ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

テニプリで八犬伝<6>

2005年06月24日 21時28分54秒 | 八犬伝いろいろ
なんか最近、必殺技が凄くなってきて、竹宮恵子先生が
「アストロ球団化してる」と評してますテニプリ。
アストロ球団もついに実写化で期待大。
そのうち、こっちのことも書きたいなー、と。

で、テニプリ。

とりあえず、無理やりこじつけながらも8人の特徴づけしてってるワケですが。
私の思い込みも多少なりとも入っているかもしれないけど、
やっぱり「テニプリ」って「八犬伝」向き。
二人一組の名コンビ、辛らつな性格の美少年、気のいい性格、
最年少で最強、行動不明な頭脳派、気のいい力持ち、などなど。
TV版でときどきやってた番外編で「八犬伝」やれば良かったのに。

昔のジャンプのようなとんでもない方向転換とかで
(「いきなり別の敵(笑)が乱入」(@車田正美)して目的が多大に違ってしまうとか)

「実は八犬伝やってました」とか言われてテニプリがそっちの方向になっても
喜んで読むと思います、きっと。

とうとうBL雑誌に八犬伝が  ~「八犬伝~東方八犬異聞~」~

2005年06月23日 00時17分13秒 | 【八犬伝 ~東方八犬異聞~】
いち*ラキ8月号からの新連載。
「八犬伝~東方八犬異聞~」(あべ美幸)
表紙の二人が、信乃と荘助らしい。
(雰囲気がテニプリの菊丸と大石っぽい。)

「ジェノサイド」が未完で終わって、あ~って思ってたら
今度はBL系雑誌で八犬伝新連載って。

・・・「いち*ラキ」ってBL系雑誌?
読んだこと無いけど、たぶんそれっぽい感じ。
(つーか、もう年代が確実に違うので雑誌触ったことも無い。)

描くのはいいんだ、描くのは。書くのも。
とりあえず、どのキャラから始めてもいいので
必ず完結させて欲しいワケで。

今度は「破軍星戦記」の二の舞を踏まないように
雑誌を買わねば。ネット通販で、「八犬伝」カレンダーが
貰えるらしいので、限定「八犬伝」ガラスコップを通販して
カレンダーGETだ、GET。

月刊誌っていうのももろに地雷・・・未完になる確率大。
せめて年内には八犬士揃って欲しいなぁ。

滝沢=タッキー? ~新春SPドラマ『南総里見八犬伝』~

2005年06月22日 03時56分21秒 | 八犬伝いろいろ
2006年新春SPドラマ『南総里見八犬伝』

来年のTBS時代劇スペシャルはなんと「八犬伝」だそうな。
でも、2夜連続(2時間半)で終わるわけないじゃん!!

気になるキャスティング調べたら、義経@滝沢と、朧@仲間由紀江が出るらしい。
後の俳優さんはまだ判らないけど、なんとなくジャニーズJrとかが何人か
出るっぽい感じ?

タッキーというか、滝沢か。
滝沢馬琴センセの「八犬伝」の主役ってことは、「滝沢」繋がりになるワケなのか。
偶然なる微妙感というか。

なんとなく、彼は「八犬伝」ものの何かに出るっぽいかな、とは思っていたけど。
イメージ的には、「やや女性的容姿、ちょっと優柔不断、真っ直ぐすぎてだまされやすい」
キャラっぽいので「犬塚信乃」かな、やっぱり。
他には全然思い浮かばんし。

仲間幸恵は、八犬士の一人なら「犬坂毛野」かな。
美貌の女装犬士だけど、逆にして男装犬士。

角川映画版のリメイクっぽい、ってどっかの掲示板に書いてあったけど
それなら滝沢は、真田広之が演じた「犬江親兵衛」?
そんな冗談でしょ。
だって、野性味あふれる暴れん坊なんて彼に出来る?
滝沢は信乃だって。
ジャニーズは今はそんなに好きな方じゃないけど、彼が信乃なら
納得するよ。年齢的にも雰囲気的にも悔しいけどピッタリだから。

気になるのは他の犬士達だな。
八犬士だから、八人、それなりの主役級の俳優さんが演じないと。

2時間半のTVスペシャルなんて、はなっから期待してないので
八犬士のビジュアルだけでも期待。


イフワールド  ~ジェノサイド2~

2005年06月21日 02時29分49秒 | 八犬伝いろいろ


2巻出ました、買いました。
ちょっとは期待したけれど、やっぱり未完。
連載時は叶わなかった「八犬士全員集合」が、
追加ページで加えられただけでも良しとしよう。
(正確には七犬士だけど)

