Kite.comの花を探して毎日ブラ散歩!

今日もカメラ片手に、日常の中の非日常を探して彷徨ってます。猫の額でも、ほんの少しですが季節の山野草と戯れています。

二つのヒメイズイ、そして二種の花穂

2022年05月01日 14時11分11秒 | みんなの花図鑑

  📷2022年4月24日:坪庭の一角、ここに今日の主役の一人が写っている。斑入りヒメイズイだ。
  (画像をクリックすると大きな画像が表示される。{戻る}ボタンで元のページに復帰)
 この小さな齣の中に、かなり雑多な植物が写り込んでいる。
 すでに花の時期を終えたニリンソウだったり、これから花開こうかというイワチドリ、左隅上段にはシロバナショウジョウバカマやヒメノコンギクの青々とした葉、そして、中央付近には萌え出たばかりの丹那ワレモコウに混じって、今日の主人公の一人である斑入りヒメイズイが4本ほど見えている。
 猫の額に来てもう3~4年になるのだが、大きくなることはない。
 本来は、次の画像のようにまだらに黄色の斑が入るのだが、あたかも黄色の葉にほんの少し緑の斑が入るといった変異(?)を見せている個体もある。えっ、病気じゃないよね?

   📷2022年4月24日:瓜の表皮のような感じかな。こちらが、正調斑入りヒメイズイ。

   📷2022年4月24日:ほとんど黄色の葉! こちらが、変調斑入りヒメイズイ。

 姫委蕤、実は、こんな面倒な字を当てている。「委蕤」とは甘野老(あまどころ)の漢名なのだそうな。
「蕤」とは「ずい」と読み、「草木の花が垂れ下がるさま。」を表すとある(漢字辞典オンライン)。
 さて、「委」なのだが、こちらはgooブログにて「漢字の音符」を主催する石沢誠司先生によると、「女が身体をなよやかに下に向ける」との意があるとして、次のように解説していらっしゃる。

 解字 「禾(穂先がなよやかに垂れたイネ)+女」の会意。女が身体をなよやかに下に向ける形で、
    力なく他人に身をまかせる女の意。ゆだねる、まかせる意味を表わす。
 意味 (1)ゆだねる(委ねる)。「委任イニン」「委託イタク」 (2)まかせる(委せる)。
    「委員会イインカイ」「委譲イジョウ」 (3)くわしい(委しい)。こまかい。
    女がしなやかに下向くさまが、こまやかな美しさを表す語から転じたとされる。
    「委細イサイ」(細かくくわしい。くわしい事情)

 このことから察するに、古の人々は下垂して咲くアマドコロの花を、この二文字に託し「委蕤」としたのだろうか。
 この「委蕤」に「姫」をつければ、植物の世界ではお決まりの 「小さな甘野老」の意となる。

 では、斑入りではない、ピュアなヒメイズイ(姫委蕤)とは、そして、その下垂した花とはどんなものなのか? 次の二枚をご覧頂きたい。

   📷2022年4月25日:玄関脇の小庭に生息している。草丈20cmまでには届かない感じかな。

   📷2022年4月30日:ほら、下垂した花がこれ。まさに、アマドコロのような花だね。

 次は、二種の花穂である。まずは、その穂がそれとわかるように発達してきたベニバナショウマの姿を。

   📷2022年4月27日:まだまだ小っちゃい花穂なんだ。

 次は、ミノシライトソウの立ち姿とその花穂を。草丈は20cmほどとかなり小さ目。こちらも、かなりなよやかな感じのする野草である。
 
   📷2022年5月1日:奥に見えるのがタツタソウの葉。ご覧の通りかなり小さい(左)。花被片がほどけつつある(右)。



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4 コメント

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見当外れな引用でしたらご容赦の程を (Kite.com)
2022-05-02 15:36:01
石沢誠司 先生 こんにちは。

「二つのヒメイズイ、そして二種の花穂」にて、「委」の一部を引用させて頂きました。有難うございました。

委蕤(いずい)、「甘野老(あまどころ)」の漢名だそうですが、なぜこの字を当てたのか気になり、ネットの世界を漂流してみました。

このようなシチュエーションで、先生のご研究の成果を引用させて頂いていいものか、さらに、このような文脈の中にあって、的を射た引用であったのか否か、いろいろと不安もありましたが、結句、迷いの中での投稿とさせていただきました。

漢字の音符、深いですね。
漢字の成り立ちや字形の変遷を拝見しておりますと、そこに込められたそれぞれの時代の人々の思いというのでしょうか、そう、その想念とシンクロできるようで興味深いものがありました。
学生時代、遊び呆けてばかりいないで、一所懸命勉強しておればと思う今、古希の手習いとでも言うのでしょうか、興味の対象である山野草をトリガーとしてあちらの分野こちらの分野と、つまみ食い程度にしか過ぎませんが逍遙しております。
これからも、お世話になることがあろうかと思います。もし、あっ、いや、かなりの確度で見当違いな引用などしてしまうことがあるやもしれません。お目に止まりましたならば、躊躇なくご指摘のほどお願い申し上げます。
この度は、コメントまで頂戴し、有難うございました。
返信する
手狭なもので、石で誤魔化す 笑 (Kite.com)
2022-05-02 12:14:48
いまも、しいちゃんちのお庭見てきたんだけど、キャリアの差を痛感しますね。
どの子も、いい顔して写ってましたよ。

こんにちは。

通称、猫の額、手狭なもので石なんかで誤魔化してます 笑
その上、鉢植えで飽きると、その小さな庭にどんどんうわちゃうので収拾がつかなくなってしまうのです 汗

だからかもしれませんが、あっちを穿り、こっちを穿りしているので思わぬところから、思わぬものが生えてくる。ますます収拾がつかなくなるという訳で。

最初のうちは、仰る通り、幾分深めに土をさらい山野草の土をぶちまけました。まぁ、それ以来、何もしてませんけどね。

しいちゃんちの山野草の数々、拝見するだけでも勉強になりますね。
足繁く通わせて頂きます
返信する
ブログからの引用ありがとうございます。 (石沢誠司)
2022-05-01 22:29:52
わたしのブログからの引用ありがとうございます。委蕤の蕤はむずかしい漢字ですね。初めて見ました。

いつも拝見していますが、ちょっとした森や野原や庭に、たくさんの花が咲いているのですね。最近は付近の河原を歩くとき、野生の花に目がいくようになりました。

これらの可憐な花を接写で写し取る技術もすばらしいです。
返信する
夢いっぱいの憧れのお庭♪ (しいちゃん)
2022-05-01 21:57:25
kiteさん、こんばんは~。

こんなに遅くにごめんなさい。
ロックガーデンのような感じで、これ一から土も入れ変えて作られたのでしょうか?
良いな~。
こんな風にしたい!!

現実に戻って・・・
ヒメイズイの斑入り良いですね~。
家はな~ンも無い緑の葉です。
それにタッタソウも有るんだ(@_@。
多分家では育てられそうにないお花。

文章も上手だし、真似は出来ないけど何とかちょこっとだけでも庭を真似っこしたいです!!
雑草一つないやん!!
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