ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

結晶雪の静かな恐さ

2010年12月31日 22時35分56秒 | 自己カルト的
本年度最後の日は、朝から何年ぶりかともいうべき大雪。
しかも、結晶が肉眼で確認できるようなサラサラの粉雪が
止むことなく一日中降り続いて。

竹はしなったまま折れるし、山椒の木も南天の木も
静かに降り積もった雪でいつの間にかゆっくりと枝が
しなるように湾曲したまま根元からベキッと折れていました。

雪で静かに滅ぶ世界ってこんな感じかと思いました。
【花帰葬】の世界を思い出しました。


【八犬伝】と【角川】と【狼が来た】

2010年12月31日 00時05分44秒 | 八犬伝いろいろ
年明け2011年から再開予定とか噂に聞いていた【八犬伝 東方八犬異聞】が
角川書店に移動というか移籍というか、角川系列になるというか。
次の「CIEL」から連載決定だそうで。

別に続きが読めるのならばどこでも。未完よりはずっといい。
碧也ぴんくさんの【八犬伝】だって完結まで何度雑誌を移動したことか。

ただ、同人をやっていた友人に聞くと、未完のまま続きは永遠に出ない
【破軍星戦記】が過去に連載していたのが、【東方八犬異聞】の連載雑誌
いちラキの前身雑誌だったとか。そういえば【Ⅹ】は角川のASUKA連載だったな、と。

単行本どうしよう。既巻は角川から再販だろうけど。多分買うけど。
内容同じでも表紙描き下ろしなら嬉しいのだけど。





伏姫再生  【HAKKENDEN ~異聞八犬禄~】 最終話

2010年12月24日 00時42分01秒 | 八犬伝いろいろ

【HAKKENDEN ~異聞八犬禄~】(河村なつ 著)

現代FT風【八犬伝】第10話。ラスト。
対立していても八犬士達が望んでいたことはただひとつ。

『伏姫様の復活』

「まひるの死」という代償とともにそれは叶えられた…が。


年内最終回というか打ち切りのように続けての最終回。
描き下ろしとか加えられて単行本は出るんでしょうか。
【戦国里見八犬伝】も【キャバクラ★八犬伝】もWEB掲載後に
ちゃんと単行本として発売されたのだから、是非ともこの
作品も本として残って欲しいところ。


(上記画像【Gポテトオリジナルコミック「HAKKENDEN~異聞八犬禄~」】頁より)

守るべき人物  【HAKKENDEN ~異聞八犬禄~】 第9話

2010年12月23日 23時50分09秒 | 八犬伝いろいろ

【HAKKENDEN ~異聞八犬禄~】(河村なつ 著)

ようやく続きの【八犬伝】第9話。向こう側の世界の姫様登場。
里村達 VS 手塚達。

今回の表紙は…あ、手前と背後の表情が違う。
役割的には毛野っぽい。



(上記画像【Gポテトオリジナルコミック「HAKKENDEN~異聞八犬禄~」】頁より)

【トランスフォーマー】萌え論 

2010年12月21日 00時16分46秒 | 自己カルト的
【進撃の巨人】(諌山創)が面白いらしいので読んでみた。
巨人を倒さないと喰われるというのが不気味な絵柄と合っていて。
【うしおととら】っぽいともどこかで書かれていたけれど
勢いはそれに近いかもしれない。

感想としては、アメコミのマーブルコミック系っぽい内容だな、と。

【パワーレンジャー】シリーズが海外戦隊として放映されて
一時期は【ポケモン】以上の高視聴率で人気となったとき、
向こうのプロデューサーだったか監督さんだったかが

「巨大な敵を倒すのに、自分達も同じ大きさになるのが理解
できなかった。なぜ同じダメージを負うリスクをわざわざ選ぶのか」

とか何とか言ってたのを思い出した。
ヒーローが巨大ロボットに乗り込んで合体するのって日本の特撮
だけだったのかと。「巨大ロボットには乗り込む」「合体する」等々
幼少時からの擦りこみで日本人には普通だと思ってたので目から鱗。
巨大化して怪獣と戦うウルトラマンも、海外ではちょっと不人気っぽい。

大きな敵には正義の集団で立ち向かうのがアメリカ流か。
X-MENやファンタスティックフォーとか。
トランスフォーマーでさえ合体は無し。(だったと思う)

例外として日本オリジナルに「トレインボット」(電車型6体合体)、
グリムロック達の「ダイノボット」とかいるけれど。
トランスフォーマー達は基本自己トランスフォームで戦う設定の筈。

