釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

3月19日 チャンスは逃がさない

2016年03月19日 | 日記
「おはようございます」

「おはようございます。風は今のところ無いですね。波も無いと良いですね」

赤灯台を出る時に、猪崎鼻の岩場の波を見ると、大して白波は立っていない。

行けそうだ。

正面に朝日に輝く海をみて、ポイントに走る。



「水深が一寸ありますけど、ベイトは今までで一番居ますよ」

海上に出ると、西風が吹き始めていた。

海は昨日の雨の影響もあって、遙か沖合まで濁っていた。

「昨日の時化で、底から捲り返したのでしょうね」

海上のウネリは、時折南方向から押し寄せてくる。

ウネリとウネリの谷間に船が入ると、周りが見えなくなる。

それでも、西風がこれから吹き出せば、可成り押さえるはずだ。

「来た!」



塩田さんに、今日最初のアタリが来た。

竿の曲がりからして、可成りの大物のようだ。

「ゆっくりで良いですよ。時間掛けていきますよ」

竿が、限界まで曲がっている。

可成り巻き上げたところで、魚が抵抗を見せ始めた。

ジジッーとドラッグ音が鳴り響き、ラインが引き出されていく。

「止まらん。何かに触っている」

針掛かりした大物が海底の窪みか、岩場近くを走っているみたいだ。

「我慢してくださいね」

「あっ、切れた!あっー切れた!」

巻き上げたリーダーが、ザラザラになっている。

「くっそー…後少しだったのに…」

塩田さんも、私も口惜しくて溜まらない。

その後、気持ちを切り替えるため、少し浅場のポイントに移動。

此処でも、アタリは有るが針外れを起こしてしまった。

「今日は、このまま終わりたくない…口惜しい…」

「塩田さん、初めてのポイントに行ってみますか。釣れる保証はないですけど、可能性に掛けてみますか」

「行きましょう。行きます」

この頃には、西風がウネリを可成り押さえていて、船を走らせるのも楽になっていた。

「少し走ります」

走りながら海の色をみていると、徐々に濁りが取れてきていた。

ポイントに着き、直ぐに魚探でベイトを確認する。

「塩田さん、見てください。ベイトは海底から浮き上がって可成りの数居ますよ」

「おー、居る居る」

直ぐに、仕掛けを落としていく。

着底して、リズムを取って仕掛けを巻き上げていくと

「来た!なんか来た!」



小気味よい引きを見せながら、上がってきたのは良型のメジナ。



針を外して直ぐに仕掛けを落としていく。

「また来た!」

またしても、良型のメジナが上がってきた。

しかも、2匹掛けになっている。



「此処に来て、チャンスは逃がさないよ」

「メジナの数釣りのチャンスですよ」

メジナが針掛かりする度に、型が良くなっている。

大きいのは1.5キロを優に超している。



「白子を出していますね」

釣り上げたメジナが、白子を巻き散らかしている。

私たちの合羽にも飛んできて、真っ白になっている。

「鯛ラバに工夫して、やってみます」

その一投目に、ヒットした。



今日一の良型メジナが、竿先を絞り込む。

「良い型だ。もしかしたら2キロ近くあるかな」

その後も、メジナがヒットしてくる。

気が着くと、納竿予定時間を過ぎている。

「塩田さん、返りましょうか」

大きなクーラーに、可成りのメジナが治まっている。



「そうですね。帰りましょうか。朝の口惜しさを少しは解消できた気がします。

 でも、次こそは今日の獲り逃がした大物を獲りたいですね」

口惜しさと、チャンスを逃がさなかった少しの満足感を持って帰港した。