ウェーブヘアの道節に、涼やかなという表現がピッタリの
荘助。(でも、性格は信乃同様悪そう)
全員が揃うとそれなりにそれぞれのイメージが合っていて
結構面白い。性格は馬琴原作の「八犬伝」の思いっきり逆
だけど、それがイイというか。

小悪魔的な子供っぽい現八と、視野の広い温厚な大角。

馬琴原作ではほぼ逆の性格だから。ここで書いてるのは
「化け猫退治」で出会う辺りの現八と大角のこと。
小悪魔的ではないけど、どことなく子供っぽい大角と
温厚というより視野が広くて頼れる現八と。

いろいろと問題を抱えまくっていた大角を説得して
父親と奥さん(雛衣)の敵討ちを手伝って。
精神的にもボロボロだった大角をフォローして、
他の犬士達に出会わせる為に、共に旅をする。

原作で、現八が人気高いのも、信乃や大角や荘助を
それとなく庇ったり、諭したりする場面がとても男前だから
じゃないのかと。

私はそう思うのですよ。

SHINOBI ~甲賀忍法帖~

2005年06月20日 03時04分25秒 | 自己カルト的


「甲賀忍法帖・改」の表紙の弦之介。まんまオダジョーって感じ。
てか、映画版の原作がこっちの「改」の方かと思ってた。

でも、イイ時代になったなぁ、と。
私が中学生の時代、ほぼ18年くらい前だけど、山田風太郎小説読んでる人って
全然同世代に居なかったから結構寂しかったり。
よく解らない忍者ブームはあったけど、エログロ痛快ナンセンスな山風作品が
受け入れられるにはまだちょっと、「重たい感じ」だったというか。
角川作品では幾つか映画化とかなったけど(「魔界転生」「伊賀忍法帖」)
今みたいに漫画化されたり、あっちこっちからキレイなイラストで文庫化なんて
そんな雰囲気じゃなかったし。(「魔界転生」は昔、石川賢が漫画化したけど)

夜店で売ってる流行の漫画絵の袋に入ってるワタアメのような「ライトノベル」よりも、
大衆デパ地下でちょっと奮発して買う高級菓子のような「山田風太郎」の方が私は好き。

滝沢馬琴センセイの作風の直系が山田風太郎センセイ。
山風先生の系列になるような作品書く人ってまだいない感じ。

しいて挙げるなら、京極夏彦センセイ辺りとか。
弁当箱本というか、レンガ本というかあの辺りのシリーズが一番良かったな。
栗本薫とかもどっかで候補に挙がってたけど、それだけは勘弁。

寿隊参上!! ~寿八犬伝~

2005年06月09日 23時34分19秒 | 八犬伝いろいろ
うら若き少女達だけで結成された、京の都を守護せし寿隊。
由緒正しい良家の子女の彼女達は「ミカド」を守る為
日々訓練を重ねていた。だが、10代少女達の集団は
近衛隊とは名ばかりの「ミカドのハーレム」と、
他国からは揶揄される対象としかならず、その存在は
疑問視されていた。

長らく続く混乱の中、堕落した国に対する不安と不満。
ついに改革派によるクーデターが勃発する。
「ミカドは私達がお守りせねば!」
時代の渦に巻き込まれた8人の少女達の運命やいかに・・・!?



なんてね。ウソです、想像です。
(少し元ネタあるけど、知ってる人は黙)

「制服向上委員会」という、かつて「TPD」とかの女の子グループが
乱立した年代に、品行方正なイメージで売っていたグループがありまして。
「TPD」(東京パフォーマンスドール)に対する通称「SKI」(笑)。
が、毒が無いせいかやや地味で、特に大きく話題になる前に
いつの間にか消えてしまった感じなような。

その中の「寿隊」という、企画モノグループ(らしい)が
出したアルバムの中の1曲がこの「寿八犬伝」。
歌詞は「八犬伝」とは全然関係なし。
てか、八犬伝っぽいキーワードも何にも無し。
ていうか、聞いても聞いてもよく解らん。
しいて言うなら「ご飯はゆっくり食べさせろ」みたいな。

