今日も暑い一日となりました。午後からは俳画教室…出掛ける時の車内の温度は34度になっていて、エアコンが唸りっぱなしでした。ここしばらくは暑くなるようで…今日もニュースではどこかが34度を記録したとか、関東の方でしょうか、真夏日になり子供たちが水遊びをしている映像が流されていました。まだ5月だというのに…オソロシイ!
今回の俳画の題は〝薔薇(ばら)〟でした。これは初夏の季語ですが、この〝薔薇〟を俳句に詠むとき、初心者は殆どといっていいほど〝バラ〟と書きますね。俳句では…いや、我が結社だけかも知れませんが、片仮名を使うのは外来語のみなんですよ。〝ばら〟は外来語ではないから、きちんと漢字で書くか平仮名を用いるべきだと最初に教えられました。確かに近ごろはカタカナ語や略字が氾濫していますからつい初心者は使ってしまうのですが、それらを俳句に用いるのはとても嫌われます。もちろん例外的なものはあるでしょうが、現状で使いこなすのはなかなか難しいものがあって、それでも使うというのは勇気のいることなんです。しかし、学術的な動植物の表記は片仮名を使うようになっていますから、いいと思うんでしょうね。そうそう、以前新聞の原稿を頼まれましたとき、漢字で書いた季語などは全部訂正が入りました。つい私たち俳句をしている者は、癖になっていて漢字を使ってしまうので、今思えば、きっとこのブログでも読み方に困られたのでは?と思いますが…どうですか?もしそうでしたら本当にゴメンナサイ!
ここでは俳句の話ですので、やはり〝薔薇〟、または〝そうび〟〝しょうび〟と言ってもいいです。英語なら〝ローズ〟ですからね。普通薔薇といえば豊麗で香り高い西洋薔薇を指しますが、江戸時代の園芸書に「ろうざ(rosa)」の名が出ていますので、当時すでに渡来していたもののようです。『古今集』『源氏物語』には「さうび」と出ていて、それは中国伝来の庚申薔薇なんですって。知らなかった~。
薔薇の坂にきくは浦上の鐘ならずや 水原秋櫻子
わが病わが診て重し梅雨の薔薇 相馬遷子
ところで、この〝ばら〟という言葉は、〝いばら〟〝うばら〟〝むばら〟から転訛したもので、もともとは刺のある草木の総称でしたが、それに「薔薇」の漢字を当てたんだそうです。
古来日本全土の山野に生えるバラ科の白い小花は、「茨(いばら)」とか「野薔薇」とか言って、西洋薔薇とは区別していて、これも初夏の季語なんです。
花いばら古郷の路に似たるかな 与謝蕪村
花いばらどこの巷も夕茜 石橋秀野
写真は、我が家の〝オオキンケイギク〟で、季語にはなっていません。以前は至る所で見かけましたが、在来種に悪影響を与える恐れが指摘され、2006年に外来生物法に基づき特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止され、その指定を受けてからは駆除が行われているところもあるらしくて、最近ではめっきり見かけなくなりました。我が家でも種がどこから飛んで来たのか、いつの間にか生えて、可哀想だから少しだけ残して…。
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