ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

【伏~少女とケモノの烈花譚~】3巻

2013年12月02日 02時05分12秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】

【伏 少女とケモノの烈花譚3】
原作:桜庭一樹 著
『伏 贋作・里見八犬伝』(文藝春秋刊)
作画:hakus
脚色構成:続真琴


”伏姫”は俺が斬る


3巻の表紙は信乃。
そして、帯には【伏】版信乃ボイスの宮野真守さんが登場。

時間的には、浜路が山を降りてくる前の出来事が中心となり
現八と道節の因縁因果、その過去からなる村雨丸と現八の今、
道節と船虫と力次(力二に非ず)の三角関係がそれぞれに明かされる。

人と伏の間にある溝。

人と伏が同じになればいい。
そうする為にはどうすればいい?

浜路の問いかけに信乃は答える。

人間を全て伏と同じ獣に堕とす
八犬士の名を持つ伏達を胎んだ伏姫を斬る


”伏姫”は”南総里見八犬伝”に出てくる守り神。

伏狩が始まってからは伏を英雄視しているとして出版停止。
作者は曲亭馬琴。

牡丹の痣を持つ人間”伏”と幼少馬琴の出会い。
盲目となってからも、出版停止となっても物語を紡ぐ馬琴の静かな執念。

その祖父から贋作と罵られながらも馬琴の物語を越えようと
浜路や信乃達、実際の人物を操りながら新たな筋書きを作っていた冥土。

信乃を止めたいのなら聞けと冥土は浜路に語り始める。
”贋作・里見八犬伝”

むかしむかしのまたむかし…

【伏~少女とケモノの烈花譚~】2巻

2013年03月28日 02時50分29秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】


【伏 少女とケモノの烈花譚2】
原作:桜庭一樹 著
『伏 贋作・里見八犬伝』(文藝春秋刊)
作画:hakus
脚色構成:続真琴

25日発売でした。

【伏】である凍鶴太夫達との戦闘から浜路が知ること見ること気づくこと。
【伏】との共存を望む浜路の思いは正しいことか否か。

こっちの世界の浜路は強くてけなげで可愛い。
凍鶴とはちょっと百合っぽい雰囲気もあるけど、それもまたいい。

【伏】を観終わっての即興書き<2>

2012年10月30日 21時33分44秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
劇場版感想続き。

半分が過ぎたらあとは一気。
画面暗転が多かったように感じたけど。

劇中劇としての歌舞伎演目は「贋作・里見八犬伝」。
歌舞伎俳優として信乃が演じる伏姫が綺麗。
おそらくはこの映画の中で一番の美人さんじゃなかろうか。

【伏】原作では、演目は「怪盗玉梓」という「八犬伝」の“因”
ともなる伏姫が生まれる前の序章の物語。作者は冥土。
信乃は里見義実に「犬となさん!」と呪いを吐き村雨丸で討たれる役。

この劇中劇中とはいえ、信乃が伏姫となり義実と対峙し呪いを受ける。

舞台後、信乃が“伏”として、人を殺めるのを見てしまう浜路。
放心状態の浜路がたどり着いたのは冥土の屋敷。
凍鶴太夫からの預かりとなっていた手紙を冥土に読んでもらい浜路の心は決まる。

大事の前の城内での祭り。
最後の伏を捕らえる為の罠。

もしもそうだとしてもなんで最後まで演じていかないんだよ!
芝居仲間から慕われていたらしい信乃。

馬加、最後でイイ人になっても付け足しっぽい。
小悪人なら小悪人らしく最後の最後までもがいて欲しい。

村雨丸は【伏】原作イラストの象徴・髑髏犬の骨格のような刀。

城の最上階に向かう乃の通った後は殺戮の嵐。
浜路は信乃に貰った着物を着、鉄砲を抱えて城へ。



信乃、好きよ

これも“浜路くどき”の一種かな。
このシーン好きかも。クライマックスパターン的かもしれないけど
いろいろな【八犬伝】の浜路も突き詰めていけばこの一言だけが
言いたかっただけだと思うのに。

言わなかったから、【八犬伝】本編を始めとするいろんな世界の
浜路は不幸街道まっしぐら。信乃は人の話しを聞かないタイプっぽいから
叫ぶ方が今の時代は正しいのかも。信乃好きよ大好きよ、て。

