今日は何となく朝夕の風が涼しいような気がしましたが、やっぱり宇部の最高気温は26度ですって。でも、一日中曇りで明日はまた雨が降ると…だから湿度が高くてあまり快適ではありません。
午後からは句会。今日の兼題は「残暑」でした。他の教室でも同じものをしましたので余り目新しく感じたものはありあせんでした。中に〈おとなひに上着を羽織る残暑かな〉と〈子ら去にて残る暑さにまどろみぬ〉という句がでましたので、それにについて少し述べてみましょう。
どちらとも同じ作者の句。前句の「おとなひ」は〝訪問〟、後句の「去にて」は〝いにて〟と読み、〝去って〟という意味です。二句とも内容のよく分かる句ですし、後句は孫の居る方などはそうだそうだと頷いていましたから、結構点も入っていました。ある程度俳句をしている人ならこの程度の句はもう十分に詠めるようになっているでしょう。ならばこれで満足しないで、折角ですから更に上のレベルを目指してもっと頑張ってほしいと思うんですよ。これでできたと満足しないで…、そう、もう一歩なんです。それが出来るようになれば句が見違えるように引き締まって、更に奥行きもでますからね。
つまるところ俳句は散文とは違いますので叙述的に説明しないということなんです。これらの句で言えば〈おとなひに〉と〈子ら去にて〉のところ。それぞれが〈上着を羽織る〉と〈まどろみぬ〉の理由付になっていますよね。要するに因果的なんです。俳句では「××したから〇〇になった」というような原因・理由と結果を述べることを嫌います。俳句は〝叙述〟ではなくて〝描写〟するということ。ここをしっかり身に着けることが大切なんです。
例えば、〈おとなひに〉と言わず〈チャイム鳴り上着を羽織る残暑かな〉と、〈子ら去にて〉を〈子の部屋の残る暑さにまどろみぬ〉とでもするとどうでしょうか。ぐっと具象的になって音が聞えてきたり、子らの居た部屋での居眠りが安堵感を、でもちょっと淋しいという気持を代弁してくれていませんか。このようにことばで説明するのではなく、〝もの〟を提示して具象的に描写することです。
水原秋桜子先生に『俳句のつくり方』(出版・実業之日本社)という本があります。この本の中に、俳句を作る時に注意すべき六ヶ条と、避けるべき八ヶ条が記されていますので、参考までに書いておきますね。
注意すべき六ヶ条とは「詩因を大切にすべきこと」「一句に詠み得べき分量をきめること」「省略を巧みにすること」「配合に注意すること」「用語は現代語」「丁寧に詠むこと」ということ。避けるべきこと八ヶ条とは、「無季の句を詠まぬこと」「無意味の季語重複をせぬこと」「空想句を詠まぬこと」「や、かなを併用せぬこと」「字あまりにせぬこと」「感動を露骨に現わさぬこと」「感動を誇張せぬこと」「模倣をせぬこと」です。
これらを一遍に全部マスターすることなど到底できないと思いますので、一つ一つ確実に積み上げていけばいいのではないかと思っています。写真は、〝灸花〟(やいとばな)で、晩夏の季語。この花の可憐さに対し、別名〝屁糞葛〟(へくそかずら)なんてのはカワイソウ!またまたピンぼけになりました。ゴメンナサイ!
本を見ていますが、益々難しいです。私には無理そうだなぁと、感じているこの頃。
やはり、カルチャーとかに入った方が良いでしょうかね。
ヘクソカズラ、どんどん増えて困ってます。つるを引っ張ってちぎれた時の臭いがひどいです><
灸花という、立派な名前があったのですね。知りませんでした。
自分の作品を通して、〝ここがこうだから…〟と、具体的に指摘されて、ああそうなんだと分かるのです。だから理論だけの人にいい句は詠めないのが普通。〝不言実行〟が一番。〝論より証拠〟ということばもあるでしょ!あれこれ考えずにドンドン作ってみることですね。
昔おばあさんが灸をすえているのを見たことがありますが、その〝灸〟に花が似ているのでそういいます。〝へくそ〟は臭いからですが…他にも臭いのに〝臭木〟がありますね。