10日ほど前、体の調子が悪くほとんど動けなくなっていた。
食事も喉を通らず、半開きの口からはよだれが垂れている。
一日中寝たきりの状態がニ~三日続いた。
そんな僕を見ていた奥様の脳裏には過去の黒猫達のことが過ぎった。
白血病で死んでいった先輩達だ。
その時の症状に今の僕はそっくりのようだ。
ご主人様が僕の両耳を両手でつかむように触った。
「熱がある!」
すぐに僕は毛布に包まれ、主治医のO先生の病院へ連れて行かれた。
診察台の上へ載せられると、O先生は僕の尻尾をつかみ上げ、お尻に体温計を差し込んだ。
唸る元気もない。
僕はなされるままにしていた。
体温計の目盛りはじわじわと上がっていく。
「41.8度ですね。これはつらいわね」
女医のO先生は僕をさすりながら言った。
「先生、白血病でしょうか」
奥様は恐る恐る訊いた。
「白血病かどうかは検査をしなければわかりませんが、何かの感染症であることは確かですね。
すぐに治療しましょう」
O先生はそう言うと、すぐに点滴を始めた。
そして抗生剤とインターフェロンの投与。
この治療が三日続き、四日目にはインターキャットも投与された。
しかし、熱は一向に41.5度以下には下がらない。
五日目、O先生は、「検査しましょうか」と言ったが、奥様は首を横に振りそれを拒んだ。
もし白血病だったら・・・
それは死を宣告されたも同じだからだ。
ご主人様が僕を見ながら口を開いた。
「解熱剤を使ってくれませんか」
解熱剤は体力を消耗するので、O先生はためらっていたやつだ。
しかし、熱が一向に下がる気配がないので、この日は今までの薬剤と一緒に解熱剤も投与された。
翌朝、僕は目を覚ますと、体が軽くなっているのに気づいた。
少しづつだか食欲も出てきて、やわらかい物なら食べれるようになった。
起きてきたご主人様が、僕の両耳を触って熱が下がっているのを確認すると、ホッとした顔をして奥様を呼んだ。
奥様もしゃがみこんでニコニコしながら僕を撫でている。
しかし、撫でていた奥様の手が途中で止まった。
ビックリしたような顔をして僕の口元を見ている。
恐る恐る唇を開けると、血がたまっていた。
すぐにO先生の病院に行き熱を測ると38度の平熱になっていた。
しかし、口の中の血が気になり、O先生は無理やり僕の口をこじあけた。
すると、口の中はひどい口内炎に侵されていた。
舌から喉の奥まで。
「これじゃあ食べたくても食べられないわねえ」
O先生は口内炎を押さえるためにステロイドを投与した。
徐々にだが口内炎も治りつつある。
今は錠剤のクスリを毎日飲まされ、昼間はほとんど寝ている。
今日もタオルに包まってご主人様のイスで寝ていると、いつものように野鳥がりんごを食べに来た。
いつもなら僕の姿を見かけると、すぐに飛び立つのだが、僕の気配すら感じないみたいだ。
薄目をあけて見ていると美味しそうにりんごを食べている。
僕は負けない。
感染症なんかには負けないぞ。
絶対に負けないぞーーーー!!
必ず治ってみせるーーーー!!
食事も喉を通らず、半開きの口からはよだれが垂れている。
一日中寝たきりの状態がニ~三日続いた。
そんな僕を見ていた奥様の脳裏には過去の黒猫達のことが過ぎった。
白血病で死んでいった先輩達だ。
その時の症状に今の僕はそっくりのようだ。
ご主人様が僕の両耳を両手でつかむように触った。
「熱がある!」
すぐに僕は毛布に包まれ、主治医のO先生の病院へ連れて行かれた。
診察台の上へ載せられると、O先生は僕の尻尾をつかみ上げ、お尻に体温計を差し込んだ。
唸る元気もない。
僕はなされるままにしていた。
体温計の目盛りはじわじわと上がっていく。
「41.8度ですね。これはつらいわね」
女医のO先生は僕をさすりながら言った。
「先生、白血病でしょうか」
奥様は恐る恐る訊いた。
「白血病かどうかは検査をしなければわかりませんが、何かの感染症であることは確かですね。
すぐに治療しましょう」
O先生はそう言うと、すぐに点滴を始めた。
そして抗生剤とインターフェロンの投与。
この治療が三日続き、四日目にはインターキャットも投与された。
しかし、熱は一向に41.5度以下には下がらない。
五日目、O先生は、「検査しましょうか」と言ったが、奥様は首を横に振りそれを拒んだ。
もし白血病だったら・・・
それは死を宣告されたも同じだからだ。
ご主人様が僕を見ながら口を開いた。
「解熱剤を使ってくれませんか」
解熱剤は体力を消耗するので、O先生はためらっていたやつだ。
しかし、熱が一向に下がる気配がないので、この日は今までの薬剤と一緒に解熱剤も投与された。
翌朝、僕は目を覚ますと、体が軽くなっているのに気づいた。
少しづつだか食欲も出てきて、やわらかい物なら食べれるようになった。
起きてきたご主人様が、僕の両耳を触って熱が下がっているのを確認すると、ホッとした顔をして奥様を呼んだ。
奥様もしゃがみこんでニコニコしながら僕を撫でている。
しかし、撫でていた奥様の手が途中で止まった。
ビックリしたような顔をして僕の口元を見ている。
恐る恐る唇を開けると、血がたまっていた。
すぐにO先生の病院に行き熱を測ると38度の平熱になっていた。
しかし、口の中の血が気になり、O先生は無理やり僕の口をこじあけた。
すると、口の中はひどい口内炎に侵されていた。
舌から喉の奥まで。
「これじゃあ食べたくても食べられないわねえ」
O先生は口内炎を押さえるためにステロイドを投与した。
徐々にだが口内炎も治りつつある。
今は錠剤のクスリを毎日飲まされ、昼間はほとんど寝ている。
今日もタオルに包まってご主人様のイスで寝ていると、いつものように野鳥がりんごを食べに来た。
いつもなら僕の姿を見かけると、すぐに飛び立つのだが、僕の気配すら感じないみたいだ。
薄目をあけて見ていると美味しそうにりんごを食べている。
僕は負けない。
感染症なんかには負けないぞ。
絶対に負けないぞーーーー!!
必ず治ってみせるーーーー!!