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2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.11:法改正部分の新規問題を想定する

2020-05-03 08:04:23 | ビジネス・教育学習
◇昨日までのブログで、単体規定の重点項目に関して、一応、整理することができたと思っています。
◇そこで、総括する意味を含めて、単体規定の法改正部分の想定問題を考えてみようと思います。
◇これまで専門学校の非常勤講師として、建築主受験講座での学生とのやり取りの中で培ってきた経験と勘で想定します。
◇通常であれば単体規定全般の想定問題を、というところですが、今年は防火関連の改正部分が多いです。
◇そこで防火関連の法改正部分にスポットを当てた問題とし、その他は「市場の流通情報に、お任せします。」というところです。

◇想定問題①:次の記述は、建築基準法上、正しいか、誤っているか。
 延べ面積500㎡、3階建、高さが16mの建築物(法27条に基づく特殊建築物ではない)は、自重、積載荷重を支える主要構造部を木造とすることができる。
 正しい。法21条1項各号、令109条の4:設問の建築物の規模は、法21条1項一号(4階以上)、同二号(高さが16mを超える)、同三号(倉庫、自動車車庫等の特殊建築物で13m超える)、
    のいずれにも該当しないので、政令(令109条の4)で定める自重、積載荷重を支える主要構造部を、通常火災終了時間にもとづく準耐火構造(令109条の5第一号)、
    又は耐火構造(令109条の5第二号)のいずれの技術的基準にも適合させる必要はなく、木造でよい。

◇想定問題②:次の記述は、建築基準法上、正しいか、誤っているか。
 延べ面積が2,000㎡(各階が1,000㎡)の2階建て木造建築物において、防火上有効な構造の防火床によって区画した場合には、防火壁による区画はしなくてもよい。
 正しい。法26条:法改正で、防火上有効な構造の1,000㎡毎の防火壁による区画に加えて、防火床による区画も認められ、設問のような建築物の場合、1,000㎡のフロアーが可能となった。

◇想定問題③:次の記述は、建築基準法上、正しいか、誤っているか。
 各階の床面積が65㎡の3階建の共同住宅(警報設備を有する)は、建築基準法第27 条の規定による耐火建築物等としなければならない。
 誤り。法27条1項一号、法別表第1(2)項(ろ)欄:共同住宅は、法別表第1(2)項(ろ)欄より、3階以上の階を共同住宅の用途とした場合、法27条の規定による耐火建築物等に該当するが、しか
    し同一号かっこ書きで、政令(令110条の5)で定める警報設備を設置した場合、階数が3で延べ面積が200㎡未満のもの(設問の共同住宅の延べ面積は65㎡×3=195㎡)は、
    政令(令110条の4)で定める、改正法における小規模なものに該当し、法27条の規定による耐火建築物等としなくてもよい。

◇想定問題④:次の記述は、建築基準法上、正しいか、誤っているか。
 延べ面積が190㎡の3階建の地域活動支援センター(就寝利用施設を有しない) は、建築基準法第27 条の規定による耐火建築物等としなければならない。
 誤り。令19条、令115条の3第一号、法27条1項一号、法別表第1(2)項(ろ)欄:地域活動支援センターは児童福祉施設等(令19条)に該当し、法別表第1(2)項に該当する建築物で、同(ろ)欄よ
    り、3階以上の階を地域活動支援センターの用途とした場合、法27条の規定による耐火建築物等に該当するが、しかし同一号かっこ書きで、階数が3で延べ面積が200㎡未満のもの
    (就寝利用施設を有しない)は、警報設備を有しなくとも、改正法における小規模なものに該当し、法27条の規定による耐火建築物等としなくてもよい。

◇想定問題⑤:次の記述は、建築基準法上、正しいか、誤っているか。
 法27条に規定する耐火建築物等ではない、延べ面積180㎡の3階建の病院(警報設備を有する)において、1階から3階に通ずる階段の部分とその他の部分とを間仕切壁で区画し、スプリン
 クラー設備を設置した場合、防火設備は10分間遮炎性能の防火設備とすることができる。
 正しい。法27条1項一号、令112条11項:改正法で、法27条の緩和対象(令110条の5で定める警報設備の設置を条件に耐火建築物等としない)の3階建200㎡未満の病院の簡易竪穴区画
     (準竪穴区画)について、原則、防火設備は法2条九号の二 ロに規定する、20分間遮炎性能のものでなければならないが、スプリンクラー設備を設置することにより規制が緩和さ
     れ、10分間遮炎性能の防火設備とすることができる。

◇想定問題⑥:次の記述は、建築基準法上、正しいか、誤っているか。
 延べ面積180㎡の木造3階建ての寄宿舎(警報設備を有する)において、共用の階段の部分とその他の部分とを、間仕切壁と戸(ふすま、障子等ではない)で区画することができる。
 正しい。法27条1項一号、令112条12項:法27条の緩和対象(令110条の5で定める警報設備の設置を条件に耐火建築物等としない)の3階建200㎡未満の寄宿舎の簡易竪穴区画(準竪穴区
    画)について、間仕切壁と戸(防火設備)で区画すればよい。

2020年5月3日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者

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