁でストップしていたり、右中間割って走者一掃に見えた場面で一塁走者が三塁に残っていたりと、やや物足りなく見えた面もありました。投げる打つ、特に打つ面で個々のパワーがそのまま同校の得点源という印象も、秋から変わりません。現状強さは感じるも全国制覇する力はとなると後一歩という感も変わりませんが、これから暑くなる夏の戦いにおいて、うだるような暑さになればなるほどこうした個々の力の野球が威力を発揮するかとも思われ、はまれば、という期待感はあるかと思われます。
✳四條畷:守りで我慢しきれず、攻めて徹底しきれずで順当を越えた惨敗に終わってしまいましたが、言い方変えればそれが出来れば格上相手でも踏ん張れるだけの力はあるということ。この日のことを教訓に出来れば、夏に再度同校と対戦すれば、もっと食らいつけるだけのものはあるように見えました。