渡辺武著 わかりやすい漢方薬
第三章 漢方薬は何に効くか
4 味覚による食事療法
p190 人間は海から生まれた
「酒は百薬の長、塩は食穀の将」とは、中国の漢時代の古い金言ですが、酒は百薬の長とはいっても、塩は食穀の将という言葉はあまり聞きません。
しかし、人間にとっては酒が薬の王様であるように、塩も酒以上に重要な要素です。
東洋人の食物はデンプン質が主食です。
穀類とか豆類は含水炭素で胃や腸の中で消化すると、炭酸ガスと水になります。
この汚物を大便か小便で排泄しなければなりません。
が、真水の小便は出ません。
塩分がなければ腎臓は水分を受けつけません。
塩は人間の分解掃除、水分代謝の促進剤です。
西欧人は肉から塩分を摂っているので、東洋人のように塩分を摂らなくても平気ですが、日本人が西欧人と同じように塩分を摂らなかったら、水分代謝はもちろん、身体に異常を起してしまいます。
よく人間のそもそもの祖先は、海の中に住んでいたといわれますが、それは人間の血液の中に含まれている塩分が〇・七五%ぐらいで、ほぼ海水中の塩分と同じだということにあります。
だから、貧血で血液が足りなくなった場合は、同じ塩水を血管に注入すれば、血液は流動するわけです。
これを生理的食塩水といっています。
人間の血液の塩分が自然の海水の塩分と同じ濃度であることは、人間が自然の産物であることを物語っているといえます。
血液の塩分には、海水からとれる塩と同じく、ナトリウムもあればマグネシウムもカルシウムも含んでいます。
日本人はつい二十年前までは天然の海水から採った塩を食べていました。
そのマグネシウムやカルシウム、カリウムの微量成分が、あるいは人間の血液の微調整をしていたといえます。
心臓に負担をかけたり、血圧を非常に上げたりする、暴走の歯止めの役割をしていたといえます。
それが現在、日本人が摂っている塩分は、一〇〇%塩化ナトリウムの純粋な塩しか摂れないようになっているのです。
塩の成分の働きを科学的に分析すると、ナトリウムは絶えず動いているもの、カリウムはじっとしているものといえます。
ナトリウムとカリウムは同じ働きをするが、性格は正反対です。
ナトリウムは非常にアクティブで陽性ですが、カリウムは非常に陰性でネガティブ、じっとしています。
ナトリウムが動物的なら、カリウムやマグネシウムは植物性なのです。
スペクトルで分類すると、ナトリウムは虹の黄の部分、カリウムは紫の部分という正反対を示しているのです。
日本人の体内に入る塩分は、この二十年間は全くナトリウム一〇〇%の塩分を摂っていて、マグネシウムやカルシウムが微量に入った塩分は摂れなくされています。
いや、文明とか便利さがそうさせているのです。
これは人間にとって大切な塩分が、自然から一歩遠ざけられたことを意味しているのです。
塩分というと、内臓では腎臓と密接な関係にあり、塩分が腎を支配しているといっていいくらいです。
腎臓ばかりではありません。
心臓だって肝臓だって塩分に関係が深いのです。
塩分を普通にとっていれば、肝臓の負担だって軽くなります。
要らないものは腸から排泄すればいいので、解毒する仕事が軽くなります。
大便、小便で排泄したり、発散する作用を塩は助長する食品だからです。
また、心臓にとっては、皮膚から発散するという量の十倍ものエネルギーを費やさなくても簡単に小便で出してくれるわけだから、負担が軽くなります。
大量に摂るということでなければ、塩分は五臓六腑を順調に働かせることができる促進剤であるわけです。
塩分は腎臓に悪いからと、生かじりのウソの常識で量を減らすことは、逆に命をちぢめるばかりか、頭がカッカして風邪をひきやすく、ぜんそくや自律神経失調症にかかりやすい体質に、好んでなっていることになるのです。平成3年5月 9版発行
ゴールド三養茶は発芽ハトムギを主成分として、特殊製法でエキスを抽出顆粒にした理想的な健康飲料です。
簡単にお湯にとけますので、ご家族の健康食として手軽にお飲みいただけます。
ハトムギの成分を十五倍に濃縮した、ゴールド三養茶をお好みの濃さに合わせて美味しくお召し上がり下さい。
税込価格
250g 8,640円
500g 16,200円
分包品1包1g入り60包3,500 円
1包60円