最近また体重が減ってきた。
どうも食欲がわかない。
体がだるいせいか一日テーブルの下にいることが多くなってきた。
心配した奥様とご主人様が、僕をO先生の病院に連れて行った。
外見からはどこも悪いところはないようだ。
口の中の口内炎も綺麗に治っているし、黄疸もない。
それに熱をはかると平熱だった。
ただ、O先生の頭の中にはあることが浮かんでいた。
今までの状態から言って、一番可能性の高いのはエイズと白血病だ。
「血液検査しますか?」
O先生が言った。
しかし、奥様はやはり拒んだ。
「じゃあ今日は輸液とビタミン剤を投与しましょう」
それから何日か経った。
僕は久しぶりに窓の外を見た。
裏庭の雪山が少しずつだが減ってきている。
気のせいか日差しも和らいできた。
もうすぐ春なのに・・・