おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 霊蘭秘典論篇 第八
第一節
黄帝問曰。願聞、十二藏之相使貴賤、如何。
岐伯對曰。悉乎哉問也。請遂言之。心者君主之官也。神明出焉。肺者相傅之官。治節出焉。肝者將軍之官、謀慮出焉。膽者中正之官。決斷出焉。膻中者臣使之官。喜樂出焉。脾胃者倉廩之官。五味出焉。大腸者傳道之官。變化出焉。小腸者受盛之官。化物出焉。腎者作強(強の俗字)之官。技巧出焉。三焦者決瀆之官。水道出焉。膀胱者州都之官、津液藏焉、氣化則能出矣。
鍼灸医学大系黄帝内経素問霊蘭秘典論篇第八第において、第一節の原文、訓読、通解、語句の解、参考等で58ページあり、重要な篇と言えます。
語句の意味 1-2
十二藏=肝・心・脾・肺・腎・心包の六臓と、胆・胃・大腸・小腸・三焦・膀胱の六腑をあわせた十二の内臓。
相使=「お互いに使ったり、使われたりして相い関連して使い逢うこと」で、現代のコトバを以てすれば「相互の任務上の関連性」とでもいうことになるであろう。鍼灸医学大系
貴賤=身分のある人と低い人と。とうとい人といやしい人と。
=上下役目の関係。鍼灸医学大系
=この部分では「重要」と「次に重要」とに解釈する。呉崑(1551-1620?)の説「清であるものを貴とし、濁であるものを賤とする」。張景岳の説「君臣上下の区別のこと」。東洋学術出版社黄帝内経素問霊蘭秘典論篇
悉=ことごとく。全部に及ぶ。よく知る。悉知。
遂=とげる。達する。進める。
心=五臓(肝心脾肺腎)の一つ、心臓。
君主官=心のこと。君主は古代国家の元首の呼称。心は神明を主り、人体生命活動の主宰である。君主の官と言う言葉はたとえで、臓腑中で最重要な位置をしめているということ。漢方医学大辞典
君主の官=心の臓のこと、心が生命活動を維持するうえで最も重要な位置にあるため。新・東洋医学辞書
神明=神あるいは精神の働きのこと。
肺主治節=はいはちせつをつかさどる・「相傅」とは「君主の官」、すなわち心に対して言われている。「相傅」とは「君主」を補助するの意味。臓腑の働きは心肺の機能の協調が非常に重要で、人体の臓腑器官が一定の規律によって活動するのにかかすことのできない因子であるということである。「治節」とはすなわち管理・調節のことで、これは肺と心の機能は必ず相互に協調しあって、両方の正常な生理活動を保持しているということ。
相傅=本文の「相傅の官」とは「君をたすけるお守り役」ということである。従って心と肺は極めて緊密な関係のあることが了解されるであろう。鍼灸医学大系
肝=謀慮を主る。肝は精神の活動と関係があり、肝病になると急に躁いだりよく怒ったりして、思慮がめぐらなくなる。
將軍=将軍・全軍を指揮し率いる司令官。
肝主謀慮=かんはぼうりょをつかさどる。古人は将軍が戦争時に深謀遠慮することを肝の作用に例えている。
作戦や用兵、つまり健康保持や病気にならない手立て、病気になったときの手当ての仕方などを考え実行する。
漢方用語大辞典
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