関係ないけど、トレインボット達は何気に名前が格好いい。
雪風(ユキカゼ)、月影(ゲツエイ)、鍾馗(ショウキ)
水圏(スイケン)、青山(セイザン)、火炎(カエン)

で、合体して「雷電」(ライデン)。

BWまでのTFシリーズに、玩具関係なく嵌っていたのは
「明らかに外見ロボットなのに人格があって人間っぽい」のが理由。
今で言う「擬人化萌え」の一歩手前だったのかも。

なので「地球人」は最小限の人数で、あくまでも脇役にしておいて欲しい。
TF達の戦いに生身の人間が絡むと妙な勢いのあの面白さが半減するので。

初期シリーズの親子三代でTF達に協力した
TF)スパークプラグ(父親)、スパイク(息子)
NOVIE~2010~HM)スパイク(父親)、ダニエル(息子)
このあたりが邪魔にもならず、うざくも無くちょうど良かった。


(LD-BOX内ジャケットより、スパイク&ダニエル)

でも、【青春鉄道】っぽく人間の容姿にされたら逆にTFシリーズは
萎えてしまうような気がする。 TFでも【マスターフォース】は
人間の力を借りてのトランスフォームだったので、TF擬人化
といえばそう見えるかもしれないけど。事実、当時のリアル放映時は
【TF】【2010】【ヘッドマスターズ】【マスターフォース】【V】【Z】
の中では、唯一女性人気が上回ったとか…。


【伏】書評2件

2010年12月20日 22時22分39秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
地元新聞日曜版の書評欄と、今週の文春の文春図書館にて。

「伏」「入れ子の世界」「浜路達の伏狩り」「滝沢馬琴の息子・冥土」
の比重が大きく書かれていて、連載版では最初の方にあった里見一族の話
「吊り城と藍色」「銀の森」「伏と鈍色と大輔」「鈍色の人形」
このあたりのキーワードにあまりふれていてくれないのが哀しい。

冥土のキャラよりも、結局一度も本体の出てこなかった伏姫の叔母の
藍色様や鈍色の奥方の簪様の存在感の方が謎めいていて好きなのだけれど。
もちろん、性格の悪い伏姫様も、遊女に憧れていた鈍色も。

【華氏451】

2010年12月20日 00時23分14秒 | 自己カルト的

(【華氏451】 /バーナード・ハーマン作品集)


『紙が自然発火する温度』=華氏451度。

レイ・ブラッドベリの小説の中では読みやすい方の部類だと思う。
未来の焚書坑儒というか、書物弾圧というか、思想操作というか。

読書が禁止された未来世界で、書物を燃やす”ファイアマン”だった
主人公モンターグは、謎の美女クラリスと出会い本の魅力を聞かされ
燃やす予定だった本をこっそり読みふけり書物に魅了されてしまう。
だが妻の密告により職務をやめざるをえなくなり、最後の仕事として
向かった場所はモンターグの屋敷だった。自らの手で書物を焼き捨てるよう
命じられたモンターグは上官を焼き殺してしまう。

逃亡の末に、知的な少女ハーマイオニーと出会い
「書物を読む人々」=賢者と出会ったモンターグは
それぞれに書を暗記することによって後世に思想や物語を残すという
意識に同調し、ポーの詩を暗誦し始める…。


と、映画版はこんな内容だったような。(一部原作の記憶が混ざってるかも)

音楽も世界観も好きな物語です。
知識などはTVなどの機械から知ればいい。
過去の遺産である書物は不要であるから見つけ次第燃やす。
そんな世界でのお話。

「iPodで雑誌も小説も読めるから、紙媒体は無くすべき。」

この意見を聞いたとき、「本気?」と思うと同時に【華氏451】の
世界が思い浮かんだ自分は大反対。
事務書類はデータ化というのはまだいいけど、「本」はどこでも
気兼ねなく、壊れることなく、気楽に読むものが大部分を
占めているからこそ「本」は「本」であって。


そして何故に唐突に【華氏451】か。

実は【忍たま】の漫画読んでまして(笑)
とある船の設計図を敵に取られないように、忍術学園の全生徒が設計図を
密書として文章に変えたものの一文字一文一章を、それぞれひとりずつ
分担された箇所を頭で覚えて、目的地で合わせて設計図を完成させる。

その話を読んだとき感心したと同時に、何故か上記の【華氏451】の
ラストシーンが浮かび上がってきたので。

六年生(仙蔵)が初登場の巻まで読みました。
伊作も勘ちゃんも出てくるのはまだまだ先です。

髑髏犬がこんにちは 【伏 ~贋作里見八犬伝~】のサイン本

2010年12月19日 21時59分56秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
桜庭一樹 『伏』文藝春秋特設サイト

