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甑ミュージアム恐竜化石等準備室〜鹿の子断層






鹿島断崖を見た後は、目的のひとつ「甑ミュージアム」だ。正式名称は「甑ミュージアム恐竜化石等準備室」。場所は鹿島支所内だ。準備室ではあるが、その内容の豊富さには驚かされた。1階の一角と2階に分けて化石などの標本がいっぱいだ。1階には恐竜の全身骨格の展示数点が目を引く。壁一面にもなる最も大きなものは、甑島から出た化石の一部を元に作られたものだ。とても大きい。2階にも、元村長室も占領して化石標本などが所狭しと展示されていた。準備室の方から丁寧な説明を受けたが、見るだけで精一杯。それほど多種多様なのだ。説明のあとは、やはり2階のクリーニング室へ。掘り出した岩石から化石を削り出す部屋だ。作業も見せていただいたが、できれば体験もしてみたかった。時間もなく、ちょっと残念。
近年、下甑島の姫浦層群からは恐竜の化石がいくつも見つかっている。肉食恐竜の歯や肋骨の一部のほか、角竜恐竜(草食恐竜)の仲間の歯根も見つかっている。角のある草食恐竜だ。その歯根は、角竜類のなかでもケラトプス類に分類できるのだそうだ。頭の後ろに、襟飾りのようなものを持つ恐竜だ。ケラトプス類は国内初、アジアでも数例なのだそうだ。ならば、実体的レプリカが欲しいところだが、今は準備室。甑島では、今後も新しい発見がどんどん続くようだ。なので、甑島ミュージアムは、いずれ、日本でも有数の恐竜ミュージアムになるはずだ。





ミュージアムの後は、日本地質構造百選の「鹿の子断層」へ。案内は、ミュージアムの方へお願いしていた。鹿の子断層は、中甑島の北部にある。案内の車に先導されて、鹿の子大橋近くの駐車スペースへ。そして、橋の下を歩いて西海岸へ向かえばすぐのはずだった。だが、とても強い風。そして波高し。歩けるはずだった海岸部は、荒波が打ち寄せていた。これではとても無理。ということで、現地観察断念となった。
現地観察はできなかったが、鹿の子断層は約8mの破砕帯を持つ巨大な正断層だ。北側に始新世の河川堆積物、南側が白亜紀後期の姫浦層群だ。層序の違いから約800mずれていると推定されている。観たかった。だが、自然には勝てない。機会があれば再挑戦だ・・・。
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