ギリシア・パルテノン神殿のファサードを飾っていた大理石のレリーフ「エルギン・マーブル」です。
大英博物館の多くのコレクションの中でも、屈指の人気コーナーではありますが、約200年前、大英帝国のトルコ大使(当時ギリシャはオスマントルコ勢力下にあった)のエルギン伯爵が、このレリーフがどうしてもほしくなり、泥棒同然にギリシャから無理やりイギリスに持ち帰ったという、いわくつきのコレクションでもあります。
エルギン・マーブルはギリシャへの返還運動が現在も続いていますが、このコレクションや、パリのコンコルド広場のオベリスクにしても、これだけ移動手段や情報・技術交流が発展して、飛躍的に世界が小さくなった現代においては、本来あるべき場所に戻してあげて欲しいと、個人的には思ってしまいます。