道節と船虫がくっついて、これも【伏】原作の流れ少し湾曲。
信乃が去り、着物姿で髪をおろした浜路がちゃんと少女に見える。

ラストはあえて書かないけど因の流れのまま。囚。

ワンシーンだけだけど、道節と大角の豪快男コンビも良かった。
浜路もだけど、この映画は【八犬伝】原作でウジウジ根暗人間キャラ
救済物語な感じもするかも。

まだ観ていない方もいると思うので、半分以上は割愛。
あと、劇団ひとりが声優として出ていたけど。
文春エッセイにでもその内【伏】のこと書くのかな。





【伏】を観終わっての即興書き

2012年10月28日 19時24分03秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
【伏 ~鉄砲娘の捕物帳~】を観終わって、ドトールに飛び込んで書いてます。
いろいろ感じたことをとりあえず思うがままに書きなぐりで。


開始から1/3は辛抱して観るべし。
面白くなって目が離せなくなるのは1/3を過ぎてから。

プロローグ的出だしのお話が結構端折られて、内容も変わっていて
“八匹の伏が江戸にやってきた”
だけど、既に六匹は殺されて晒し首。残りはあと二匹。
毛野、荘助、現八、小文吾、親兵衛、雛衣、が首晒し。

やっぱり浜路の鉄砲がヘン。
それ振り回す信乃が巨大カタツムリ抱えてるみたい。

道節がおじさん。憎めないけど頼るにはイマイチ不安なタイプのおじさん。
【魔神英雄伝ワタル】のシバラク先生タイプ?
自信あるんだかないんだか、大丈夫かなこのお人好し。

廓の描写がちょっと......
幻想的にするならもうちょっとオブラートに包めないものか。
包めないならもう少し品のいい見せ方はできなかったのか。
股おっぴろげて転ぶばかりがエロではないよ。

古風なエロで派手やかな襦袢、もしくは素っ裸で逃げてた方が。
団鬼六先生曰く...じゃないけど、中途半端に隠すとエロでなくて
猥褻になってしまう。
チラリズムも一般向けだと難しいけど、別に無理して
脱がせなくてもいいのに。“伏”の片鱗を魅せる為に太夫の服を
脱ぎ捨てて、ならここは力を入れて描写して欲しかった。
この凍鶴太夫との場面は、浜路の最初の見せ場シーンなのに。

凍鶴太夫、自分内イメージの網乾の女装かと思った。
私だけだそんなこと思うのは。ここでもしあらすじが変わっていて
網乾左母二郎の女体化が凍鶴なら、原作【八犬伝】の犬士遭遇その③の
道節登場編。左母VS浜路、その後左母VS道節、のバッドエンドが
浜路ルート突破で、浜路がこの時生き延びていたらバージョン?

凍鶴太夫の前髪ひさしが凄い。
【エルガイム】のキャオとか、【FFS】のシャーリーとか思い出した。
なんか巨大ロボに乗って高笑いしていそうな悪役っぽい。

“桜”と“かざぐるま”って、【八犬伝】をアニメ化する時のイメージなのかな。
【The 八犬伝】は信乃のポスターや衣装、毛野の衣装が“かざぐるま”
イメージになってるっぽいのでそっちの印象強いのだけど。

凍鶴太夫をもう少し美女風にして欲しかった。
信乃が歌舞伎俳優の黒白として女装した“伏姫”が綺麗だったからなおさら。

浜路に撃たれた凍鶴太夫、彼女が道節に討たれた後の浜路の鼻血
=初潮イメージなのかな。最後にお歯黒塗って太夫から普通の女になり
死んだ凍鶴と、段階を同時に踏ませる感じ。
浜路は少女から女への最初の一歩。

あいこ。
信乃に着物一式と簪を買ってもらう浜路。
“伏”じゃない信乃の姿の時は、浜路にも“猟師”じゃない姿のものを。
そういう願望かな。簪は特に大きなキーワードにはならず。

冥土は馬琴先生の孫でした。
真面目な同人少女の感情? ヘンな書き方だけど。
文章を書きたいのだけど、何をどう表現していけばいいのか判らない。
おじいちゃんは世間では有名な読本の作者。
盲目になっても、【八犬伝】を書き続ける人。
自分の母親に口述筆記させてまでのその執念が、冥土にとっては
疎ましく嫌悪をいだいているけれど、羨ましくもある。
越えられない葛藤がもやもや。