アルバムの8番目の曲なので、こじつけっぽく「八犬伝」
とタイトルにつけられただけの曲。

ちょっとがっかり。

海外戦隊 ~パワーレンジャー~

2005年06月08日 03時14分45秒 | 特撮
「八犬伝」も「仮面ライダー」も好きなのですが。
その両方の流れで「特撮戦隊シリーズ」もやっぱり大好きなワケで。

仮面ライダーは初期シリーズの区切りが7人、9人、10人目になって
シリーズは一区切り。その後は繋がっているようないないような。

海外戦隊シリーズの「パワーレンジャー」は初代レンジャー(ジュウレンジャー)
から「イン スペース」(メガレンジャー)までが通しのシリーズ。
最近のシリーズは日本と同じように1年ごとに物語をリセットして、
メインの5人も世界観も毎年変わっているけど。初期パワーレンジャーは
初期ライダーシリーズのように世界観と主人公が少しずつ変わりながらも
共通の場所で共通のキャラが出てきて物語は繋がったまま。

舞台はエンジェルグローブという都市の高校。
ゾーダンに「優秀で勇敢なティーンネイジャー」として選ばれた5人が
人知れず変身して地球の平和を守るというもの。
メインメンバーも1年区切りでの交代ではなくてランダムな交代制。
留学したり転校したり怪我したりで高校生らしい事情での交代。
赤と青以外が次のメンバーと交代、緑が次の赤に、赤が戻ってきて今度は黒に、
青が怪我で入院しているあいだは別の人に、秘密を知ってしまった為に
レンジャーになった小学生以外のメンバーが高校卒業で4人同時に交代とか。
そんな感じで結構バタバタ。

次のシリーズで前のシリーズのキャラが出てきて変身することもあり。だから
初期の仮面ライダーのシリーズは、こっちのパワーレンジャーの流れに
近いものがあるのかも。

パワーレンジャーも初期のシリーズが一段落ついてからは、毎年リセットの
戦隊シリーズになったので世界観も人物達もバラバラだったけど。
去年の「ダイノサンダー」(アバレン)では、初期シリーズの第一作から
出ていたトミー(初期グリーンで、ホワイトで、2代目レッドでリーダー)
が、なんと教師になっていて今度はブラックに変身。
「アバレン」でのアスカの「別世界の竜人族」な秘密が、トミーは
「過去にパワーレンジャーだった」のが秘密らしい。
そしてトミーは、素質のある3人の生徒と共に変身して戦う。

いきなり初期のシリーズに物語がループしてしまって喜んでいいやら
困ってしまうやら。スゴイ。

どのくらい私的にスゴイかというと、「アギト劇場版」の警視総監@藤岡弘が
「実は私も昔、仮面ライダーだった」とか言って変身してしまうような感じ。

嬉しいけど困るでしょ。

血盟者(シスター)探しの物語 ~競艶八犬伝~

2005年06月07日 03時22分00秒 | 八犬伝いろいろ
 

~同士としての証は「天地人木火土金水」の八片の鏡。
謎の男・墨染の少将の助けを借りて石見守の遺児・月姫と
八人の美女は幕府の権門本多家転覆を企む。石見守の残した
莫大な金、将軍交替の陰謀が絡む。


(「月姫八賢伝」徳間文庫 背面あらすじより)

私の持ってる本は内容が同じなのに全部タイトルが違っとります。
「競艶八犬伝」「競艶八剣伝」「月姫八賢伝」(作者は皆同じ。島田一男)
でも、イメージ的には「月姫八賢伝」が一番ぴったりかも。

さて、物語の冒頭。
石見家所縁の女性達は密かに集い誓いをたてるが、本多家の襲撃に遭い
散りぢりになってしまう。互いの名前も正体も知らない彼女達の
血盟を示す唯一の品物。それは八つに分かれた鏡の欠片。
過去に血盟を誓った人物達の想いをそれぞれ受け継いだ宿命の女性達。

「八犬伝」というタイトルもついてるけど、特に犬には関係ないです。
ゝ大法師というか、伏姫的な役割が墨染の少将かな。様々な経緯をえて
誓いを受け継ぎ鏡を持つに至った八人の美女達が八犬士にあたるワケだけど
それぞれに勇敢で強くて剣技に優れて、読んでてとでも痛快無比。
八人は主君である石見守の仇を討つ為に幕府相手に暗躍するというのが
おおまかなあらすじ。

