釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

3月13日 低水温に…悩む日

2016年03月13日 | 日記
早朝の出船時に、猪崎鼻の岩場に打ち寄せる波飛沫が、気になった。



沖合は、波が高いかも知れない。

大島の北側を通り沖合に出ると、やはり東からのウネリが高かった。

「今日は、大敷き網近くから始めたいと思いますが、最近は水温が低くアタリが出ないことが多いです。

 1~2度流して、アタリが出なかったら、直ぐにポイントを移動していこうと思っています」

水平線に顔を出した朝日が、今日の悩める釣りのゴングを鳴らす。



最初に入ったポイント、次に移動したポイントと、朝の数時間で数ヶ所のポイントを攻めていく。

何処に行っても、ベイトは映し出されるが、僅かにバイトしてくるだけで、針掛かりするのはエソのみ。

17度前後と、相変わらず低い水温に悩まされる。

「今日は、次々とポイントを変えて攻めていかないと、釣果が出ないかも知れませんね」

「そうしましょう。なんとしても大物を釣りたいですね」

しかし、今日のお客様のBさんと渡辺さんは、簡単に諦めない粘りを発揮する。

仕掛けを次々と変えて、一つのアタリを探っていく。

私も、ベイトの陰を求めて魚探を見続けて、ポイントを選定していく。

水島周りを探っていくと、海面にさざ波が立っている。

「浮きグレですよ」



船を近づけると、バシャバシャと潜って逃げていく。

「沢山居ますね。鰤のナブラも何処かに見えませんかね」

水島周りの沈み瀬を攻める。

「来た。しかし、エソかも知れない」

渡辺さんが、アタリを捉えた。

ゆっくりと巻き上げていくと、海面に姿を見せたのは甘鯛。



同時にBさんもアタリを捉えた。



思い切り、ラインが引き出されていく。

沖に向けて走り出す相手に、ラインは巻き取った以上に引き出されている。

船で追い掛け、徐々に浮かしていく。



「鮫だ。尾長鮫だ」

全員が鰤を期待していただけに、どっと力が抜けた。



針を外して、直ぐに海に帰す。

「もう来るなよ」

必死に頑張ったBさんも、渡辺さんも、私も…声にならない。

「ポイントとを変えましよう」

東風が吹き始め、海上は少し波立ち始めている。

次のポイントは、海底に大きな瀬が有るわけではなく、砂地と岩場が半々くらいのポイント。

型の良い鯛が、釣れるポイントでもある。

そこで最初にアタリを捉えたのは、Bさん。

上がってきたのは、最近高級魚として扱われているホウボウ。



その直ぐ後に、渡辺さんがアタリを捉えた。

竿先をタンタンと叩くアタリは、鯛を予感させる。

上がってきたのは、型の良いイトヨリ鯛。



渡辺さんの、鯛ラバ仕掛けの一つの工夫が、功を奏し始めた。

ホール中の仕掛けにアタリが来た。

「来た」

ラインがジジッーと、音を立てて出ていく。



「ゆっくり行きましょう」

渡辺さんのやり取りする姿から「逃がすものか」と声が聞こえる気がする。

「その引きは鯛やね」

Bさんも傍で応援している。

海面に見事な鯛が、姿を見せた。



3キロクラスの見事な鯛。

この低水温に悩む中から、鯛を釣り上げた渡辺さんの工夫と粘りは、大した物だ。

納竿間際に、一辺に船上が賑やかになった。

「やったね。やったね」

Bさんと渡辺さんの、明るい笑顔を持って帰港した。