雨が止まない
時計を見ると午後8時を過ぎている
天気予報を見ると明日の朝6時前後が一番止むらしい(降水量1mm)
今はというと
ザーッ、だの
ガーッ、だの
ゴーッ、だの
どの擬音語とも取れる暴雨が地面や建物に打ち付けられている
いくらメタルキングフルフェイスを装備したとしても帰る気にならない
・・・・・・
「雨やばいな、なんじゃこれ」
ゆうじろうは半笑いながら外を見る
ドッペルタカは「俺帰るわ」オーラをガンガン焚いている
そして気がついたら帰っていた
俺は今からどうしようと思考を巡らせていたので気がつかなかった
ゆうじろうは明日仕事なので泊まるのは流石にちょっと気が引ける
というかまだ1回目のお泊りなのにいきなり2日連続というのは流石の俺でもちょっと
ゆうじろうに気は使っていないが親御さんにね
俺は何も言っていないのに
「俺、明日仕事に行くの10時ぐらいやから」とか言い出して
「別に泊まってっても良いよ」オーラを線香の様に緩やかに出していた
まあ、外はあの有様だ
原付で滝に突っ込んでいけるほど俺は無謀ではない
というわけで今日も泊まる事になった
晩飯はどうするのかと聞いたら
「今、お母さんが作っとる」
「お前の分を?」
「俺らの分を」
なに?俺の分も作ってくれているのか
時間は9時を回っているのを差し引いてもそれはありがたすぎる
作る前だったらどっかに飯を買いに行くつもりだったのに
流石に作って貰った後になって
「あ、買ってきたのでいいです」なんていうのは一番やってはいけない事の気がする
そこは遠慮するのは不正解、有難く頂くのが正解だ
自分の場合になって考えてみると
自分に子供ができるかどうかはまあ別問題としても
自分の子供の友達が家に来たら俺は確実にちょっかいをかける
もとい、なんか世話をしたくなると思うので
その気持ちは十分分かる
そして「できたよー」という一声が聞こえてきたので
俺はとっくに行ってしまったゆうじろうの後をとぼとぼと遠慮がちに追う
リビングのドアの前まで来ると消えているのを見たことが無い50型ぐらいのプラズマテレビの音が聞こえてくる
部屋の中にゆうじろうしかいないことを確認するとドアを音がでないように開け、音がでないように閉める
バラエティー番組の姦しい音以外は何も聞こえない
俺がドアの前で立ち尽くしていると
「お前ここ」
といい俺の目の前の椅子を指差した、ちょうどテレビの正面に位置する場所だ
先ほどからテレビから引っ切り無しに笑い声が聞こえているが
俺は今笑える状態ではなく、少々緊張気味だ
というか普段からテレビを見ない俺はほぼ興味が無かった
最後に自分からテレビの電源をゲーム以外の目的で付けたのは恐らく3年前
名古屋で一人暮らしをしていた時以来
テレビ番組を見るために自分でスイッチを押した事もリモコンで付けたことも無い
ゆうじろうがキッチンの方に行って何やら母親と喋っている
飲み物は何がいいか、だの
今日はハンバーグだけどこれでいいのか、だの
ご飯の量はどれぐらい食べるのか、だの
そ、そんなに気を使わなくても
俺はなんでも食べれますし、たとえ量が多くても俺は無理をしてでも完食します(自分の家以外)
暫くすると2人の足音が聞こえてくる
ゆうじろうは自分のを
ゆうじろう母は俺の分を
目の前にごとりと置かれたその食器はハンバーグ専門店などででてくる
あの分厚い鉄製の皿?の周りに木製の熱を緩和するために施してある本格ハンバーグ皿
パセリ、茹でたにんじん、茹でたジャガイモという定番のものもある
ハンバーグの量は目算で200g程度か、ちょっと大きい
ご飯はまあ茶碗から少しはみ出る程度、普通かな、多分
いただきますを言わずにゆうじろうは目の前の料理にがっつきはじめた