結果。
“冥土新聞”として、“伏”の記事を書き、日銭稼ぎのように三面記事
ならぬ三文記事として発行。
この世界では【八犬伝】がいろいろ“入れこ”状態になっているけれど
冥土もそれに関わりがあり、疎ましいけどどこかに関わっていないと
不安。そんな自分に自信が持てなくてどうしよう状態。

そんな時に同じように自信のぐらついた浜路と出会う。


スマホ入力でくたびれました。残りはチラシ裏の殴り書きにして明日。

パンフも買いましたが、読んだらどんどん昇華されていきそうので未読。
感想書き終えたら読むつもりです。

さて、帰らねば。

【伏 知られざる物語】

2012年10月19日 00時31分11秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】

(別冊文藝春秋2012年11月号より)

今回の外伝は「知られざる物語」。
浜路達よりも過去の里見の伏姫様のお話ですが、伏本編と少し展開が
異なっているので、パラレルワールドな感じ。

伏本編の伏姫と八房は、鈍色が突然拾ってきた八房を姫が取り上げる
という展開だったのに対して、こちらはちゃんと狸に育てられた子犬を
姫が拾い、“花びらが八つある牡丹のよう”だというので“八房”と名付けられる。
義実も伏姫に育ててみよ、と命じる。

伏本編では、白い子犬を鈍色が拾い“白色”と名付け、義実は鈍色に「育ててみよ」
と命じている。姫が取り上げた後、腰の辺りに牡丹のような模様を見つけ
“八房”と名付ける。
姫パターンと鈍色パターンで場面は同じでも意味合いが異なっている感じ。

伏姫や八房のキャラや展開が【八犬伝】本編寄りです。
森や城など背景は大いに異なっているけれど、姫や八房、大輔は
基本パターンで行動しているようです。

八房の心情モノローグが面白かったかも。
キリスト教は悩める青年、仏教は円熟した老人...だったかな、
どこかでそんな文章を読んだけど、ここでの八房は老いた長老犬で
特に姫の為にというわけではなくて、世話になった里見家の為に
敵の首を取ってきたら、よく判らないままに伏姫と城を出ることに
なっていてさてどうしたものかと困惑しているところに、
妙なおかしさがあったりして。




【伏】が明日から公開です。
見に行こうと思ったら、上映している場所が近隣に無く越境してくる予定です。

【伏~少女とケモノの烈花譚~】

2012年09月26日 18時48分44秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】

【伏 少女とケモノの烈花譚】
原作:桜庭一樹 著
『伏 贋作・里見八犬伝』(文藝春秋刊)
作画:hakus
脚色構成:続真琴

本日発売日。
ちょっと萌え系入るかもだけど、私はこっちの浜路の方がいいなぁ。
絵的にもキャラ的にも。

内容は劇場版【伏】の流れにちょっと近いかも。

現代版 【伏】

2012年09月24日 19時50分03秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】

(オール讀物2012.10月号 【伏】より)

今月のオ-ル讀物にて、【伏】の外伝小説とアニメ映画に
ついての桜庭一樹氏のインタビュー記事が掲載。

この現代版【伏】とも言える【伏 ~もうひとつのプロローグ】は
本編 の【伏 ~贋作里見八犬伝】の冒頭に来るはずで、でも
使われなくて単行本未収録となっていた作品とのこと。

まだざっと読んだだけだけど、グロ系挿し絵と合ってて◎。
生肉系グロなイメージがやっぱり【伏】には似合うような気がする。


外伝は「もうひとつのプロローグ」とありながら、現代が舞台で
時間軸は浜路達の時代よりも未来のお話。
出てくる“伏”達は過去から生き延びた彼らなのか末裔なのかは
不明ですが、ここに登場する“一文字鈍色”は過去から転生した
鈍色っぽいです。


...特集が“エロティシズム2012 官能×文学”で少し買いづらいかも......。

Me I Do

2012年09月20日 12時39分49秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】


劇場版【伏】のキャラ眺めていたら、全くの独断と偏見だけど
劇場版【銀河鉄道999】っぽいキャラバランスに見えてきたり。
カラオケでアルフィー版の【999】を唄うと出てくる画像の方の。

