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◇2025年(R7年)4月の法改正を機会に、試験問題の傾向から、理解促進の新たな方向性を考えます。
◇出題項目ごとの重点条項を絞り込み、把握すべき具体条項の方向性把握を図ろうと思っています。
【No.6:防火区画等の規定】
◇「①」スプリンクラー等の緩和条件をかっこ書きで規定している部分を設問で聞いている。
・2024年(R6年)問題で言えば、耐火構造、準耐火構造の建築物の面積区画の設問です。
・原則、1,500㎡毎に防火区画をしなければならない建築物であるが、かっこ書きで緩和条項がある。
・自動式スプリンクラー設備を設置した場合には、「1/2」相当面積(1,500㎡)を除くという事になる。
・と言うことは、1,500㎡を超えるものが適用対象となるので、原則対象外となるのですが・・・。
・「手動式散水栓」は「自動式スプリンクラー設備」には含まれないので、設問のものは緩和されない。
・従って、3,000㎡の建築物なので、面積区画の規制対象となる。
・2022年(R⒋年)問題で言えば、共同住宅等の界壁を小屋裏に達せしめる規定(令114条1項、同2項)
・スプリンクラー設置による条件(規制)緩和を、かっこ書きで規定している。
・また、11階以上の部分に適用される、令112条7項の高層区画の設問でも緩和規定がある。
・ここはかっこ書きではなく、同8項で、下地・仕上げを不燃・準不燃仕様とすることで面積を緩和。
◇「②④」技術的基準が複数の条項にまたがる場合の規定を聞いてきている。
・2024年(R6年)問題で言えば、一つは、防火区画を貫通する配管の措置の技術的基準の設問です。
・令112条20項で規定し、令113条2項で準用しているので、技術的基準としては、同じ措置となる。
・もう一つは、防火区画に使用する防火設備は、遮炎性能・遮煙性能のいずれも要求している。
・遮炎性能は令109条の2に規定、遮煙性能は令112条19項二号ロに規定されている。
◇「③」技術的基準を政令に委ねている(設問では耐火構造を要求)
・2024年(R6年)問題や、この分野に限らず、政令の技術的事項を問う設問は、頻度が高い。
・この設問では、法26条の防火壁等の技術的基準を、令113条との照合で求めるものです。
・受験用の法令集では、特記欄に、参照する政令の記述があるので、開き慣れることが重要なのかも?
◇防火区画(令112条)では、面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画の四つが設問の主体です。
・2024年(R6年)は面積区画、2022年(R⒋年)は高層区画、及び異種用途区画の出題でした。
・いずれも重要な分野であることは共通です。
・2023年(R5年)問題で言えば、防火区画ではなく、耐火建築物等の要求事項の設問でした。
・特殊建築物の耐火要求(法27条)と、防火地域等の耐火要求(法61条)の混合する設問でした。
2024年12月17日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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