別に俺も言おうと思ってなかったが何となく言いたくなって誰にも聞こえない声で言う
「いただきます」
手をつけようと橋を伸ばした瞬間
横からゆうじろう母がにゅっと出てきた
「これ、よかったら」
と言いながら梅干やら佃煮やらが入った瓶の蓋を開けて俺に見せる
「食べないか」
と言って閉じようとしたので俺は
「いえ、食べます」
と言い、それを制した
梅干は身体に良いので食べる
その横の佃煮らしきものは正直なにか分からなかったが手を付けてみる
どうやらにぼしの佃煮の様なものだ、まあ普通だった
どこと無く手作り感があったので、それならば良くできていると思う
やはり万人が万人とも聞く友達の親の疑問と言うのがいくつかある
この場合ほぼ100%どんな友達の親でも聞いてくる質問をいつものようにされた
「で、どこに住んでるの?」
この質問はありきたり問題集の第1門にでてくるほどの高確率
この家に来る前の予習もばっちりで、2時間掛けて勉強した甲斐があった
「はい、私はm県s市mtg町から来ました。nktoomです。
好きな食べ物は、クロワッサンとさつまいもです。
嫌いな食べ物は、父の料理で、あれはもう(以下略」
え、違う?
ふむ、まあいい
答えると
「ってことはtyzk中学校?」
「はい」
「ってことはあれじゃない?○○君知らない?」
俺は暫く考えてみた
小学校中学校の同じ学年の生徒とは男女構わずほぼ全員と喋った記憶があるので
名前を忘れるという事はほぼありえないんだが
今でも、写真を見れば苗字ぐらいなら全員分言える自信はある
「いや、知らないですね」
俺は自分が間違っているとは思わないのでゆうじろう母の言っている方が間違っていると勝手に決めた
いつも自分が間違っていると思わないわけじゃないぞ、勘違いはしないでほしい
「そっかー」と言いながらゆうじろうは母台所に戻っていった
時計を見ると午後8時を過ぎている
天気予報を見ると明日の朝6時前後が一番止むらしい(降水量1mm)
今はというと
ザーッ、だの
ガーッ、だの
ゴーッ、だの
どの擬音語とも取れる暴雨が地面や建物に打ち付けられている
いくらメタルキングフルフェイスを装備したとしても帰る気にならない
・・・・・・
「雨やばいな、なんじゃこれ」
ゆうじろうは半笑いながら外を見る
ドッペルタカは「俺帰るわ」オーラをガンガン焚いている
そして気がついたら帰っていた
俺は今からどうしようと思考を巡らせていたので気がつかなかった
ゆうじろうは明日仕事なので泊まるのは流石にちょっと気が引ける
というかまだ1回目のお泊りなのにいきなり2日連続というのは流石の俺でもちょっと
ゆうじろうに気は使っていないが親御さんにね
俺は何も言っていないのに
「俺、明日仕事に行くの10時ぐらいやから」とか言い出して
「別に泊まってっても良いよ」オーラを線香の様に緩やかに出していた
まあ、外はあの有様だ
原付で滝に突っ込んでいけるほど俺は無謀ではない
というわけで今日も泊まる事になった
晩飯はどうするのかと聞いたら
「今、お母さんが作っとる」
「お前の分を?」
「俺らの分を」
なに?俺の分も作ってくれているのか
時間は9時を回っているのを差し引いてもそれはありがたすぎる
作る前だったらどっかに飯を買いに行くつもりだったのに
流石に作って貰った後になって
「あ、買ってきたのでいいです」なんていうのは一番やってはいけない事の気がする
そこは遠慮するのは不正解、有難く頂くのが正解だ
自分の場合になって考えてみると
自分に子供ができるかどうかはまあ別問題としても
自分の子供の友達が家に来たら俺は確実にちょっかいをかける
もとい、なんか世話をしたくなると思うので
その気持ちは十分分かる