特設サイトが全部開けない…見られないコンテンツが…。


東京のサイン会では行くの無理だな…と思っていたら
地元いきつけの書店に何故かサイン本が1冊。

売り物かどうか聞くとあっさりOK、即購入。
伏本2冊目ですが、中表紙には確かにサインと「こんにちは髑髏犬」
のスタンプとプチわんこシールが。




………桜庭サイン名物のシールがあるってことは本物かな。
…………なんで地方の書店にサイン本が無造作に。

どこぞの伏に「買い忘れんなよ、ほいよv」と手渡されたような感じ。
いや、凄く嬉しいんですけど。


先行抽選予約開始 【深説・八犬伝 ~村雨恋奇譚~】

2010年12月19日 07時02分54秒 | 八犬伝いろいろ
チケットぴあの先行抽選予約が開始です。

アクション時代劇【深説・八犬伝-村雨恋奇譚-】〔東京〕

テニミュ掲示板見てきたらなんだか倍率高そうなので
一般で観に行きたい方はまずここで申し込みされたら
良いのではないかと。
東宝サイトではまだ予約無理な千秋楽も選べるようです。

外れたら、年明けの各種チケット売り場から。

破壊と滅びの夢物語  ~【破壊王】~

2010年12月15日 01時39分29秒 | おすすめBL
【山尾悠子作品集成】に収められている未完の物語。

耽美主義とか猟奇的というか、とにかくそういう時期に
一度だけ読んで強烈な印象を受けた物語【破壊王】シリーズ。

著者は伝説の女流SF作家の呼び声も高かった山尾悠子氏。
かなりハイレベルなSFファンタジー(と括ってはいけないかも)
を書いていたにも関わらずある時を境に断筆。
この【破壊王】のシリーズも未完のままで。
(ようやく断筆を解かれたので、もしかしたら…)

この【破壊王】のシリーズは「千年帝国」という滅びの象徴に
運命を蹂躙される少年少女達、と、未だ幼き「千年帝国」の皇帝が
その生まれながらの強大な力を持って、大量殺戮と破壊で
大陸を血に染めていく滅びへの物語。

人物名は漢字。あえて似たような雰囲気というならば
【十二国記】シリーズの救いの無い展開バージョンというか
BLゲー【帝国千戦記】のバッドエンドバージョンというか。

血にまみれた少年達の絶望と、抗うことの出来ない「千年帝国」
という滅びへの恐怖。

とてもじゃないけれど感想とかレビューとか書けません。無理。
あえて書くなら、毒を持った精巧な飴細工といった感の。
爽快感とは真逆のモノを味わいたい人向けの物語。

僕たちは旅をする

2010年12月12日 01時52分29秒 | 自己カルト的
主人公達が流れ流れるように旅をする話。
昔の少女漫画だと【ポーの一族】とか、【はみだしっこ】シリーズ。
【最終戦争伝説】シリーズも誰かが必ず旅を始める、またはしてる。

【ポーの一族】はまだ絵柄が華やかで受け入れやすい上に
幻想的な「吸血鬼」モチーフの内容なので人気があった。
話によっては死人も出るけど、それはいわゆる「甘美な死」で。

【はみだしっこ】シリーズは、少女漫画でほぼ三頭身または二頭身
のどちらかといえばクドイ絵柄で、しかも子供の主人公達が旅を
している背景理由が「親からの虐待」とかそんなので。
もう、いつになったらハッピーエンドになるんだこの子達は、な
もどかしくて内容もくどくて読むのにとても時間がかかる漫画で。

【最終戦争伝説】シリーズは、仏教思想+SFの壮大な年代記。
主人公達は時間を越えたり、とても長い時間を生きて次の主人公達
と出合ったり。地球を滅ぼそうと人間の女性に寄生するデーバダッタ
(提婆達多)との戦いが主軸。

同時期に読んでた漫画で、少年漫画だと【スクラップブック】だとか
【ぶるうピーター】(小山田いく)とか。登場人物を「絵」として見て、
漫画を読み進めるか、「記号」と割り切って読み進めるか。
作者の思想思考が詰め込まれていると、二頭身三頭身キャラの漫画なのに
とにかく読んでて疲れる。でもその漫画ならではの眼で見る思考の中に
埋もれたくなるときがあって、疲れるのが判っているのに読んでしまう。

