※守備
大阪桐蔭:PKエリア内など自陣ゴール前でも、あれだけピッチ、気候が悪い中、単に守るだけでなく攻撃へとつながる守備ができていたのには感心しました。
金光大阪:1失点ですからよく守ったと思います。ただ、自陣での守備がややセーフティファーストになり過ぎたように感じられ、そのためその場のピンチは防いでも相手のチャンスは続いてしまい、それが自陣での守りの時間の長さにつながり、その積み重ねで失点してしまったように見えました。
近大附:試合通して相手に寄せ続けることができたことが、強敵相手に無失点で切り抜けることができた要因かと思われます。特に後半になればなるほど、その傾向が顕著でした。
興国:こちらも1失点ですから敗れたとはいえよく守ったと思います。ただ、自陣でボールを奪った際、相手に詰められているなどの状況にかかわりなく、前方への単純なクリアに終始してしまったことが、失点につながってしまったように見えました。
※攻撃
大阪桐蔭:一人一人の球離れの良さが目立ちましたが一方で、前半の終わりくらいからピッチに水たまりができるほどに芝が重たくなり、ボールが転がらなくなっていった中、状況に応じた選手同士の適正な距離感という点では課題が残ったと思います。ボールが転がらないわけですから選手同士がもっと距離を詰める必要があったように感じましたが、そういうピッチ状況になる前と距離感は特に変わって見えず、それがために思ったよりボールが転がらずに相手に奪われてしまう場面が目立ったように思います。
金光大阪:敗れはしましたが、雨で芝が重たくなりボールが転がらない中、選手同士の距離をいつもよりコンパクトに保つ等、状況に応じた距離感は計れていたように思います。決定的な場面が何度かありながら無得点に終わった要因は、やや一人一人がボールを持ちすぎて見えた点と、瞬時の決断力が足りなかったからではないかと思われます。
近大附:右のFW12、ヒラカワ君とアナウンスされてたように思うのですが、この選手のスピード、鋭さがとにかくこの日は目立ってたように思います。芝に水たまりができる程にピッチが重たくなっていたため、普段ならサイドを割ってるボールが中に残るものですからこの選手の特徴が余計に活かされており、それを逃さぬ集中力が光りました。豊富な運動量を誇る選手でしたのでフルタイムで使うのは難しく、後半途中で下げたベンチワークは致し方なしと思いますが、この選手が下がって以降、防戦一方になっても見えましたため(守りを固めたのかもしれませんが)、いかに攻撃面で大きな存在だったかということかと思われます。1得点に抑えられた要因は、ややもすると、攻撃のストロングポイントがこの日は偏ってしまって見えたからというのと、特に前半、もう1,2点奪えてもおかしくないほどの決定的な場面が何度かありましたが、そこで最後の決断がやや遅れて見えたあたりも、要因としてあるかもしれません。
興国:台風で最悪のピッチ条件のもとでも、それを感じさせぬ足元のボールさばきをフィジカルの強さも見せつけながら、どの選手も発揮していたことには感心いたしました。前半はそれに加えて球離れも良かったですが、先制点を奪われて以降、各選手の球持ちがやや長くなってしまい、瞬時の決断ができてなかったように見えた点が、高いポテンシャルを見せつけながら無得点に終わった要因かもしれません。
大阪桐蔭:状況を瞬時に読み取る力、後、前線の選手がやや気持ちで突っ込み過ぎて見えた点が、この日勝ちましたが攻撃面で残った課題の要因と思われます。心は熱く、頭は冷静に。を、負ければ終わりの大きな大会で、ただでさえ気持ちが先走ってしまいがちな中でこそ発揮することができれば、ゴールシーンももっと増えてくるかと思われます。
金光大阪:敗れはしましたが春先よりもグンと力強さが増して見えました。この日のような悪条件下などどんな状況下でも、それを感じさせぬ足さばきができるようになれば、本年度以上の結果を、来期以降出せるようになると思います。
近大附;春先に見たときは優勝候補に値するポテンシャルを感じるもインターハイ予選ではパッとせず。でもプリンスリーグでは2位をキープ。そしてこの日見るとやはり春先に感じたとおり、というかそれ以上のポテンシャルを発揮し、優勝候補の一角に十分推せる試合内容でベスト4に進出したと思います。どこからでもゴールを奪える怖さを相手に与える幅広い攻撃ができるかどうかが、今後勝ち進むことができるかどうかの鍵かと思われます。
興国:今季も残念ながら大阪で無冠に終わる。もし全国に出れていればどこよりも勝ち進む可能性を感じさせるものは見せつけたと思います。来季以降、それを結果に結び付けられるかどうかは、この日に時折見られた大雑把なプレーをいかになくすことできるかどうかだと思います。高いレベルの相手になればなるほど、そういうのを逃してはくれません。先制点を奪われないという意識をもっと高める必要もあるかもしれません。それを奪われるとどうしても攻撃が慎重になってしまい、瞬時の決断力が落ち、相手が守りやすい攻撃になってしまいます。負けてなお強し、の印象を残して大会を去ることになったのではないかと思われます。
以上です。