ばらいろすみれいろな世界

２００４年に急逝したあとり硅子さんの最後の単行本。

私のお奨めは、表題にもなっている「ばらいろすみれいろ」。
幼少時からとにかく人を魅きつけてしまう青年のお話。あとりさんの作品は
淡々と物語が進む。そしてどことなく奇妙な優しさに包まれている。だから
人に薦めるとき少し困る。好きな人は本当に好きになるだろうけど、
BLっぽい刺激を好むような人には薦めにくい。私は前者。そもそもBLという
ジャンルにくくって良いのかどうかも迷うのに。

さらさらふわふわしたそれでいて切り口がちゃんとある短編集。
若くして早世されたのが本当に…残念。

漫画文庫も発売されたので購入。
『犬夜』の表紙は、イラスト集の表紙と同じもの。
イラスト集の中のエッセイに「ハイスクール八犬伝」のことがちらっと
書かれていたそうだけど。


　

『ばらいろすみれいろ』あとり硅子著　新書館ウイングスコミックス全１巻　
『ぶどうの瞳』あとり硅子短篇集1　新書館ウィングス文庫
『犬夜』あとり硅子短篇集2　新書館ウィングス文庫

＊「ばらいろすみれいろ」は『犬夜』にも収録されてます。

白土三平の忍者モノっぽい ～【忍者八犬伝】～

私と同じく八犬伝マニアの女性から譲ってもらったもの。
ヤフオクで手に入れたらしい…けど、これって貸本って種類なのかも。

この絵柄って…白土三平っぽいんだけど、哀しいかな『貸本漫画』
らしいので出版元は記載されてるけど、肝心の作者名が書いてない。
出版年と出版元でなんとか調べたトコロ、かなりの高確率で白土三平だと思う。

あーもうじれったい。
どなたか白土三平作品完全データ表とか作ってください。

で、あらすじ。
「犬」の字のつく名前の忍者が８人出てきます。

□八犬士？□


・犬丸

　　　　　　
・犬水　　　　・犬角　　　・犬太郎　　　・犬次郎　　　・犬四郎　　　・犬千代　　　・犬風

いや、本当にそうとしか書けないんですよ。
姫様はいません、犬も出ません、珠は…一応出てくるというのか。
最初の頁に書いてあるあらすじ読むと、「水晶の珠から生れた八人の忍者」
という設定なので、珠もあったらしいです。

物語の核が２つありまして。
ひとつは主人公である犬丸を始めとする八犬士忍者が、火炎の巻物を
巡る石山城と犬丸城の争いに巻き込まれるという話。

もうひとつが、剣流寺一角を仇として探す青年・月影兵助のお話。
石山城の忍者に片腕を切り落とされた兵助を助け、
「そんな剣では俺は倒せん」と彼を鍛える一角。自分の命を狙う
兵助を鍛え上げて、ラストで一角は仇として討たれる。

…なんか燃えますね。

今ではそう珍しくない展開だけど、こういう展開で思い出したのが
「チリンの鈴」。アンパンマンのやなせたかしさんの初期童話のひとつ。
アニメにもなったので知っている人は知っている迷作。狼のウォーに
母親ヤギを殺された(喰われた？）子ヤギのチリンは、ウォーを倒すために
ウォーの元へ。ウォーに鍛えられ荒々しくも強いヤギへと成長したチリンは
ウォーと戦い倒す。が、普通のヤギとは雰囲気も外見も異なって成長した
チリンは元いたヤギの群れには戻れず、ひとりどこかへと立ち去る。

「ウォー！！　ぼくは君のことが…！！」

好きだったんだよね、好きになってしまってたんだよね？

それが親の仇で種族が違って食うか喰われるかの関係だとしても。
思えば、童話で萌えたのは、このチリンとウォーの関係だったな。
「あらしのよるに」のメイとガブを知る20年近く前のこと。

「ふぶきのあした」のラストで物語終わりだったらやっぱり哀しいし。
ガブとメイのように、チリンとウォーもハッピーエンドになって欲しかったな。


（上記カット：東邦図書出版社「忍者八犬伝」（東邦プロダクション　３巻）　より引用）

共存共栄の図 ～東方八犬異聞～

例えていうならガンダム劇場版の主題歌。

死にゆく男たちは　守るべき女たちに
死にゆく女たちは　愛する男たちへ

「犬士」であって、おそらくは珠を持ち、同じ痣を持つ男達は
皆々一度死んでいるらしいと。

信乃と道節は浜路ちゃんの為、現八と小文吾はぬいさんかな。
荘介は信乃だろうけど、毛野はまだわからんな。
元の原作に出てくる死に別れの兄・夢ノ介さんでも出てくれば面白いけど。

「死ななかった」というよりも「死なせてもらえなかった」という感じが
しないでもないけど。とりあえず、下の図。

八犬士達の共存共栄図。


皆の身体のどこかにある『牡丹』の痣

□　八犬士　□
　→　　→　
　犬塚信乃　　　　　　　　　　　村雨（鴉形態）　　　　　　　　村雨（信乃と同化状態）

　　→　　
犬川荘介　　　　　　　　　　　　犬状態

　→　
犬飼現八　　　　　　　　　　　　風鬼状態（雷鬼？）

　→　　
犬田小文吾　　　　　　　　　　　雷鬼状態（風鬼？）

　→　
犬山道節　　　　　　　　　　　　雪姫（同化）

　→　
犬坂毛野　　　　　　　　　　　　夜叉姫（半同化）



あと、八犬士じゃないけど、莉芳さんや要、あやねちゃんなどなど、
浜路以外の主要人物は皆、トリツキくん達なんだなあと。こういう場合、
そんな特別な力の無い普通の人間が一番精神的に強かったりする。

このブログで、「八犬異聞」のことを書き始めた当初は、
「年内に毛野が出ればいいなあ」とか書いてましたが、実際は２年目でした。
大角は最後に出る犬士なので、登場は３年目の終わり頃だったりして。
まだまだ先は長いなあ…。

ドラマCD出ないかな。出て欲しいな。

斎賀みつきさんも出演しているとある舞台を観に行ったら、あべ美幸先生
の花もしっかりと置いてあったのを確認。



（スタッフの方に撮影の許可は頂きました）


斎賀さんの声なら毛野のイメージかな。要は宮田幸季さんっぽい。
森久保祥太郎さんの声なら小文吾っぽいかな。

あとはまだイメージわかない。
アニメ見ないから声優さんに詳しくないのです（汗