冥土の雰囲気がトチローぽいな、そうしたら浜路は鉄郎かな、と。
“鉄砲”は松本零時世界での“戦士の銃”みたいな意味合いかな。
だとしたら、信乃は主人公を成長させるメーテルみたいな立位置で、
現八はハーロック、船虫はエメラルダス辺り。

トチローと鉄郎はシルエットだとそっくりだけど、トチローは
孤高の大人達ハーロック側。冥土もアニメでは浜路と同世代になってるけど
伏原作の通り、“贋作里見八犬伝”を“書いている”戯作家の冥土なら大人側。

冥土の中身設定はまだ解らないけど、子供の外見のままの子供なら
“贋作里見八犬伝”を書く理由によほどのことがないと。

伏 ~鉄砲娘の捕物帳~

2012年09月19日 21時35分15秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
 

アニメ化情報が続々と。
来月から劇場版として公開開始なので、ひっそりと
喜んでいたりします。

…"八犬伝"の文字が無くなって、伏姫様や鈍色のキャラ設定が
まだ発表されてない部分に一抹の不安があったりしますが。

今、書店に行くと文春文庫フェアで、【伏】のアニメキャラの
帯がかかっているんですね。信乃と浜路と冥土。

………本音書くと、絵柄がちょっと苦手系。
昔、日曜日に放映していた世界名作劇場みたいな感じで
浜路が「七つの海のティコ」の数年後ティコに見えた。
頬っぺたに色がついてるのと、猟銃のデザインや着物じゃない
変な服もなんだかな。信乃はギリギリ許せる範囲内。

冥土は”気味の悪いコンプレックスの固まりの青年”から
”オタク系文学少女”っぽい感じになっててますが、これはこれで
いいかも。そうでないと"元気さ"をはき違えたような、イラついて
しまいそうなアニメの浜路のストッパーがいないし。

………いろんな【八犬伝】で、幸薄いイメージの多い浜路が、【伏】では
中身の詰まったカッコいい能動的少女になっているのが気にいっていたので
やっぱりアニメの絵柄キャラ設定はなんだかなぁ。


【伏】書評2件

2010年12月20日 22時22分39秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
地元新聞日曜版の書評欄と、今週の文春の文春図書館にて。

「伏」「入れ子の世界」「浜路達の伏狩り」「滝沢馬琴の息子・冥土」
の比重が大きく書かれていて、連載版では最初の方にあった里見一族の話
「吊り城と藍色」「銀の森」「伏と鈍色と大輔」「鈍色の人形」
このあたりのキーワードにあまりふれていてくれないのが哀しい。

冥土のキャラよりも、結局一度も本体の出てこなかった伏姫の叔母の
藍色様や鈍色の奥方の簪様の存在感の方が謎めいていて好きなのだけれど。
もちろん、性格の悪い伏姫様も、遊女に憧れていた鈍色も。

髑髏犬がこんにちは 【伏 ~贋作里見八犬伝~】のサイン本

2010年12月19日 21時59分56秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
桜庭一樹 『伏』文藝春秋特設サイト

特設サイトが全部開けない…見られないコンテンツが…。


東京のサイン会では行くの無理だな…と思っていたら
地元いきつけの書店に何故かサイン本が1冊。

売り物かどうか聞くとあっさりOK、即購入。
伏本2冊目ですが、中表紙には確かにサインと「こんにちは髑髏犬」
のスタンプとプチわんこシールが。




………桜庭サイン名物のシールがあるってことは本物かな。
…………なんで地方の書店にサイン本が無造作に。

どこぞの伏に「買い忘れんなよ、ほいよv」と手渡されたような感じ。
いや、凄く嬉しいんですけど。


宿命に翻弄される少年と少女のお話 ~【伏 ~贋作里見八犬伝~】~

2010年11月28日 00時11分35秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】

【伏 ~贋作里見八犬伝~】(桜庭一樹 著)


というわけで購入。
伏姫の物語から始まった文春連載時とは違って、
猟師の浜路の場面から第一章の始まり。

順序が入れ替えてあるので、これなら帯の文句にもある

「ちっちゃな猟師の女の子の命をかけた大捕物」

としてすらっと物語に入っていけるかと。




なんとなく【贋作八犬伝】の信乃の声って、浪川大輔さんっぽいかも。
もしくは滝沢冥土の声。両者共に浜路に依存してるから。