角川映画版「里見八犬伝」の誰も死なないバージョンというか。
時代劇っぽい艶っぽさはあるけど、エログロは無し。
鏡の欠片しか手がかりは無い上に、その鏡自体が隠された血盟の証なので
お互いの素性を知らないままに、戦ってしまったり、妨害をしたり。
8人の中で最初に出てくる「地の鏡」を持つ真弓がリーダー的な存在となって
他の女性達を探しまとめるような感じ。墨染めの少将は、敵でもないけど
味方でもなく、真弓達を助けたり助けられたりしながら、やがて目的は
ひとつに重なっていき、そこでようやく少将の正体も明かされる。

八賢女の敵は幕府の本多家。小敵は少将を狙う六角十字兵衛。
実は十字兵衛のキャラって好きかも。
少将に関わってしまったばかりに、少将を恨み付け狙い
それでも勝てずに、片腕片目片足を失ってしまう。

天の鏡 月姫  
地の鏡 真弓 
人の鏡 三輪 
木の鏡 木野
火の鏡 津矢
土の鏡 一枝
金の鏡 千里
水の鏡 深雪

8人を15人にすると山風先生の「外道忍法帖」の冒頭とあらすじに
似ているというか。どちらも冒頭でとある秘密の誓いを受け継いだ
女性達が集まったところに、敵が紛れ込んでいて離散する。
「外道」では文字の刻まれた鈴、「競艶」では鏡。
それを元に彼女達は仲間を探し、隠された財宝を探す。
そして敵のごとく味方のごとく彼女達の前に現れる謎の人物。
「外道」の伽羅、「競艶」の墨染の少将。
彼女達は「マリア天姫」を探し、「月姫」を探す。

ネタばれ的には、前者は皆死んでしまうけど、この「月姫」は
一応全員生き残る。

後味も悪くないし、亜流の「八犬伝」としてはお薦めの一冊です

テニプリで八犬伝<5>

2005年06月06日 02時46分47秒 | 八犬伝いろいろ
通称「テニスのハート様」が出てきてから読んでないんですけど。
話はともかく、やっぱりキャラは好きなので続き。

→主要キャラを八犬士に例えてみよう。

性格良くて男っぷりが良くて誰からも慕われる@犬飼現八 → 桃城 武
普段は温厚だが、一度キレると怪力@犬田小文吾 → 河村 隆

物語上では信乃と荘助の次に登場する犬士が現八と小文吾。
八人の中では1番目と2番目に人畜無害な方々であろう
性格良しの犬士達。

毛野は不二以外当てはまらんだろうと思った後、すんなり
当てはまったのがこの二人。

八犬伝風な流れなら、信乃@菊丸と現八@桃城が戦ってしまった後、
小文吾@タカさんに助けられ、濡れ衣で捕まった荘助@大石を
二人の助けを借りて助けに行く、と。

で、この濡れ衣事件の少し前というか、発端となった出来事では
荘助@大石は、偶然から5人目の犬士に出会ってる。それが道節@手塚。
悪いヤツじゃないんだけど、人の話を聞かない。打ち解けるまでに
かなり時間がかかるわけで。で、その道節@手塚に初対面で打ち解ける
というか如何せずにおちょくるのが毛野@不二。

で、この毛野@不二に逆プロポーズされてしまうのが小文吾@タカさん。
とある場所での宴にて、絶世の美少女・旦毛野として出会った毛野@不二は
「お嫁さんにしてくれなきゃいやだ」とばかりにマジに迫る。

江戸時代に書かれてる小説だけど、上記↑の「八犬伝」のあらすじは
本当にこう。毛野は「物語中一番の絶世の美少女」ということになっていて。
・・・「八犬伝は物語がゆがんでる」とどっかの本に書いてあったけど、
ホントにそう。今でこそそんな表現は珍しくないけど(苦笑)


ロクデナシブルース   ~忍法八犬伝~

2005年06月06日 02時17分59秒 | 八犬伝いろいろ
  

私内での山田風太郎作品順位は

1)外道忍法帖
2)忍法八犬伝
3)甲賀忍法帖

こういう、人数多くて総当たり戦な忍法合戦が好き。
15vs15vs15、8vs8、10vs10。
そして男性集団vs女性集団というシチュエーションにも燃える人間なので、
両方の条件を満たして、「八犬伝」とくれば私の「八犬伝本棚」の中でも
最上位にあるわけで。