王道だけれど大島弓子の全集に収録されているような少女漫画は
単純で時折キャラの見分けがつかない絵柄の時代でもあるのに
哲学的すぎな上にどっか狂気。【綿の国星】とか【四月怪談】とか。



ありんす国異聞 【遊郭八犬伝】

2010年12月11日 00時10分33秒 | 八犬伝いろいろ
【ありんす国伝奇】(山田風太郎 著)

古い慣習の残る職場だと、どう考えても理不尽なことなのに
相手は男性だから「男性の顔を立てて」女性は我慢しろと…
…年末にかけてますますストレスが溜まるじゃないですか。

そんな中で山風先生の【忍法帖】シリーズや、平岩弓枝氏の
【御宿かわせみ】シリーズに癒しを求めるこのごろ。

【ありんす国伝奇】は、【忍法帖】シリーズではないけど
自分的には好きな短編集。遊郭の主人の別称は「亡八」でしたっけ。
Yahoo辞書で引くと【仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌の八徳を失った者】
または【それらを忘れさせるほどおもしろい所の意】。

逆説的に【遊郭八犬伝】なんてどんなものか。
「亡八」になった主人を助ける八人の娘遊女達。
八徳を失ったというのを逆手にとって、遊女の名前に
【仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌】をつける主人。
隠れ太夫として【伏】がいたりして。

元・岡っ引きの娘とか、関係者が事件持ってきて
そのたびにその事件の解決にふさわしそうな娘が活躍とか。

雰囲気的には【長七郎夢日記】とか【おんな牢秘抄】とか。
【新くノ一捕物帖 大江戸緋鳥808】(石ノ森章太郎)のイメージ
が一番自分内では強いけど。

姫君お竜にしても、緋鳥にしても戦いに強い女性はいい。

【忍法八犬伝】5冊目

2010年12月10日 00時21分22秒 | 八犬伝いろいろ

山田風太郎ベストコレクション【忍法八犬伝】

角川文庫のシリーズで【忍法八犬伝】がクリスマスの12月25日に発売予定。
田島昭宇氏の表紙なのでもちろん購入決定。

昔の角川文庫の山田風太郎【忍法帖】シリーズのイラストは佐伯俊男氏。
粘着性のあるようなエロさがたまらんかったのです。

【忍法八犬伝】がこの旧・角川【忍法帖】シリーズに入らなかったのが惜しい。

館山市のマスコットキャラクター「ダッペエ」

2010年12月09日 21時48分04秒 | 八犬伝いろいろ
館山市がマスコットキャラ発表 (房日新聞 2010年12月8日)


【里見八犬伝】を全面的に押し出すので「犬」というのも間違ってない。
妙に裏設定が凝っているのもいいんですが。

どこのカトゥーンアニメのキャラですか>>外見。

<ダッペエの特徴>
・南総里見八犬伝の「八房」の親戚の末裔の知り合いの親戚。
 >>つまりは八房とはほぼ赤の他人(犬)

・「ワン、ワン」ではなく「ぺエ、ぺエ」と吠える。
 >>【忍たま】のヘムヘムですか。ヘムヘム。

・しゃべる時は語尾に必ず「っぺ!」がつく。
・性格は「おおらかで適当」。
・房州育ちであばら骨が1本足りない。
 >>温暖な気候で「あばら骨が1本足りない房州人男子」だそうで。

つかそれは普通なら【聖書】でエデンの園。エバですか。ってことは雌ですか。

<外見>
・体が黄色で鼻の頭や耳、尾が緑色。横から見ると頭が「ぺ」の字。
・腹部がアルファベットでダッペの頭文字「D」の形。
・八犬伝の8つの玉の首輪。

市長さん曰くの「館山オリジナルのオンリーワンキャラクター」。
 >>オンリーワン・ワンキャラクターの「犬」


…キャラデザインが「低燃費少女ハイジ」の方だそう。
あのCMは個人的には大好きだけど、このダッペエは絶対なんか違うと思う。

対談 【伏をめぐる小説と絵の世界】

2010年12月09日 01時57分41秒 | 八犬伝いろいろ
【大江戸ブレードランナー】のアオリはココからですか。

対談 桜庭一樹『伏』文藝春秋特設サイト


そか、浜路は桜庭氏がモデルでしたか…。

イラストでの【伏】の文字。
『惑星つまり地の中に埋められた人と犬にして描いた』そうで。

ラストの『さようなら』は「see you again」の意味。
小説の方のラスト章のタイトルでも良かったのかも。
【妖星伝】(半村良 著)の六巻ラスト章「diminuendo」のように。