ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

猫の子から親猫へ

2017年05月03日 | 俳句

 5月3日、今日は憲法記念日です。

 あれこれと溜まったものを整理して、何ということなく過ぎてしまいました。アッ、捲り忘れていたカレンダーを全部5月に変えましたが、その中に俳人協会のカレンダーもありました。その4月の句は私の好きな次の句でした。

   猫の子のどう呼ばれても答へけり

 これは、有馬朗人(ありまあきと)氏の作で、氏はかつて東大総長を務めた物理学者であり、俳誌「天為」主宰の俳人でもあります。季語は「猫の子」で春。          

 作者の言を借りれば、「猫には人の言うことをきかない気ままさがあり、反応を予測出来ないところが面白いのだ」と。「でもこの猫の子は、まだ自分にどんな名前が付けられているかなど知るはずもなく、ただ呼ばれれば誰にでもニャ~と返事をする。それが愛らしいのだ」と。私も何度か仔猫を飼ったことがありますが、兎に角〝可愛い〟の一言。

 これは猫の子に限ったことではないのですが…。

 生まれたばかりの猫は、母の温もりや兄妹の温もりを探し求めては鳴くんですよ。だから、声を掛けたり、撫でてやったりすると甘えるようにニャ~と答えるのです。それも生きるための一つの知恵なんでしょうね。誰に教わったというんではなく。

 でも大きくなると、もう、ふてぶてしいこと!家の主のようになって。我家のテンも、仔猫のときはお乳を呑ませてやると、そりゃ可愛い声で鳴いていました。今はいくら呼んでも知らんぷり…自分が必要な時だけ、そう!あの〝猫撫で声〟でニャ~と。

 だから、テンと呼ぼうが、アホと呼ぼうが、〈親猫はどう呼ばれても知らんぷり〉ですよ。

 でもこれ、俳句としてはダメなんですよ。季語は「親猫」で、春なのですが…この「親猫」という季語は、「猫の子」の傍題で、「孕猫」や「子持猫」と同じように、子を産む前や産んでからの子育て時期だけに使われるもので、1、2ヶ月もすればこの「親猫」という季語を使うのはおかしいのです。ましてや10年猫には絶対に使えませんよ。

 仔猫だって4、5ヶ月もすればもう成猫になるのですから、夏になったら〝猫〟です。

 ところで我家の猫、今では全く薄情なもんですが、でもやっぱりカワイイ!  いなくなれば家中を探し回りますし、家族と一緒です。実のところこの気持ちは飼ってみなければ分らないでしょうね。

 見て下さい!この寝姿。〝鍋猫〟ならぬ〝箱猫〟です。本当に猫は箱とかが大好きですが、ある時、こんなに薄っぺらい箱にもぴったりと入って寝ていました。カワイイでしょう! 


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