釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

3月22日 走りを止められない

2016年03月22日 | 日記
4日振りに沖に出た。



海に反射する朝日が、綺麗だった。

朝の内は北西の風がやや強く、北東からのウネリと重なって少し波立っていた。

「この風が収まれば、波も静かになるはずです」

横山さんに、波による揺れに気を付けて頂くように、お願いする。

横山さんの手には、初下ろしの鯛ラバ用の竿とリールが握られている。

「今日は、大物を釣りたいですね」

「ぜひ、釣り上げてくださいね」

最初のポイントで、海底に移るベイトの中を攻めていくが、なかなかアタリが出ない。

「横山さん、チョット水深がありますが、先日鯛が釣れたポイントに行ってみますか?」

「はい、行きます。鯛が釣りたいですね」

「じゃ少し走りますね」

水深80メートルのポイントに船首を向ける。

この頃には、北西の風も収まり、波も静かになっていた。

しかし、下り潮の影響か、潮の色は菜っぱ潮になっている。

ポイントに着くと、直ぐに魚探を確認する。

「瀬の上にベイトが居ますね」

船を流す速さは0.5~0.7ノットとラインがやや斜めに出る程度の、程良い速さだ。

両舷で竿を出していると、横山さんの声がした。

「うわっ、なんだこのアタリは…止まらん…」

ラインが、船底方向に走っている。

「慌てないで、ゆっくり行きますよ」

「うわっ、また走った」

ラインが、ドンドン引き出されている。

横山さんの、竿が立てられない状態だ。

船で追い掛けようと思った瞬間。

「うわっ、切られた…」

青物と思われる獲物に瀬周りを走られ、リーダーが切られてしまった。

「多分、今のは鰤だと思います。それもデカイ鰤だと思います」

「うわーっ、口惜しい、獲りたかった…」

「大丈夫。また来ます。諦めないでくださいね」

気を取り直して、切られた仕掛けを作り直す。

暫くすると、またしてもアタリが来た。



上がってきたのは、アラカブ。

「味噌汁が美味しいですよね」

初下ろしの竿に、初釣果。

「坊主でなくて良かったです」

横山さんの笑顔が良い。

この時、海面がさざ波が立っているのに気づいた。



もの凄い数の浮きグレが、船を取り囲むようにして泳いでいる。

もの凄い数の浮きグレだ。

魚探にも、海面近くから海底まで、メジナと思われる影が映っている。

メジナが、鯛ラバにヒットすることは有る。

「メジナがヒットするかもですよ」

そんな話をしていたら

「おおっ、ホール中に何か来た。止められない。どうしよう」

またしても、青物が来たようだ。

もの凄い勢いで、ラインが引き出されていく。

「落ち着いて、止まるはずですから、軽くラインを指先で押さえてください」

「止まりません。ラインが無くなる」

少し竿を立てて、獲物に対抗しようとした時、リーダーが切られた。

「くそっ、今日これで2回目だ」

鰤と思われる獲物に、力の限り走られてしまった。

それでも、再度気を取り直して、仕掛けを作り直す。

アタリは直ぐに来た。

船の周囲にいる、メジナのアタリのようだ。



キロ弱のメジナが上がってきた。

白子を出している。

こんなメジナが沢山居る中に、鰤と思われる青物が混じっているようだ。

「夕方まで粘りましょう」

「そうですね。粘りましょう」

そう決めた時に、風が南東に変わっていることに気がついた。

「風が変わりましたね。南東の風は厄介です」

「移動しますか」

岸近くに移動するが、徐々に南東の風が強くなり始め、波も立ち始めた。

「口惜しいですけど、今日は引き上げましょう」

「そうですね。口惜しいですね」

心の中は「リベンジ」に燃えていた。