鴨着く島

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緊急事態宣言を「発出」

2020-04-08 20:59:45 | 災害
4月7日、安倍首相は緊急事態宣言を「発出」した。

「発出」とは聞きなれない言葉だが、「発表」でも「表明」でもない。法律「新型インフルエンザ等特別措置法」に基づくのであれば「発令」がふさわしいのではないかと思った。

発令では強権的すぎると判断したのだろうか? それなら「緊急事態を宣言します」で良かったのではないか・・・。

揚げ足取りの類になってしまったが、とにかく「発出」には驚かされたのである。

まあ、いずれにしても国民への強制を伴わない「命令」には違いない。

全国一律ではなく、東京都を始めとする首都圏の3県と大阪府・兵庫県それから九州の福岡県の七都府県に対してであり、かなりの感染者を出している愛知が除外されたのが意外だった。

解説によれば、これらの都府県はここ3日ほどで感染者の数を倍増させているので対象地域になったということである。

この7つの都府県では今後5月6日までの1ヶ月の間、3密(密閉・密集・密談)せず、不要不急の外出はせず、仕事もできる限り在宅ワークにシフトすることが要請された。

また特に目新しいものとして「土地の強制収用」に近い考え方が導入された。武漢で中国政府が見せたように、感染者対応のプレハブ病棟(隔離棟)の建設が可能となった。

東京の現在の感染者数はここ1週間で倍増して1300名余になったが、この傾向が続くとすれば早晩病棟が不足することは目に見えている。最悪のケースで1週間ごとに倍々に増えたとすると、あと3週間で1万人に達するわけだから、確かに大変だ。

翻って鹿児島の方では感染なしの状態が1ヶ月続いたあと、英国帰りの女性が一人と京都と大阪だったかの専門学校卒業生が帰省してから感染が確認された事例の合計3名しかいない。

今のところこの3名からの二次感染はなく、至って平穏無事に過ぎている。南九州では最大の人口60万人の鹿児島市での感染がないのは不思議という他ない。例のクルーズ船ダイアモンドプリンセス号が停泊し、数台のバスで名所旧跡などを回っているのにである。

こちらでこの話題が出ると決まって「焼酎が消毒しているから」というオチになるのだが、それもゼロとは言えないが、おそらくこの冬の異常な「暖冬」が幸いしたのではないかと思う。

当地方のこの冬の暖冬現象は桜島や高隈山系の冠雪が一度しかなかったことに象徴される。その一度も2月も半ば過ぎで、平地でわずかに車のフロントガラスがうっすら積もった日に、雪化粧とまではいかない姿が見られただけであった。

暖かければ外に出る機会も多く、窓を開放することも多い。クルーズ船関連の感染者が非常に早い段階で出ていながらその後の二次感染がなかった沖縄も似た理由が挙げられよう。(※この記事を書き終わり居間に戻ったところ、テレビのテロップで何と鹿児島で4例目の感染者が出たとあった! 鹿児島市在住の10代の少年で、福岡の親族のもとに滞在していて親族の中で感染者が出たので、今日帰省したあと保健所に電話したらしい。検査の結果は陽性だった。2次感染者が出なければよいが・・・。)


気分は「自粛ムード」だが、今日は桜の満開に近い姿が散見される鹿屋市田崎町のグラウンドゴルフ場に遊びかたがた行ってみた。
田崎グラウンドゴルフ場は南九州では屈指の広さを持つ。最大200チーム(1000人)が同時にゲームができるという。広いグラウンドゴルフ場に人気がほとんどなかったが、7,8人連れのグループが午後のひと時を楽しんでいた。

※追記…鹿児島で8日に4例目の新コロナ感染者が出たと上の記事の中で(※割注)に書いたが、同じ8日夜に鹿児島市にあるラ・サール学園が、転入してきた寮生の陽性が判明したためしばらく休園措置をとることにしたとの園長(学校長)談話を発表していた。
 この学生こそが4例目の感染者であり、この少年が新入生か在校生かは不明なのだが、鹿児島の少年ではなく福岡出身者で、春休みで帰省中に福岡の親族(家族や親せき)の感染者のウイルスをうつされたようだ。今のところ無症状だという。