そして「できたよー」という一声が聞こえてきたので
俺はとっくに行ってしまったゆうじろうの後をとぼとぼと遠慮がちに追う
リビングのドアの前まで来ると消えているのを見たことが無い50型ぐらいのプラズマテレビの音が聞こえてくる
部屋の中にゆうじろうしかいないことを確認するとドアを音がでないように開け、音がでないように閉める
バラエティー番組の姦しい音以外は何も聞こえない
俺がドアの前で立ち尽くしていると
「お前ここ」
といい俺の目の前の椅子を指差した、ちょうどテレビの正面に位置する場所だ
先ほどからテレビから引っ切り無しに笑い声が聞こえているが
俺は今笑える状態ではなく、少々緊張気味だ
というか普段からテレビを見ない俺はほぼ興味が無かった
最後に自分からテレビの電源をゲーム以外の目的で付けたのは恐らく3年前
名古屋で一人暮らしをしていた時以来
テレビ番組を見るために自分でスイッチを押した事もリモコンで付けたことも無い
ゆうじろうがキッチンの方に行って何やら母親と喋っている
飲み物は何がいいか、だの
今日はハンバーグだけどこれでいいのか、だの
ご飯の量はどれぐらい食べるのか、だの
そ、そんなに気を使わなくても
俺はなんでも食べれますし、たとえ量が多くても俺は無理をしてでも完食します(自分の家以外)
暫くすると2人の足音が聞こえてくる
ゆうじろうは自分のを
ゆうじろう母は俺の分を
目の前にごとりと置かれたその食器はハンバーグ専門店などででてくる
あの分厚い鉄製の皿?の周りに木製の熱を緩和するために施してある本格ハンバーグ皿
パセリ、茹でたにんじん、茹でたジャガイモという定番のものもある
ハンバーグの量は目算で200g程度か、ちょっと大きい
ご飯はまあ茶碗から少しはみ出る程度、普通かな、多分
いただきますを言わずにゆうじろうは目の前の料理にがっつきはじめた
別に俺も言おうと思ってなかったが何となく言いたくなって誰にも聞こえない声で言う
「いただきます」
手をつけようと橋を伸ばした瞬間
横からゆうじろう母がにゅっと出てきた
「これ、よかったら」
と言いながら梅干やら佃煮やらが入った瓶の蓋を開けて俺に見せる
「食べないか」
と言って閉じようとしたので俺は
「いえ、食べます」
と言い、それを制した
梅干は身体に良いので食べる
その横の佃煮らしきものは正直なにか分からなかったが手を付けてみる
どうやらにぼしの佃煮の様なものだ、まあ普通だった
どこと無く手作り感があったので、それならば良くできていると思う
やはり万人が万人とも聞く友達の親の疑問と言うのがいくつかある
この場合ほぼ100%どんな友達の親でも聞いてくる質問をいつものようにされた
「で、どこに住んでるの?」
この質問はありきたり問題集の第1門にでてくるほどの高確率
この家に来る前の予習もばっちりで、2時間掛けて勉強した甲斐があった
「はい、私はm県s市mtg町から来ました。nktoomです。
好きな食べ物は、クロワッサンとさつまいもです。
嫌いな食べ物は、父の料理で、あれはもう(以下略」
え、違う?
ふむ、まあいい
答えると
「ってことはtyzk中学校?」
「はい」
「ってことはあれじゃない?○○君知らない?」
俺は暫く考えてみた
小学校中学校の同じ学年の生徒とは男女構わずほぼ全員と喋った記憶があるので
名前を忘れるという事はほぼありえないんだが
今でも、写真を見れば苗字ぐらいなら全員分言える自信はある
「いや、知らないですね」
俺は自分が間違っているとは思わないのでゆうじろう母の言っている方が間違っていると勝手に決めた
いつも自分が間違っていると思わないわけじゃないぞ、勘違いはしないでほしい
「そっかー」と言いながらゆうじろうは母台所に戻っていった