「あの八犬士活躍の時代から150年。若き城主里見忠義が快楽を
貪った代償に、家宝の”忠孝悌仁義礼智信”八顆の珠が
”淫戯乱盗狂惑悦弄”にすり替わった。これぞ取潰しを狙う
服部半蔵の策謀。存亡の危機に、八犬士の末孫がついに立った!」

(講談社 山田風太郎傑作忍法帖 「忍法八犬伝」より)

最初に読んで思ったことは、「また服部半蔵と竹千代かい!!」
だって、「甲賀忍法帖」も発端はそれだ。竹千代がいて、
半蔵がいらんことを言うから、伊賀甲賀での忍法合戦になったワケで。

平和が続くと城主はボケる。村雨の方という奥方がいながら、若き
里見忠義は老八犬士達の忠言にも耳を貸さず、怪しい女芸人一座と
こともあろうか家宝の珠を使い淫戯にふけり八珠を盗まれる。
そこに、伏姫の珠を渡す約束は忘れてないだろうな、との
御公儀からの書が届き、忠義は取潰しの危機と慌てふためき・・・。

そこで老八犬士は腹かっさばいて、それぞれの息子達に
次の八犬士としての使命を与え絶命する。

その不肖の息子達は甲賀卍谷へ修行に出されていたけれど、
やってられるかとばかりに1年足らずで、忍びの修行もそこそこに
卍谷を脱走。それぞれが勝手気ままに暮らしていたところに
それぞれの犬・八房が文を持ってやってくる。

奪われた家宝である「忠孝悌仁義礼智信」八つの珠を取り戻せ。
摺りかえられた珠の文字は「淫戯乱盗狂惑悦弄」。
が、この文字こそが我にふさわしいと、息子達は知らぬ存ぜぬを
決め込もうとした。愛しい奥方様である村雨の方がやってくるまでは。

家訓も御家もなんのその。新たな八犬士となった八人が動いたのは
彼らの初恋の相手・愛しい村雨の御方様の役に立ちたいただそれだけ。

八人は秘術を駆使し、八人のくノ一と凄絶な戦いを繰り広げる。


共に「凄みのある美貌」と称されるのが
氷の精のような妖気のある美貌の美少年盗賊@毛野
いたずら者でかぶき者の大男@親兵衛。

あどけなく豪傑然としたひげの大男@小文吾
ジゴロフェロモン出まくりの女好き@現八
真面目で荘重な威厳のある四角い顔@大角
芸術家的で神経質で発狂的な彫りの優男風@壮助
(荘助ではなく壮助と表示)
遊女よりもなまめかしい美少女風@信乃

全員醜男じゃなく、むしろイケメン的な8人なワケで。
それなりに自己主張があって奔放で。
顔も良くて血筋も良くて。
自分の思うとおりに生きたくて、割に合わない使命なんて
誰が聞くものかと思っていたのに。

そんな八人が揃いもそろって本気で恋した相手が
主君の奥方様。叶わぬ初恋。初めての純情な感情。

様々な忍法が出てくるけれど、一番判りやすくて残酷なのが
「忍法肉彫り」。大角が信乃の顔を村雨様ソックリに変える為に
施した術。心霊外科手術みたいなもんかな。
忍術というより医術じゃないかと思うんだけど。

ちなみに親兵衛が使う「忍法地屏風」を伝授したのは
卍谷のお蛍。「甲賀~」の蛍火となにかしらの関係があるのかと
思えば、「交合の恍惚の息が青酸ガスになる体質」で陽炎の
系列の忍法で、その術でも親兵衛が死ななかったので
「地屏風」を教えたらしい。

つーか、竹千代ってことは、「甲賀~」の後ってことなので
陽炎の親類か?


とにかく、「忍法八犬伝」。
「忍法帖シリーズ」の中では派手な方。
「甲賀忍法帖」が「バジリスク」みたいな漫画になったように
「忍法八犬伝」も同作者で漫画化になって欲しいなと。
「ドリアード」とか「キプロクス」とかそんな感じのカタカナタイトルで。

(タイトルセンス無し)

真夜中の弥次さん喜多さん ~八犬伝とのカップリング~

2005年06月05日 02時07分19秒 | 八犬伝いろいろ
うちにあった「世界文学全集」も、小・中の図書館にあった
日本文学なんたらでも、「八犬伝」と一緒に収録されてるのは必ずと
いっていいほど「東海道中膝栗毛」。

