今日は朝からなんとも生暖かくて気持ちが悪いぐらいでした。最高気温を見ると15度…テレビでも今日の西日本は3月中旬の気候だと。どうなっているんでしょうか。明日も暖かいらしいのですが、東日本ではどうなんでしょうね。また、北国では雪が少ないと…嘆いている? いや喜んでいるのかしら…まあとにかく複雑な心境なんでしょう。こうなってくると〝平年並み〟ということばを聞くと何だかホッとさせられます。異常気象が深刻化しているということなんでしょうか。
さて、今日は俳画教室。当番でしたので少し早めに行きました。もう今年度も残すところ今日を入れて3回。3月の初めには文化講座の発表会がありますので、そろそろその準備に…。今回の画題は〝山茶花〟(さざんか)で、初冬の季語です。
山茶花や金箔(きんぱく)しづむ輪島塗(わじまぬり) 水原秋櫻子
何とも豪華な感じの句ですね。輪島塗に金箔とは…それに〝山茶花〟。この山茶花はきっと白か薄い紅色の一重の花だと、私は思います。まるで光琳派の日本画を見るような感じがしませんか。〈金箔しづむ〉というのはきっと沈金の漆器だと思うのですが、何の漆器でしょう。例えば、お椀か重箱、文箱でもお盆でも…。もしかしたら金箔入りのお酒を輪島塗の盃でと考えてもおかしくないかも。または、花器だとすれば…それに山茶花が生けてあるとか…。でも、〈山茶花は咲く花よりも散つてゐる〉という細見綾子さんの句があるように、その散りざまや散り敷いたさまに人は心惹かれる花でもあります。ですから、室内の茶席か宴席での膳の漆器から庭の山茶花の様子に眼を移して詠んだ句とも考えられます。要するにこれは取り合せの俳句ですから、そこにどんな想像を働かせて鑑賞されてもいいのです。私にはその鮮やかな色彩とその場のピーンと張ったような空気が感じられて、とても美しい絵画的な句だと思いました。ちなみに、秋櫻子先生は絵画や焼物など、他のあらゆる美的なものへの造詣が非常に深い方でしたから当然なのかも知れませんが…。
俳画の山茶花は一重で、花は臙脂(えんじ)を使い、枝と葉は墨で描きました。椿は何度も描いていますが、山茶花は滅多に描いていませんので、花びらの感じが結構難しかったですね。賛は〈帚目(ほうきめ)の庭塵(ちり)もなく冬に入る 積穂〉でした。
写真は、先日の呉服店の初売に行って頂いたもの。金沢で70余年、伝統産業の「純金箔」の製造・販売を行っている「箔座」が作り上げた、金箔をまとった縁起の良い〝金餅〟と、同じく「箔座」と加賀生麩の製造メーカー「麩金」がコラボして作り上げた金箔入り〝本格おすまし〟のセットです。これを沈金の輪島塗のお椀(アハッ、私は持ってないんですが…)で食べたら…今年は〝こいつぁ春から縁起がいいわえ~〟と、金持ちになりそうでしょ!アハハッ(笑)
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