とにかく、暑いのである。猫の額の植物たちも青息吐息、なかには早々に干乾びて赤茶けた姿を晒すものさえ出始めている。
そんな天候を憂うるように、森のツリガネニンジンは咲き急ぐ。後ろを見ずに、前だけ向いて咲き急ぐのである。
なんだこれは? これで咲いたつもりか?
いや、いや、時が解決する。もう少し経てば、きっと朝顔らしい姿へと変わっていくのだろう。
昨年、台咲きが咲いた。名付けるとしたら、「黄縮緬笹葉淡水色地藤紫吹雪台咲」といった感じだったろうか。
「花筒が折れて蝋燭台のように変形し、中央から飛び出す咲き方」--これが、一般的に「台咲き」と言われる咲き方だ。
ただ、それに止まらず花びらにも変化が認められる。ひょっとしたら、「台咲き牡丹」系統というやつなのか。
一つだけではまだ何とも言えない。二つ、三つと花を見つつ、様子を窺っていくことにしよう。
なぜ、白色が出るのか? さっぱり見当がつかない。よくよく見ると、花茼の中ほどに筋が見える。台咲きになれなかった台咲き崩れってことか。
同じつるには、花びらが伸びるに伸びきれなかった花が付いていた。縮緬葉はいろいろな芸を見せてくれるようだ。
やはり〆は団十郎もどき(?)かな。この日も、ただただひたすらに咲き続ける姿勢を止めることはなかった。
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