おかげで「弥次さん喜多さん」に関する知識まで一緒に調べてしまったのも
懐かしい思い出なワケで。現代語訳で大幅にカットされまくりな場面は
男同士のアレなシーンらしいとか、そもそもの物語が時代劇ボーイズラブ
というか「大店の若旦那と女形役者のかけおち」なお話らしいとか。

信憑性は半々だけどいろんなイミで「八犬伝」も同様に歪んでますよな。
こっちの歪みの筆頭は「物語一の絶世の美女」が女装犬士の毛野だってこと。

そんなワケで「真夜中の弥次さん喜多さん」観てきました。

上記の文章とはほとんど関係なく個人的にクドカン好きなので。
「木更津キャッツアイ」では、薬師丸博子の飛びすぎた演技に
ちょっと自分的にはイターな感じ。悪くはないけど角川版「里見八犬伝」
で可憐な静姫を演じていたとは思えない。面白かったんですけど。
思えばあの「ぐへへおばさん」@中村玉緒も過去に「八犬伝」で
伏姫演じていたし。それを思えばなんのそのであったり。

両者共に、静姫・伏姫時代は可愛かったのに・・・。

で、「弥次さん喜多さん」。
ひたすら弥次さんが「喜多さーん!!!」又は「てやんでぃっっ!!」。
って叫ぶ話。いいっすねぇ。一途で純情馬鹿。奥さんいるのに男好きになって
喜多さんと手に手をとって御伊勢さんへ駆け落ちのごとくに逃避行。
もとい参拝旅行へ出発。

「御伊勢さんに行けば何かが変わる」
芸術家の卵がパリを目指すように、音楽家がウィーンを目指すように。
ラグビー選手が花園を目指すように、高校球児が甲子園を目指すように。
サッカー選手が国立競技場で
「うつむくなよ、振り向くなよ~♪」を歌いたいと願うように(それは違う)。
弥次さんと喜多さんは御伊勢さんへ向かいます。

ヤク中の幻覚に溺れて喜多さんはしょっちゅう現実逃避。
リアル=リヤルを求めて夢と現実ごちゃ混ぜの混沌世界を一緒に進んで、
途中で分かれて、また一緒になって突き進む。

「可愛い」そして「可哀想」な喜多さんの為に一生懸命な弥次さんがいと哀れ。
でも本人が幸せならいいのかも。けど、散々喜多さんに振り回されたあげく
殺されてしまっても、もう一度「喜多さんに会いてぇ」とばかりに弥次さんは
死と生の間の世界で生き返る為に奮闘する姿にはただ一言「けなげ」。

弥次さんが三途の川付近ドタバタしているころ、喜多さんも
現実でも夢でもないユメウツツの世界でひたすら待ち続ける。

この辺りで、弥次さんの現実面も初めてさらされる。
現実逃避のはけ口を喜多さんに向けていただけなんじゃないの弥次さん?
なんて思ってしまう展開。でも、どんな状況にあっても
「喜多さんに会いたい、旅を続けたい」と思う弥次さんの一念は
孵化寸前の鶏の卵のごとく。
ヒナが内側から、外から親鳥が同時に殻をつついて穴を作るように、
二人は現実非現実の境目で見事再会を果たして又御伊勢さんへの旅へ。
原作のグロテスクさは少し割愛。そして弥次さん喜多さんも若々しい青年。
若さゆえの暴走では収まりきらないノンストップ青春ムービーらしい清々しさ。

だけど。

「そして、二人は御伊勢さんにたどり着いて幸せになりました」
そんなオチはこの時点では出てこない。
そもそも二人の幸せはお互いにお互いを思って二人ぼっちでいることだから。
開放的でいて排他的で。

「御伊勢さんへ行くまでが幸せでした」

と見て思うのが正しいような気がする。
事実彼らの為に人は死んでるんだもの。ギャグでも死ぬ人は死ぬ世界なワケで。

「木更津キャッツアイ」でも主人公のぶっさんの死は結局そのまま存在してて。
物語の最後で生き返ってハッピーエンドになるかと思いきや、その後の
ナレーションでぶっさんは
「1年以上しぶとく生きのびて22歳でこの世を去りました」、と
まことしとやかに語られる。

そう、あくまでこれらは「主人公の為の物語」。
「木更津」ではぶっさんが生きてる間。
「弥次喜多」では二人が旅をしている間。

閉じられた世界の自己満足完結型の物語。
書き忘れてましたが、これは思いっきり「ホモ」のお話です。

純情道中ヤクチュウ弥次喜多チュー。