おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士 渡辺武著 『漢方が救う人体危機』
p137漢方には古血を体外に大・小便で排泄する薬剤がある!
いまでこそ、女性の男性化が問題になっていますが、これは男性万能の江戸時代の話。
名医の原南陽は水戸藩の侍医(じい)で、武士に必要な数種類の薬を調合しました。
彼はこの薬をよく使われる順に「甲字湯」「乙字湯」「丙字湯」「丁字湯」と名づけていました。
なかでも「甲字湯」は鉄砲傷、刀槍傷など打ち身や内出血に速効がありました。
武士というのは元来が戦士ですから、いくら江戸時代が天下泰平がつづいたからといっても、日常の鍛練を怠るわけにはいきません。
剣術の稽古で相手の木刀を受け損じると「イテテー 甲字湯を・・・」、刀の手入れの最中についうっかり小指を切って「お、奥! 甲字湯を持て」といった具合で、いつも常備されて重宝がられていました。
ところが、この「甲字湯」が、あにはからんや、じつは女性の血の道の漢方薬であったとは、神ならぬ身の武士たちの知るよしもなかったことなのです。
というのは「甲字湯」とは原南陽が便宜上つけた仮の名で、漢方の正式の名称は「桂枝茯苓丸」に甘草、生姜を加えて煎薬にしたものだったのです。
これが女性の血の道の薬とわかっていたら、男尊女卑の時代のこと、「汚らわしい、女の血の道の薬が飲めるか」と痩せがまんをしたでしょう。
この「桂枝茯苓丸」は、血をとめる作用と、古血を排泄する作用と両面の働きをもっています。
これが婦人薬に用いられるのは、そのなかに「牡丹」と「桃仁」が含まれているからです。
牡丹、桃仁は黄連、山梔子などとともに血剤と呼ばれています。
人間の体内に血が滞ると、いろいろな症状が併発されます。
この「古血」、つまり血行障害による鬱血を体外へ排出する働きが、牡丹、桃仁、黄連など苦味剤にあるのです。
そのうえ、この薬は消炎、止血作用が強いので、女性の生理不順の特効薬としてだけでなく、寒性の駆瘀血剤(くおけつざい)として胃潰瘍、脳出血、痔の出血、内出血などにも広く使われています。
しかし、この駆瘀血剤(くおけつざい)――古血を体外に排泄する薬剤――は、現代医薬にはありません。
脳出血を起こしても、内出血や胃潰瘍を起こしても、止血するだけで、洗い出すことはできないのです。
漢方のこの薬剤は鬱血を大・小便で排泄してくれるのです。
最近の話ですが、私の知人の高名なデザイナーが自動車事故で全身を打撲し、数十ヵ所の内出血のあざができました。
ふつう、内出血はひとりでに消えてしまうまで放っておかれていますが、彼女は一日も早く治る方法はないだろうかと相談に来ました。
さっそく「桂枝茯苓丸」と「黄連解毒湯」をすすめたのです。
それから一週間ほどして「全身の内出血がすっかり消えてしまいまいた」と、はずんだ声で電話がかかってきました。
昔の落馬に代わって、交通事故による鞭打ち症の薬としても、ポケットにしのばせたい薬なのです。
女性の男性化ならぬ、婦人薬が男性の薬になっているとは、なんとも皮肉な話ですが・・・。
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