物の本には、風鈴オダマキ(Aquilegia ecalcarata:アクイレギア・エカルカラータ)には距がない、と記されている。
「距」って何だ?
「「距」とはもともとニワトリの蹴爪(けづめ)のことですが、植物では花の後ろに突き出した中空の角状のものをいいます。花弁や萼が変化したもの。
ラン、スミレ、オダマキなどに見られます。」
(「みんなの趣味の園芸」園芸用語集より引用)
📷2017年4月21日:これは、ミヤマオダマキかな。花の背後に、角のような距が見えているね。
「花の後ろに・・・」、間違いじゃないけど、「花の萼や花冠の基部近くから突出した部分。」なんて言ったほうが園芸のプロっぽいね 笑
そう、あの角みたいなやつで、ここに蜜が貯まっているなんて記述されていることもある。
なるほど、蜜の貯蔵庫か。虫たちはその蜜を求め、花の奥深くまで潜入しなければならない。
虫たちにとっちゃ迷惑なことだが、これは植物たちの深謀遠慮。
虫たちが、狭い花の中で蜜を求めて動き回ることによって体中に花粉がびっしりとこびりつく。
虫たちには花粉を方々へ運んでもらうお駄賃として、甘味な蜜が待っているって寸法だ。
これ、虫媒花の生きる知恵ってことなんだね。
オダマキに距があることはわかったが、なぜ風鈴オダマキには距がないのかと言った記述は見つからなかった。何故なんだろうね?
ところで、猫の額に息づいているのは二色風鈴オダマキだ。こちらは、風鈴オダマキとミヤマオダマキとの園芸交配種で、風鈴オダマキ同様「距がなく風鈴のような涼しげな花を咲かせる」などと説明されている。
冒頭のつぼみにも不鮮明だが、距が見えている。無いと言われる距が。
次の画像は、2019年に撮影した何代か前の猫の額の二色風鈴オダマキだ。ほらっ、こちらにだって角が生えている。炭治郎に見つかったら、退治されそうなほど立派な角が。
もちろん、すべてに角があるわけじゃないのだが、先祖返りってことなのかな?
📷2019年5月3日:あっ、角がついてる! 猫の額の二色風鈴オダマキは鬼っ子なのじゃぁ~。
シライトソウ、シュロソウ科シライトソウ属の多年草である。
名の通り、まさに白い糸を束ねたかのような花姿、そう、その糸が徐々に解けていく様は艶めかしくさえある
このミノシライトソウは、そのシライトソウの変種と言われ、岐阜県美濃地方西部のみに分布すると言われる。自生地では、絶滅の危機が叫ばれている。
📷2022年5月4日:今年は、たった1本の花穂しか出なかった。土が合わんのかな。
ニオイハンゲが花の準備をしている。
花はどこにあるかって? ほら、センターににょきっと伸びた一本の細長い茎状のもの、それが花なんだ(まだ完成形じゃないけどね)。
晩春、いや、明日が二十四節気の立夏だから、すでに初夏とか、首夏とかというべきか。
陽の光は柔らかくもあり、時には強さを増し、葉や花々に降り注ぐ。
派手な植物ではない。しかし、光が降り注ぐその葉を見ると、彩りの鮮やかさに驚くときがある。
隠れたカラーリーフプランツとでも言うべきか。
📷2022年5月4日:意外と知らないニオイハンゲの秘密。花が咲いたとき、芳しい香りが。