I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

野生のツツジ  Wild Azalea

2006年05月02日 | 植物のお話

               野生のツツジに一目惚れ

長崎では今ツツジの花が見頃を迎えています。稲佐山公園や諫早公園では毎年この時期に「つつじ祭り」が行われ、雲仙の仁田峠ではツツジ科のミヤマキリシマが満開となり、雲仙岳に春の訪れを知らせます。特に私のふるさと諫早では、ツツジが市の花に指定されていた(合併後はツクシシャクナゲに変わっていました)こともあって、諫早市民でツツジの花を見たことがない人はいないと言えるくらい、まちの至る所に植えられています。

              

当然我が実家のお庭にもピンクと白のツツジがバッチリ咲いていました。諫早で最も目につくこの目が覚めそうなピンク色のツツジはオオムラサキという園芸種で、リュウキュウツツジとケラマツツジジの交配でできた常緑低木なのだそうです。

              

そしてこの白いツツジは、オオムラサキの親にあたるリュウキュウツツジ。これまた園芸種で、キシツツジやモチツツジの交配でできた常緑低木なのだそうです。上の花びらに緑色の斑点があるのが特徴で、とても落ち着いた色合いです。

               

私が五島の山の斜面で見つけたこのツツジはオオムラサキやリュウキュウツツジのような園芸種ではなく、れっきとした野生のツツジ花が少し小振りなのに対し、葉は園芸種より大きく、一ヶ所に3枚ついています。このツツジは葉の特徴からコバノミツバツツジといって、中部地方以西の本州と四国、九州の山地に自生しているツツジなのだそうです。さらに、園芸種が常緑であるのに対し、こちらは秋に紅葉して葉を落とす落葉低木。こんな違いがあるとはちょっと驚きでした

ちなみにコバノミツバツツジより葉がひとまわり大きいのがミツバツツジで、こちらは関東、東海、近畿地方の山地に自生していて、雄しべが5本しかないそうです。ここで紹介しているツツジには10本ありますよね。よく知っていると思っていた花も、こうして詳しく調べてみると、知らなかったことがたくさんあるものです。

              

新緑の美しいこの季節、福江島の山の所々にピンク色の箇所を見つけたら、それはきっとコバノミツバツツジだと思います。道路脇に見つけたらぜひ車を止めて観察してみてください。私のようにコバノミツバツツジの虜になってしまうかもしれませんよ(笑)