伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

田舎暮らしの日々とガーデニング 時々ニャンコと

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ララ・トーク・・・続猫たちの挽歌

2017-09-24 08:15:59 | 続猫たちの挽歌
  ララは話が好きで、聞き分けの良い猫だ。いつも傍にいて話しかけると

 ゴロゴロと喉を鳴らして聞いている。


  そのララが逝ってしまった。

  鳴きも騒ぎもせず、非情にも体に取り付きムクムクと巨大化するガンと

 闘った。

  7、5㌔もあった体を4、4㌔にまで削られて力尽きた。

  今は紫と金糸の布に包まれた桐の箱の中で乾いた骨になっている。


  しかしララお前はそこには居ない。

  知っているよ。桐の箱の中にお前は、私達への贈り物を残して、また

 脱走したんだ。

  
 

  怒らないよ。もう小言も言わない。

  「いいよ、ララは頑張ったから。誇りを持って最後まで立派に、雄々しく

 闘ったから。小言なんてもう言わない。この先は、そっちで自由になって楽

 しくやってくれ。私達のことは気にしなくていい。いいよ。オーケィ?」

 「ニャン、ニャン、ニャン」



 「一緒に暮らしてくれてありがとう」


 「ニャン、ニャン、ニャン」


    


 



                  H29、8、8   昭南
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3 ララ・トーク・・・続猫たちの挽歌

2017-09-18 09:55:56 | 続猫たちの挽歌
 ララへの意見は他の時にもする。

 玄関先にリードで繋がれている時、訪れる猫とよく唸りあいになる。

時には唸り合いだけでは済まない。それで病院へ連れて行ったことも

ある。


  

 「ララお前はアメショウのミックスで図体だけは7、4キロもあるけれど、とても気が弱いんだ」

 「ニャ」

 「タマタマも無いから小顔で優しげで、はったりも効かないしょ」

 「ニッ」

 「自分よりずっと小さいタマタマ有りに、ゴロ巻かれたりするしょ」

 「ニツ」

 「喧嘩になって怪我して、病院に連れて行かれて、注射打たれたしょ」

 「ニャッ」

 「嫌だったしょ」

 「ニャッ、ニャッ」

 「良くわかってるっしょ」

 「ニャン」 

 「だったらもう喧嘩はするな」

 「ニャン」

 「誰とでも仲よくしてお友達になりナ」

 「ニャンニャン」



  


            続く

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ありがとうララ・・・ララトーク

2017-08-19 15:03:11 | 続猫たちの挽歌
 「ララ・トーク」


 ララは話が好きだ。

 脱走の名人でもある。

 家の網戸はいたる所、破壊の跡だらけだ。

 たまらずに網戸の前に金網の戸をセットした。高さは1メートルくらいだ。

 これでもう大丈夫と思っていたら、今度はその金網をよじ登り、網戸と金網

の間のわずか5センチ足らずの隙間に体をこじ入れ、網戸を押し広げて脱走した。


 ララは放し飼いではない。外には毎日リードで繋いで出す。散歩の時は、リード

を握ってお伴をする。一人歩きには慣れていない。

 土地勘もない。だから脱走しての一人歩きはとても心配なのだ。

 迷子になって帰れなくなるのではないか。

 他の猫と喧嘩にでもなるのではないか。

 どちらも怖い。

 実績もある。一度などはリードを着けたまま脱走に及び、5日間行方不明になった。

3月まだ寒い時季だ。

 この時は役所に連絡したり、警察に連絡したり、手配ポスターをあちこちに貼って歩

いた。


 

 幸い親切な人が「家の物置の陰に入りこんで、人が近付くと唸る変な猫が

いる」と役所に連絡してくれて助かった。


 ララは人に懐かない猫だ。迷子になったら助からないと思っていた。

 5日間本当に心配した。


 だから脱走から痩せて戻った時はよくよく言いきかせた。

 「お前は方向音痴だからすぐ迷子になる」

 「ニャン」

 「迷子になったらノラになるんだョ」

 「ニャッ」

 「ノラになったらお前なんか生きて行けないんだョ」

 「ニャ」

 「ごはんも食べられなくなるんだョ」

 「ニャン」

 「飢え死にしちゃうんだョ」

 「ニャン」

 「ちゃんと分かっているのかい」

 「ニャッ、ニャッ」

 「分かっているならもう脱走したら駄目だョ」

 「ニャン」


     続く

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ありがとうララ・・・ララタッチ2

2017-08-15 09:35:37 | 続猫たちの挽歌
には足を投げ出してソファで休んでいる時、

そっと脇に近付き、やがて両手を揃えてお腹の上に置きやおらグングンと

胸に頭突きをくれる。

 二、三回やってトンとソファから下りて去る。

 もう一つある。

 これはタッチと言うよりは、ストレツチみたいなものだ。朝、床に座っ

てテーブルの上に新聞を広げていると脇に来て、背中と尻を押し付けてどド

タリと横になる。


 

 こちらは新聞を読みながら、片手でなでる。ララは目を細め、ゴロゴロと

喉を鳴らす。

 

 長くは居ない。ほんの二、三分ほどだ。

 すぐに離れていく。

 しかし、またすぐ来る。

 今度は反対側だ。私も手を替えてなでる。

 同じく目を細めてゴロゴロ。二、三分で去る。ちょつと間を置いて再び最初

の側にドテッ。ゴロゴロ、二、三分で反対側へ。

 左右を一セットとして三セットほど繰り返す。

 終わったら今度こそ離れて、

お気に入りの場所で、両手両足を天井に向け、タポタポのお腹を全面公開して寝る。


  



 ララは抱かれるのが嫌いな猫だ。


 しかし人が嫌いな訳ではない。


        続く
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ありがとうララ・・・ララ・タッチ

2017-08-14 12:27:48 | 続猫たちの挽歌
 が私が札幌へ行っている間

 ララのことを書いてくれたので

 続猫たちの挽歌のカテゴリーを作った。


 ありがとうララ


 1 「ララ・タッチ} 


16年間、共に暮らした愛猫ララが逝った。

 山ほどの思い出と、限りない癒しの記憶を残して、ララは逝ってしまった。



物置に積まれたタイヤの中で生まれ、およそ三か月を過ごしたアメショウのミックス

牡のララは、人に抱かれるのが苦手だった。自ら膝に乗ることなどまず無い。


 しかし、人間が嫌いと言う訳でもない。



 ララにはララなりの遣り方があるのだ。

 それを私達は「ララタッチ」と呼んでいる。

 方法は私が立っている足元に何気に近付き、トテッと横倒しに倒れて、尻と腰を

 足の甲の上に乗せる。暫くじっとしていて、やがて去る。



 

  続き





  



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